ネットでは分からない“発達障害者の小学校の探し方” 育児漫画「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」インタビュー(4)
「どの学校に支援クラスがあるかもネットに書いてない自治体が多いんです」。
母子ともに発達障害での育児体験をつづった漫画「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」。2019年2月に最終章となる「入学準備編」が刊行された同作について、著者・モンズースーさんにインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。(聞き手:直江あき)
漫画「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」とは?
幼いころから生きづらさを抱えていた私が生んだ子は、二人とも発達障害グレーゾーンでした。
未来が怖い、人目が怖い、集団が怖い。絶望と希望を繰り返しながら、それでもなんとか前向きに生きていく姿に、共感と応援の声! アメブロで総合1位を獲得した実録コミックエッセイ。
著者プロフィール:モンズースー(Twitter:@monnzusu)
長男を出産後、ADHDと診断される。基本のんきで前向き。第29回コミックエッセイプチ大賞受賞後に始めたブログ「【漫画】生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」がアメブロ総合1位を記録(現在のブログは「凸凹ハウス〜親子で発達障害でした〜」)。2016年にデビュー作「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」を刊行、大きな話題を呼びロングセラーに。その後、「入園編」「入学準備編」(いずれもKADOKAWA)を刊行。
その他の一部エピソード、購入先などはWebマンガ誌「コミックエッセイ劇場」に掲載されています
―― 「入学準備編」第3話は、発達障害がある子の進路に関するエピソード。特別支援学校に通うか、通常の小学校か。通常の小学校の中でも通常学級か、特別支援学級か……とさまざま。選択肢が多く、迷いそうですね。
住んでいる地域によっても、選べる進路が全く違うので困りました。ネットなどで調べてもなかなか出てこないので、保護者同士で情報交換していました。
どの学校に支援クラスがあるかもネットに書いてない自治体が多いんですよ。もっと情報を公開してくれると助かるんですけど……。
―― ネットで調べられないのは不便ですね。
自治体側が、ネットに書けない事情も何となく分かります。先生によってやることが毎年変わるので、なかなかそこまでできないのかな、と。
―― このエピソードでは「支援の幼稚園や療育(※)に通っていない子でも、入学前のタイミングで(発達障害を)指摘され気づくことも多いようだ」という話がありましたが、そんなに直前に言われるなんてどうすればいいか困りますよね。
※療育:障害をもつ子の社会的自立を目的とした医療、保育
保育園や幼稚園の先生も、毎日その子どものできないところを伝えてくれることが多いようなので、「いきなり突然」というわけではなくて。たぶんママにも心当たりがあると思います。はっきり言われて驚くかもしれませんが。
「病院に行った方がいい」とまでは言わなくても、「こういうことができないので、家でもやってみてください」と少しずつ指摘されて、何となく気になって病院に連れて行く人もいれば、そのまま気にせずにいる人もいるという感じだと思います。
―― 先生もいろいろ言ってくれるんですね。
小学校に上がるタイミングで療育を始める子も多いみたいです。療育を勧められても「私はいいです」と断るママもいるので、人それぞれですね。両方メリットがあるので、どちらが良いとも言えません。
それに、療育を受ける施設や学校の仕組みは住んでいる場所で大きく違うようで、都会の方が施設は多いようですが、人も多いので軽度の子は入りづらいと聞いたこともあります。
田舎の場合、施設自体が少なく、数時間かけて通う……なんて話もよく聞きます、そうすると通うことが難しくなる家庭も少なくありません。通いたくても通うのが難しい場合も多いと思います。
―― 住んでいる地域によってそんなに違いがあるとは。
私も転勤族で引っ越しを重ねたんですけど、引越し先によって考え方や対応が違って、びっくりしました。同じ能力の子でも自治体によって、区切られる部分が全然違うんです。引っ越す前にそういうのが分かればいいんですが……。現状では、実際に住んでみるまで分かりづらいですね。
ベテランのママ達はいろいろと詳しいので、彼女たちから情報収集しています。行政は担当者によって言うことが違いますし。保護者同士で集まると、自然とそういう話になるので、私はそれを聞かせてもらっています。
(続く)
本企画は全5本の連載記事となっています
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