黒木華「凪のお暇」キャスティングを不安視していてごめんなさい 開始15分で引き込まれた“リアルな重さ”(2/2 ページ)
空気を読むことを拒否した凪
そんな引越し先のアパートに慎二が来訪する。凪からすると、いじめっ子に再会したような気持ちだろうか。
「どした、その頭? マジかよ、お前。ブスになったなあ〜(笑)」(慎二)
ここで空気を読み、慎二を家に上げてしまう凪。いつものように、凪に「何かつまみ作ってよ」と慎二。そして、慎二は凪を押し倒した。
繰り返すが、原作の慎二と高橋一生版・慎二はちょっと違う。原作版は凪のことを好きなのが丸わかり。そのこじらせが憎めず可愛らしさがあるのだけど、高橋に演技力があるだけにドラマ版は過剰に怖いのだ。まるでサイコパスに見える。マンガでは、作者独特のゆるいタッチの絵がかなり緩和していたのだと痛感した次第。
「今後一切、私に関わらないで!」(凪)
人生をリセットし、再スタートを切った凪。新たな道から後退しないため、彼女は元彼に言い放った。
「また来るねー」(慎二)
慎二は行きつけのスナックへ行き、「大好きな子にフラれた」と号泣する。彼には彼の思いがあるのだが、それまでのサイコパスが過ぎ、振り幅ばかりが強調されてしまった。彼の涙を見ても全然ほだされない。結果、SNSには「慎二、やべぇ」のハッシュタグで溢れかえる事態に。
一方、隣人のゴンはいきなり凪にハグをした。
「ごちそうさま。おやすみ」(ゴン)
いや、まだ明るいのに「おやすみ」って……。抜群の癒やし効果だが、彼は「メンヘラ製造機」の異名を持つ男でもある(原作より)。
放送直前レビューでキャスティングへの不安を書いてしまったが、今では「ごめんなさい」の心境だ。マンガ版慎二をトレースしなかった高橋のサイコパスっぷりも、あれはあれで良し。ただ今後、慎二にもゆがむ理由があり、本当は憎めない奴だとだんだんわかってくると思うので、待っていてほしい。
役者が演じるとこうも心に刺さりまくるのかと圧倒された第1話。マンガでも十分刺さってたのに、実写はさらにリアルで重くなるなんて。はっきり言って、メチャメチャいい出だしだった。今期、一番楽しみなドラマだ。
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