『地球の歩き方』を100冊読んで発見した、「最も詩的な一節」を発表する(1/5 ページ)
旅は人を詩人にする――。
旅行が好きだし、旅行ガイドが好きだ。なんなら旅行しなくてもガイドさえ読んでいればいい。見知らぬ土地のガイドを読みあさり、空想にふけるのは楽しい。
旅行ガイドの目的はあくまでも現地の情報を正確に伝えることだけれど、僕が好きなのはガイドの中でもこういう表現だ。
密林の中に忽然と姿を表すアンコール・ワット。独自の世界観を持つ小宇宙がここにある。
『地球の歩き方 アンコール・ワットとカンボジア 2019〜2020』より
小宇宙。詩的だ。アンコール・ワットがどこにあるかはGoogleMapを見ればわかるが、アンコール・ワットが小宇宙だという情報は載っていない。それも旅行記や小説ではない、ガイドブックにそう言う表現が載っていることが大事なのだ。
あくまでも客観性が重視される「ガイド」という制約の中で、思わずにじみ出てしまった筆者の主観的な旅の記憶。そういうものに旅情がかき立てられるのである。
特に『地球の歩き方』シリーズはその傾向が強いように思う。僕は昔から家にある古い地球の歩き方を読んでは、筆者の見た景色を想像するのが好きだった。
岡田悠
夜は旅行記やエッセイを書き、昼は会計ソフトを作ってる人。2019年、noteに投稿した「経済制裁下のイランに行ったら色々すごかった」と「近所の寿司屋のクーポンを記録し続けて3年が経った」により、一躍“イランと寿司の人”となる。好きな会計用語は旅費交通費。
『地球の歩き方』の“にじみ出てしまった”部分
とにかくモロッコという国は、あらゆる側面において強烈な個性を放っている。初めて訪れる人にとって、旅は驚きの連続になるだろう。
『地球の歩き方 モロッコ 2006〜2007』より
地球の歩き方には、「扉絵」となるページが最初に挟まれていることがある。扉絵では鮮やかな写真が両面に広がり、その国を象徴するような美しい一節が並んでいる。上述の文章はモロッコ編の扉絵に載っていたもので、僕を初めてのバックパック旅行にいざなった忘れられない一節だ。
残念ながら扉絵は近年減少傾向となり、モロッコ編においても扉絵は無くなってしまっている。その代わり現地のアクティビティやレストランなどがイラストで細かく解説されるなど、実用的な情報がより充実するようになった。ガイドとしてはまっとうな進化だと思うけど、どこか寂しい気もしてしまう。
そこで地球の歩き方の名文を後世に伝えるべく、僕は詩的な一節を集めることにした。これまでに買った数十冊の地球の歩き方を改めて開き、また足りない分は休日に図書館にこもって読みふけった。全部で100冊くらい読んだと思う。(ちなみに地球の歩き方の中でも「GEM STONE」シリーズは写真集や読み物に近く、対象外とした。あくまでも実用的なガイドの中に潜む詩的な一節を発見したいからである)
では、ここからはその名文をランキング形式で紹介していく。なおこれは僕の完全な主観と好みであり、この他にも多くの名文が存在することは言うまでもない。
まずは第10位からだ。
第10位 モンゴル - ゴビ砂漠
山や谷、そして砂と礫のゴビ。
わずかに草が生えた大平原にも生息する動物はいる。
何より、ここにも人の暮らしが存在する。
『地球の歩き方 モンゴル 2017〜2018』より
モンゴルに広がるゴビ砂漠を表現した、扉絵の文章。最後の一文が良い。広い砂漠にゲルがポツンとたたずんでいる情景が浮かんでくる。そして「礫」という漢字が難しくて読めない。それがこの文章の格式を上げていてまた良い。
第9位 アイルランド
ウシュケ・バハ(命の水)。緑の島を潤す良質な水から生まれるウイスキーは、長い間こう呼ばれてきた。
『地球の歩き方 アイルランド 2019〜2020』より
「ウシュケ・バハ」が格好良すぎるのでそれだけで思わずランクイン。倒置法の文章にすることで、その格好良さが際立っている。僕もダンルース城を眺めながらウシュケ・バハをグラスに注ぎたい。
関連記事
- 高さ233m。世界最高クラスのバンジーから飛ぶと、人間の身体はどうなるか?
細胞たちのブーイングに逆らう。 - 「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
ニュースなどでよく見る表現も、意外と分からん……。 - 「稟議=りんぎ」「洗浄=せんじょう」ではない? 現代人には分からない“漢字の本来の読み方”
学校のテストで書いたら、逆に減点されそう。 - ディズニーランドを貸し切りにするのが異常に難しい「お金以外」の理由【漫画版】
ぐぬぬ……。 - Suicaはなぜ「充電なし」でいつまでも使えるのか?【漫画版】
サイズ的に電池入ってなさそうだけど。 - 「大人」の読みは「おとな」じゃなかった! 「大人500円 小人200円」の読み方は?【漫画版】
「小人」も読めない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
-
元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
-
ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
-
「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
-
“作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
-
誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
-
21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
-
0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」