ヌード、あるいは手術体験告白で 米国で続々成立する中絶禁止法、エマ・ワトソンら海外セレブの抗議投稿相次ぐ

アラバマ州で同法案に賛成したのは25人の白人男性。

» 2019年05月19日 17時45分 公開
[城川まちねねとらぼ]

 米アラバマ州で5月15日(現地時間)、人工中絶をほぼ全面的に禁止する法案「人命保護法」が成立し、多くの海外セレブが声を上げています。

 この法案は母体の生命に危険がおよぶ場合などを除き、性的暴行による妊娠も含めほぼ全ての中絶を禁止するもので、中絶手術を行った医師は最大で99年の禁錮刑が科せられる大変厳しいものとなっています。

人工中絶禁止法 リアーナ リアーナの怒りが伝わる一覧表(画像はリアーナのInstagramから)

 バルバドス出身の歌手リアーナは、賛成に投票した25人の顔写真の一覧画像を投稿。「見て、アメリカの女性のために決断をしたばかどもだよ。ケイ・アイヴィー知事……恥を知りなさい!!」と法案に署名した知事を含めて批判しました。


 また、映画「ゴーンガール」などで知られる英女優でモデルのエミリー・ラタコウスキーは、胸を腕で、股間を花びらで隠した大胆な姿をシリアスなコメントとともに投稿。過去に何度もセクシーであることとフェミニストであることの両立を体現してきた彼女らしい抗議といえます。

今週、25人の年老いた白人男性が、アラバマ州では近親相姦やレイプによるものであっても中絶を禁止する法に投票しました。これらの権力ある男性は、経済的な機会が乏しい女性の、産まないことを選択する権利を妨げることで、家父長制を維持し産業的な監獄を永続させるため、彼らの意思を女性の身体に課しています。
中絶を禁止しようとしている州は、黒人女性が住んでいる割合が高い州です。これは階級と人種に関するもので、米国における女性の基本的人権への直接攻撃であり、ロー対ウェイド事件(※憲法で女性には堕胎の権利が保障されているとした1973年のアメリカ合衆国最高裁判所判決)によって守られています。私たちの身体は私たちの選択によるもの(エミリー・ラタコウスキー)



 米歌手のレディー・ガガはTwitterで、「アラバマの中絶禁止法は暴挙。レイプや近親相姦や同意のないものを考慮しないなんて極悪。手術を行った医師はレイプ犯よりも重い刑を科せられる? ばかげてる。この制度によって苦しむことになる女性と少女のために祈ります」と強い怒りを示しています。

人工中絶禁止法 カーラ・デルヴィーニュ わかりきったことと言わんばかりの投稿(画像はカーラ・デルヴィーニュのInstagramから)

 英モデルのカーラ・デルヴィーニュは「男性は女性の体についての法律を作るべきではない」の文字が並んだ画像を投稿し、「説明はいらないね」とコメント。さらに英俳優オーランド・ブルームのシェアした画像は「なぜ女性は中絶が必要なのか?」という円グラフ。内訳は「他人の知ったことではない60%、他人の知ったことではない22%、他人の知ったことではない8%、他人の知ったことではない10%」となっています。

人工中絶禁止法 ミョヴォヴィッチ 「勇気ある告白をありがとう」とコメントがたくさん(画像ミラ・ジョヴォヴィッチのInstagramから)

 アラバマ州での法案成立に先立ち、ミシシッピ州やジョージア州でも中絶禁止法が成立する中、米女優のミラ・ジョヴォヴィッチはジョージア州での同法案可決について言及。「政治的な発言をしたくないけど本当にそうしなければいけないときにはそうする」と前置きし、自身が2年前に東欧での撮影中に、妊娠4カ月半で緊急中絶手術を受けた辛い経験を告白していました。

 「このことは話したくなかった」というミラは、早期分娩となり意識を保たなければならなかったという中絶手術について「最も恐ろしい体験の1つだった。今でも悪夢を見る」とつづり、「これを経験したい女性はいない。しかし必要なときには、安全に中絶する権利を守るために闘わなくていけない」と勇気ある決断をした理由を明かしました。

人工中絶禁止法 エマ・ワトソン フェミニストであるエマも静かに長文のコメント(画像はエマ・ワトソンのInstagramから)

 さらにフェミニストとしても知られる英女優のエマ・ワトソンもジョージア州の中絶禁止法について自らの考えをSNSに投稿。ジョージア州では、胎児の心拍が確認できるようになる妊娠6週目以降の中絶を禁止する「心拍法」が可決されていますが、その名称が「感情に訴えるように意図して名付けられている」とした上で、同法が手術を行った医師だけではなく中絶手術を受けた人、流産した人も罪に問うことを説明。そして2012年にアイルランドの同じ法律によって亡くなったサヴィータ・ハラパナバルの件を想起させると続けます。

 エマは、現在も北アイルランドから中絶手術を受けるためイギリス本土までやってくる女性は後を絶たず、「このような法律で、女性や妊婦が自らの身体や家族にとって最良の選択をするために中絶手術をやめることはありません。ただ安全でない方法での中絶手術を恥辱とともに強要されることになるだけです」と法律の問題点をつづっています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/15/news011.jpg 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. /nl/articles/2412/16/news107.jpg 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. /nl/articles/2412/15/news035.jpg 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  8. /nl/articles/2312/15/news032.jpg 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. /nl/articles/2412/15/news028.jpg 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. /nl/articles/2412/16/news023.jpg 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」