後から分かった「周りが発達障害の子に合わせて」の意味 育児漫画「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」インタビュー(2)

アドバイスされた「かんしゃくがひどい子どもへの接し方」。その真意は?

» 2019年06月08日 12時00分 公開
[直江あきねとらぼ]


 母子ともに発達障害での育児体験をつづった漫画「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」。2019年2月に最終章となる「入学準備編」が刊行された同作について、著者・モンズースーさんにインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。(聞き手:直江あき

漫画「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」とは?

 幼いころから生きづらさを抱えていた私が生んだ子は、二人とも発達障害グレーゾーンでした。

 未来が怖い、人目が怖い、集団が怖い。絶望と希望を繰り返しながら、それでもなんとか前向きに生きていく姿に、共感と応援の声! アメブロで総合1位を獲得した実録コミックエッセイ。

著者プロフィール:モンズースー(Twitter:@monnzusu

長男を出産後、ADHDと診断される。基本のんきで前向き。第29回コミックエッセイプチ大賞受賞後に始めたブログ「【漫画】生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」がアメブロ総合1位を記録(現在のブログは「凸凹ハウス〜親子で発達障害でした〜」)。2016年にデビュー作「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」を刊行、大きな話題を呼びロングセラーに。その後、「入園編」「入学準備編」(いずれもKADOKAWA)を刊行。
















その他の一部エピソード、購入先などはWebマンガ誌「コミックエッセイ劇場」に掲載されています


―― シリーズ1巻第4話に出てくる「発達障害っぽい私より他の誰かが育てた方がまともな子になれるんじゃない?」というセリフ、とても共感しました。モンズースーさんはネガティブな考えが止まらないときはどうしてますか?

 自分は子育てに向いてないなぁと落ち込むときもありますが、最近何となくやっと割り切れたような気もします。諦めたみたいな感じです。

―― 諦めた?

 「受け入れた」と「諦めた」の違いはよく分かりませんが、諦めたという言い方の方が、私にはしっくりきます。できないことでイライラするのをやめて「できないことを認める」ようになりました。そういう部分が諦めなのかなと思います。

―― 「理想の母親像」のようなものを手放すというでしょうか。

 そうですね。できないくせに理想だけ高いので……それが自分を苦しめるんですよね。もちろんいまだにヘコむことは多いですが、「しょうがない」と思うようにしています。

 幼稚園に入る前の長男は、とにかくかんしゃくがひどくて、どうしたらいいか分からず途方に暮れていました。

 発達障害専門の先生からは長男との接し方について「周りが彼に全部合わせるように」と言われました。ですが、当時は全然ピンと来なくて。子どもの言うことを全部聞いて、毎回その通りにしていたら、大変なことになるんじゃないかって思ったんです。

 けれども、そういうことではなく、「長男の言うことをいったん聞いてその通りにすることで、彼が落ち着く。すると周りを見ることができる。そうすれば次の行動や学習につながる」ということなんだと後から気付きました。

―― それはいつごろですか?

 長男が幼稚園に入ったときです。先生たちの行動を見ていたら、長男のペースに合わせてくれていて。そうすると長男も、先生が自分のペースに合わせてくれていることを理解して、自分から周囲に合わせていくようになったんです。それまではすぐにパニックになっていたので、終わりが見えなかったんですよね。

 1巻の最後に発達障害の専門家の市河先生が解説でこのことについて、分かりやすく言葉にされていて、そういう意味だったのかとようやく腑に落ちました。先生の解説が一番響いたのは、きっと私ですね(笑)。

(続く→発達障害の子ども、療育の効果は?

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた