「手離し運転」ついに来た 新型スカイラインに搭載「プロパイロット 2.0」は何が進化したの?
最初は怖いけれど、数分でやみつきになるらしい。
2016年にミニバンのセレナから搭載が始まった日産の運転支援機能プロパイロットが、2019年9月に発売する新型スカイライン(関連記事)で、もう一歩進んだ「プロパイロット 2.0」に進化します。「2.0」は一体何が変わったのか。新機能を簡単に説明します。
プロパイロット=アクセル/ブレーキの操作支援とハンドルの操作支援を行う運転支援システム
まず、プロパイロット(1.0)の機能をおさらいしておきましょう。プロパイロットはアクセル、ブレーキ、ステアリングの操作を車間距離や車線などの道路状況を読み取って自律制御することで快適かつ安全な運行を支援する機能です。
「信号や分かれ道のない高速道路か同等の道路で、同じ車線を指定した速度で長距離移動する」。そんな場面でドライバーの負担を軽減し、安全・快適な走行を支援してくれる機能です。速度や前のクルマとの車間距離を維持しつつ、車線の中央を走るようにクルマが補助します。
もう少し具体的に説明すると、前車に追従するアダプティブクルーズコントロール(ACC/日産の名称では「インテリジェントクルーズコントロール」)の「アクセル/ブレーキの操作支援」と、車線を認識して車線中央を走るようにステアリングを制御する「ハンドルの操作支援」を組み合わせて実現します。SAE自動運転レベルの定義では、部分運転自動化となる「自動運転レベル2」に相当します。
プロパイロットは将来の完全自動運転を目指す技術ですが、現時点(2019年7月現在)は運転の主体が人からシステムに移る自動運転レベル3(条件付き運転自動化)までには至っていません。運転席にドライバーが座り、ステアリングホイールを握っていつでも操作できる状態にあること、など、動作には幾つか条件があります。
高速道路で「ハンズオフ=手離し運転」が可能に
プロパイロット 2.0は、高速道路(および同等の自動車専用道)において「ドライバーが常に前方に注意していること」「すぐにステアリングホイールを握れる状態であること」などを条件にハンズオフ=手離し運転ができるように進化しました。
前車の速度に追従し、高速道路での単調な長距離走行を楽にするACC機能の便利さを知るドライバーはかなり増えたはず。そこから「条件を満たせば、手を離せるまでになる」と想像すると分かりやすいと思います。
もっとも「まだそんなところか」と思う人がいるかもしれず、日産の技術説明員によるとプロパイロット 2.0もSAE自動運転レベルの定義では「レベル2」で変わりません。しかし高速道路の手離し運転対応の同等機能について「2+(プラス)」と表現する場合もあるようであり、何より「手離し運転」はこれまでできなかった新しい運転体験です。夢見る自動運転車の実現に一歩近づいた機能であるのは間違いないといえるでしょう。
ちなみにプロパイロット 2.0は、車内カメラによって「ドライバーが前方に注意しており、直ちにステアリング操作に対応できる状態かどうか」をシステムが随時確認することで、安全利用の担保というか本当に利用可能かどうかの判断を行っています。居眠りはもちろんできず、よそ見をしていたり、正しく座っていなかったりしてすぐにドライバーが反応できないと判断される場合や、料金所やトンネルが近づくなど、ハンズオフ走行に対応しない場所が近づくとステアリングホイールを握るように警報で促します。
併せてこの車内カメラは、走行中に寝てしまう、急病で意識を失ってしまうといったドライバーの緊急事態を認識したときにも機能します。緊急事態の認識と共にシステムがハザードを焚いて車両を安全な場所へ停止させ、SOSコールで有人オペレータへ自動通報する安心機能「緊急停止時SOSコール」を実装します。
「追い越し」「車線変更支援」も可能に
もう1つ、「追い越しが可能になる」のもプロパイロット2.0の新機能です。
インテリジェントクルーズコントロール(一般名称はACC)は、同一車線の前方のクルマに「追従する」ように機能します。クルーズ速度を時速80キロに設定したとしても、前方のクルマが時速60キロならば、一定の間隔を空けて前車の速度に合わせて追従します。「それでは遅い」と時速80キロのまま巡行したいならば、ドライバー自身が適宜「追い越し」の操作(前車の発見と車速差の認識、車線変更のステアリング操作、加速のアクセル操作)を行っていました。
プロパイロット 2.0は、この「追い越し操作」がシステムによって半自動化できるようになります。システムが前方に遅いクルマを発見したら、追い越し可能かどうかを周囲の状況を瞬時に確認して判断し、画面表示と音でドライバーに「追い越しする?」と提案してきます。ここでドライバーがステアリングホイールの「追い越し承認ボタン」を押して承認すれば、「車線変更→追い越し→元の車線に戻る」の一連の操作をシステムがやってくれます。もちろん承認しなければ、これまで通り「前のクルマの速度に合わせて追従」します。
車線変更ができることに付随し、高速道路の分岐路やインターチェンジを認識した「車線変更支援」もしてくれます。ナビルートを設定すれば、システムも「どのジャンクションで分岐する/どのICで降りる」が分かっています。高度な3次元の高精度地図データで自車の位置を高い精度で把握しつつ、カメラによって先の曲率や勾配などの道路状況を「先読み」してステアリングと車速を制御することで、「レーンレベルでの走行」を計画してくれるのです。
シーンによってはまるで自動運転のような感覚で、かなり驚きの進化のあるプロパイロット2.0。スカイラインを皮切りに各車種に続々搭載されていくことで、将来の「完全自動運転の実現」が楽しみになる機能です。
関連記事
- うぉぉ「GT-R顔」に大変身 日産が新型「スカイライン」発表、原点回帰の「らしさ」「走り」ガツンと前面に
自動運転にまた一歩近づいた注目の新機能も。さらに幻の「400R」が復活だとぉぉぉ。【写真50枚超】 - そういえばなんで「ハコスカ」なの? ケンメリ、ジャパンなど、歴代「スカイライン」の愛称が生まれたワケ
当時を知らないと意外と新鮮かも。 - 日産の「行列を自動で移動してくれる椅子」に乗ってきた! まさに行列アトラクション
楽しかったー。 - ボタン1つであおり運転を「通報」 緊急時SOSボタン付きの軽、日産「新型デイズ」発売
ハヤりの“顔が厳つめ”モデルも。 - 高速道路「手放し運転」に対応 美しい上級クーペ「BMW・8シリーズ」にクリーンディーゼル搭載モデル
自動運転レベル2の「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」、2019年夏以降に。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
-
ディズニーランド、新イベント前に「強制退園」対応が話題 「これくらい厳しい方がいい」などさまざまな意見
-
“今日好き出演”辻希美の長女・希空、6人の男子の中で“気になる人”明かす「かっこいい」 しかし相手は……
-
夫婦でプラダンの二重窓をDIYしたら…… 予想以上の断熱効果に驚き「す、す、すっごい! 一番分かり易くて、可愛いくて、何より簡単そう」
-
長編みの輪っかを作り、ひたすらまっすぐ編み続けたら…… 完成した“冬のおしゃれアイテム”に「すごーい!」「作ってみます」
-
「すごっ!!」 手縫いの最中で糸が足りなくなったら…… “もっと早く知りたかった”裁縫ハックが100万再生「これはありがたい」
-
「ハライチ」岩井勇気の18年下の妻、成人式に出席 「今日嫁の成人式で」と報告 前撮りで晴れ着姿も
-
囲碁教室の看板が「不覚にも爆笑」「こんなんずるいやろ…」と420万表示 「囲碁、始めてみませんか?」からの……
-
「お菓子作りはピカイチだけど」 辻希美の17歳長女・希空、“全くできないこと”が明らかに……危うい腕前に母「マジで怖い」「シャシャとできる日は来る」
-
「こんなのいるんだ〜」 沖縄の山奥にある“人工池”で釣りをしたら…… “まさかの結果”にびっくり仰天「ロマンしかない」
- 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
- 「大根は全部冷凍してください」 “多くの人が知らない”画期的な保存方法に「これから躊躇なく買えます」「これで腐らせずに済む」
- 浜崎あゆみ、息子2人チラリの朝食風景を公開 食卓に並ぶ“国民的キャラクター”のメニューが意外
- 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
- 中2長女“書店で好きなだけ本を買う権”を行使した結果…… “驚愕のレシート”が1300万表示「大物になるぞ!!」「これやってみよう」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”の家族に反響 ジュノンボーイの幼少期が香取慎吾似?【コンテスト特集2024】
- 大好きなお母さんが他界し、実家でひとり暮らしする猫 その日常に「涙が溢れてくる……」「温かい気持ちになりました」
- 「やばすぎ」 ブックオフに10万円で売られていた“衝撃の商品”に仰天 「これもう文化財」「お宝すぎる」 投稿者に発見時の気持ちを聞いた
- 「こんなおばあちゃんになりたい」 1人暮らしの93歳が作る“かんたん夕食”がすごい! 「憧れます」「見習わないといけませんね」
- 【今日の難読漢字】「碑」←何と読む?
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」