インタビュー
» 2019年06月30日 12時00分 公開

Microsoft EdgeがChromeと同じエンジンを採用した理由とは? 日本マイクロソフトに直接聞いてみた

「ChromiumベースのEdge」の機能、性能について取材しました。

[ねとらぼ]

 日進月歩で発展を続けるITの世界。「WebブラウザといえばInternet Explorer」だった時代は過ぎ去り、今では「PCを購入しネットに接続したら、まずはお気に入りのWebブラウザをダウンロードする」という人は珍しくないはず。でも、こんな疑問を抱いたことがある人もけっこういるのではないでしょうか?

 「Windowsに標準搭載されているけど、Microsoft Edgeってどれくらい使えるんだろうか?

 今回は、そんな疑問を日本マイクロソフトの製品担当者に直接ぶつけてみました。ぶっちゃけ、Microsoft Edgeの使い心地ってどうなんです?


Windows 10のユーザーなら必ず見ているMicrosoft Edgeのロゴ

開発中の「ChromiumベースのEdge」ってどうなんです?

―― 2018年末、Microsoft Edgeのレンダリングエンジンが、従来の「EdgeHTML」から「Chromium」(※)に変更されることが発表されました。これによって何が変わるのでしょうか。

※EdgeHTMLは、Microsoftが開発したレンダリングエンジン。ChromiumはオープンソースのWebブラウザで、Google Chromeはこれをベースに開発されていることから「Microsoft版Chrome」と例える報道も見られた

 Edgeはもともと「Windows 10にとってベストなブラウザ」というコンセプトで開発されていたのですが、世の中ではそれ以外のOSも利用されています。当社で言えば、Windows 8.1やWindows Server、間もなくサポート終了とはいえ、Windows 7をお使いの方もまだまだいらっしゃいます。また、macOSやiOS、Androidユーザーの方も多いですよね。

 そこで「マイクロソフトのお客さまにとってベストなブラウザ」であることへとコンセプトを改めたのに伴い、レンダリングエンジンに関しても大きな方向転換をしたんです。すでに発表しているのですが、Chromiumを採用したEdgeは、さまざまなOSに対応することになっています。


Chromiumベースを採用したバージョンはMacや各種WindowsのOSにも対応予定(Microsoft Edge Insiderより)

 この“新しいEdge”はまだ開発中なのですが、β版(執筆時点では毎日更新の「Canary Channel」、毎週更新の「Dev Channel」が利用可能)が一般の方でもインストールできるようになっていて。動作はかなり軽快で、私は「スピードを重視している人にこそ触ってみてほしいWebブラウザ」と感じています。

 正直、私は「担当だから」と半信半疑で使い始めたのですが、ここまで使ってみて、落ちることも不安定になることも全くなく、かなり安定しています。これは常用しても問題ないなと思って、もうデフォルトブラウザにしてしまいました。皆さんにも使っていただいて、フィードバックがいただけるとありがたいです。


Chromiumベースを採用したMicrosoft Edgeには3種のチャンネルがあり、アップデート頻度が異なります(Microsoft Edge Insiderより)


「Dev Channel」のMicrosoft Edgeホーム画面。レイアウトは「Custom」を除くと全3種。これは背景画像、ニュース配信がついている「informational」


左:inspirational、右:Forcused

「IEを使わないといけない職場」で便利な新機能

―― 今後のEdgeの開発方針は?

 いろいろありますが、1つには“業務で使うWebブラウザ”という点を意識した開発を行う予定になっています。

 例えば、Windows 10にはInternet Explorerも標準搭載されていますが、現行の11が最後のバージョン。サポート終了までセキュリティ対応を行う予定ですが、新機能を搭載したり、新仕様に対応したりすることはありません。ただ、現実的な問題として「業務で古いWebシステムを使っていて、IEじゃないと動かない」などの理由から利用されている方もいます。

 その一方で、コンシューマー向けのWebサイトは、IEをどんどんサポート対象外にしています。

―― 『IEでないと困る』『IEだと困る』という両方の状況があるわけですか。

 そこで“新しいEdge”には、「Internet Explorer Mode」を導入する予定になっています。社内のIT管理部門が登録しておいた特定のWebサイトだけ、IEのレンダリングエンジンで表示する機能で、要は「Edgeという1つのWebブラウザで、EdgeとIEが使い分けられる」ようなイメージです。

Firefox、Google Chromeより省電力

 また、省電力は、以前から一貫している開発方針です。

 2016年に「ストリーミング配信の動画を再生したとき、どれくらいバッテリーが持つか」をChrome、Firefoxといったブラウザと比較した動画を公開していて、そのときはFirefoxより69%、Chromeより45%長持ち。2019年5月にも同様の動画を公開しているのですが、このときもFirefoxより92%、Chromeより41%長持ちするという結果になりました。

 Chromium導入後も、省電力はEdgeの特色として注力していくと思います。










Operaが除外されていますが、バッテリーがもつ時間は2016年同様、「Edge > Chrome > Firefox」という結果に


 Webブラウザのシェア争いは「ブラウザ戦争」と呼ばれ、ソフトは日々進化を続けています。本記事はMicrosoft Edgeがテーマとなりましたが、「このWebブラウザはどんな機能/性能を持っているんだっけ」と時々調べてみると、意外な発見があるかも。

 自分に合ったブラウザを見つけて、より快適なネットライフを送りたいものですね。

(上→「Microsoft Edge」の“使える機能”ってなんですか?

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