「同期のサクラ」次第に差がつく同期たちの描写がリアル 「一生引きこもる」運命の分かれ道にいた蓮太郎(岡山天音)を救ったサクラ【4話】(2/2 ページ)
じいちゃんのFAXに書かれていたのは「辛い時こそ、自分の長所を見失うな」というメッセージ。サクラは設計部に乗り込み、蓮太郎の長所を部長に訴えかけた。ダメ出しされた箇所を修正し、ブラッシュアップした蓮太郎の設計図は見違えるようだった。蓮太郎は時間がかかっても諦めない粘り強さを持っている。「長所を見失うな」とはサクラと蓮太郎、両者に響く言葉。人の長所を見つけることができるのは、サクラの持つかけがえのない長所だ。
帰宅した蓮太郎は家族にラーメンを作ってくれるようリクエストした。すると、両親と弟は驚きの表情になる。今まで、家族がどれだけ腫れ物を扱うように蓮太郎に接してきたか、あの瞬間でわかった。
サクラの病室にいる蓮太郎の口ぶりだと、あれからも彼は一級建築士の試験に何度か落ちたようだ。大学を2浪したのに同期の誰よりも精神年齢が低く、仕事面でも他の同期に差をつけられていた蓮太郎。でも、今はスタジアムの設計を任せられるほどの存在になった。「どんなに時間がかかっても諦めない粘り強さがある」というサクラの言葉に間違いはなかったのだ。
いつもの流れに血を通わせた、サクラからだだ漏れの感情
実は、サクラがドンドン成長している。
まず、納得いかない場面で彼女が行う「スーーーッ」の回数が減った。手の傷の原因を火野すみれ(相武紗季)に聞かれたときは口ごもって口をパクパクさせていたし、蓮太郎の両親に会社で何かあったか聞かれたときは「ご本人と相談してからご説明します」とやり過ごした。以前は思っていることをすぐ口にしていたのに、いつしか周囲のことを考えるようになったサクラ(でも、ウソは言えないから口をパクパクさせる)。ロボット的だった彼女のコミュニケーション能力が、いつの間にか向上している。
おなじみのセリフ「私には夢があります!」を設計部部長に訴えたサクラの様子は、今までと明らかに違った。無表情なのに内にある感情がだだ漏れし、伝えたい気持ちが先走っていたのだ。やっぱり、ロボット的なんかじゃない。「苦しむ同期をサクラが救う」といういつものフォーマットに、人間らしいサクラが血を通わせた。
サクラの故郷にかける橋の着工は中止になった。夢が遠のく一方のサクラなのに、自分の夢を語ることで仲間を救い続ける展開は何とも皮肉だ。
寺西ジャジューカ
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死の運命は見える、だが運命を変える力はない……なんて悲しい特殊能力。
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