インタビュー
» 2019年09月27日 20時30分 公開

ゲイだからこそ“飲み会の男同士のキスコール”で傷つくことも エッセイ漫画「あさな君はノンケじゃない!」インタビュー

「こういうときにふと、世間の前提条件というものを実感してしまいますね」。

[佐藤星生,ねとらぼ]

 アパレル企業で働きながら、ゲイである自身の体験を描いたエッセイ漫画「あさな君はノンケじゃない!(※)」(著者:あさなさくまさん)。ほっこりエピソードを通じてゲイの日常を描き、Twitterやピクシブ上でも反響を呼んでいる同作の誕生秘話や見どころについてあさなさんにインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。(聞き手:佐藤星生

※ノンケ:異性愛者のこと。同性愛者、特にゲイの立場から用いられる語として知られる



漫画「あさな君はノンケじゃない!」とは?

 あさな君は、アパレル会社に勤めるごく普通のアラサー男子。ひとつだけ違うのは、ゲイであること――。2017年に開催された第2回ピクシブエッセイ新人賞受賞作品。あたたかく、少し切ない。今どきアラサーゲイの日常を描くコミックエッセイ。

 自分の性のあり方の、母へのカミングアウト、初恋の男の子の想い出、そして運命の人との出会い。ノンケ(異性愛者)では味わえない日常や過去の思い出を優しいタッチと言葉で描写しており、これまでセンセーショナルに描かれがちだったゲイ関連作品とは一線を画した内容に仕上げています。

著者プロフィール:あさなさくま(Twitter:@sakuma_asanapixiv:あさな さくま

漫画家・イラストレーター。アパレル企業でデザイナーとして働く傍ら、Webメディアを中心に創作活動を行う。「あるある!」と共感を呼ぶ作風だけでなく、そのファッション描写にも注目が集まっている。


















その他の一部エピソード、購入先などはWebマンガ誌「コミックエッセイ劇場」に掲載されています


―― あさなさんの描く絵はオシャレでどことなく懐かしさを感じるレトロポップな印象を受けます

 もともとデジタル感のある画風よりも、レトロな画風が好みなんです。80年代後半、90年代の作品が好きで、昔から『人魚シリーズ』『犬夜叉』などを描かれた高橋留美子さんに憧れていました。

 自分で描くならその方向で行きたいなと思って、デジタルで描いていますが、あえてアナログ感を出しています。グラデがキレイになりすぎないようにドットに置き換えたり、温かみを意識しています。

―― 本職であるアパレルのお仕事も影響しているのですか?

 そうですね。レディースファッションがそもそも好きで今も仕事で携わっているので、作中に出てくる女の子の服はかなり意識して描いています。漫画ではキャラクターを立たせるために「THEマンガキャラの服装」というものがあると思いますが、エッセイなので意識的にリアルなファッションを描いています。

―― 一方のあさなくんはシンプルなファッションばかりですね(笑)

 そうですね(笑)。自分が着るものとしては、とにかく白いTシャツが好きなんですよね。女の子のコーデは仕事柄、いろいろ浮かぶんですが……。

―― 異性のお友達が登場していますが、あさなさんにとって二人はどんな存在ですか?

 二人とも10年以上の長い付き合いで、一緒にいて安心できる友達なんです。オタク気質で、お互い一人でいる時間も大事にしたいタイプ。距離感がいい感じというか、すごく気が合っていますね。

 女の子と一緒にいるからこそ起きること、できることってやっぱりあって、第2話ではそれを思い返してエピソードにまとめました。

―― 人力車のマッチョな車夫さんに思わずキュンキュンしてしまったという(笑)

 はい(笑)。ただここも描くときに、一度立ち止まりました。「公共の場で他人に個人的な感情を向けるのってどうなの?」という問題です。でもやっぱり、そんな感情を抱いてしまうのが人間で、男性がステキな女性に見とれたり、イケメンの店員さんを見た女の子がキュンキュンしたりするような感覚って珍しくないと思うんです。

 ゲイの場合はその組み合わせがただ違うということで。男が車夫さんにときめいているなんて、なかなか思わないですよね。

―― 会社の飲み会で体験したキスコールのエピソードも、あさなさんがゲイだと知らないから起こったことなんでしょうか

 ゲイであることを全員にカミングアウトしているわけではないので、このときは偶然こういうことになってしまって……。知っていたらたぶんこんなコールはできないですよね。

 もし男性と女性が強制的にキスしろと言われたら、誰もがとっさにセクハラだと思うはず。でも男性同士だと、笑いや盛り上がりが先に立つ。こういうときにふと、世間の前提条件というものを実感してしまいますね。

―― ゲイだからこその複雑な心境を周りは分からないということですね

 僕は「男性とのキスに生理的な拒否感がない」という意味で精神的ダメージは少ないわけですが、だからといってやっぱり「ラッキー!」とはならないし、「男性に嫌がられる」ということについては、逆にショックが大きいんですよね。

(続く)

本企画は全6本の連載記事となっています


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2201/24/news081.jpg 「めっちゃ痩せててびっくり」「尊敬しかない」 ガンバレルーヤ、1カ月半で“22キロ減”の別人ショットに反響
  2. /nl/articles/2201/25/news024.jpg 「抱っこされる時のおててが可愛すぎる」 猫ちゃんが両前足をおなかの上でそろえる姿にもだえる人続出
  3. /nl/articles/2201/25/news097.jpg 「かつみ・さゆり」さゆり、美肌極まる“ナチュラルメイク”姿に反響 「本当に奇跡の50代」「めっちゃ綺麗!!」
  4. /nl/articles/2201/25/news036.jpg 【漫画】妻から夫へ「私が100回言っても聞かないのに他人が言うと一発」 夫婦の会話の攻防に「いいね100万回押したい」
  5. /nl/articles/2201/25/news093.jpg 工藤静香、愛犬バブルが腕の中で天国へ 病魔と闘い抜いた家族との別れに「辛過ぎますが愛している証」
  6. /nl/articles/2112/21/news078.jpg 和田アキ子、“美人で有名”なめいっ子と偶然再会 芸能人並の顔立ちにファン沸く「きれい」「かわいい」
  7. /nl/articles/2201/25/news110.jpg トンガに物資を運ぶ自衛隊員の“ステキなアイデア”にジーンとくる…… 「お疲れ様です」「泣けてきました」と称賛の声
  8. /nl/articles/2201/25/news177.jpg 犬の散歩中に野生のコヨーテに遭遇! 米俳優、とっさの行為が「愛犬家の鑑」「スーパーヒーロー」と称賛
  9. /nl/articles/2201/24/news035.jpg 「みんなのパピー時代見せて」 愛犬のかわいい写真を投稿→ぶっこまれたオチが「この破壊力w」と爆笑を巻きおこす
  10. /nl/articles/2201/25/news145.jpg 競泳・池江璃花子、ヘアカットでばっさりショートに 抗がん剤治療後のくるくるヘアにも「可愛い」の声

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「どん兵衛」新CMに星野源が復活も衝撃の新展開 “どんぎつね”吉岡里帆の正体明かされ「完全なホラー案件」「狂気を感じる」
  2. ハラミちゃん、“公称145センチ”も本当の身長にゴチメンバー驚き 「デカイっていわれるのが嫌になっちゃって……」
  3. 西川史子、退院を報告 「生きていて良かったと思っていない」と告白も、力強い現在の心境明かす「私は医師です」
  4. 「もうアヒル口」「美人確定ですね!」 板野友美、生後2カ月娘の“顔出しショット”にみんなメロメロ
  5. 「気ぃ狂いそう」 木下優樹菜、生配信中止で“涙のおわび動画” やらかしたスタッフに「生きてたらミスぐらいする」
  6. 東大王・鈴木光、“お別れの笑顔”で司法試験合格を報告「本当にありがとうございました」 SNS閉鎖に涙のエール続々
  7. 「こんな普通に現れるの?!」「バレそうで心配」 倖田來未、駅のホームに“普通に並ぶ”姿にファン驚き
  8. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」「どストレートに餅で笑った」と称賛集まる
  9. 第1子妊娠のすみれ、母・松原千明と2年ぶりに涙の再会 「やっとママに会えました」と感動的な親子ショット公開
  10. 渡辺裕之、66歳バースデーで息子と2ショット 合同誕生日会に「すごいお料理とケーキ」「イケメン息子さん」