「ザ・昔の駅」「この佇まいが本当にいい」 日本最古の現存駅舎・旧長浜駅舎で「あの時代の活気」を感じた【写真32枚】(3/3 ページ)
屋外展示の「渋いヤツ」も見逃すなかれ
テツ的に必見なのはこちら。「屋外展示」も忘れずにチェックしておきましょう。
赤さびた線路が置いてありました。よくある昔の線路の展示かなと思いきや、実はこれは「旧長浜駅29号分岐ポイント部」といって、国内に現存する最古のポイントだそうです。
このポイントは1882(明治15)年の旧長浜駅開業から1961(昭和36)年まで、激動の明治、大正、昭和時代に使われ続けてきたもの。旧長浜駅舎と同様に、鉄道遺産に指定されています。
また、旧北陸本線の柳ヶ瀬トンネルにかけられていた「伊藤博文による題字」入りの石額もここに残されていました。「万世永頼」。「万世永く頼む=鉄道が世のために働いてくれることを、いつまでも長く頼りにする」という意味です。明治時代、日本が鉄道にかけていた大きな期待や希望のほどが伺えます。
こんな調子でほくほくしながらあちこち見ていると、受付の方がわざわざ出てきてくれて、「踏切から旧長浜駅舎と現長浜駅をまとめて見られますよ。今の長浜駅は旧長浜駅舎をイメージしたデザインなんですよ」と教えてくれました。やさしい。
ほほほー。眺めると確かにそっくり!
でも踏切で立ち止まって写真を撮るのは危険で厳禁。この光景はぜひ現地へ訪れて、十分に気を付けて眺めてくださいね。
なぜ長浜駅ができたのか 当時の鉄道事情をおさらい
最後に、ここ長浜に駅ができた背景を少しおさらいしましょう。
明治維新が起き、元号が明治に改められます。明治2(1872)年、明治政府は鉄道建設を決めました。幹線として京都と東京を結ぶ路線を定め、その支線として、東京と横浜、京都、神戸を結ぶ路線と、琵琶湖周辺から敦賀(福井県)を結ぶ路線が定められました。
簡単にいうと、東京、横浜、京都、神戸を結ぶ太平洋沿岸地域と、敦賀の日本海地域を鉄道で結ぼうという計画です。琵琶湖周辺から敦賀に向かう路線の起点となったのがここ長浜駅でした(なお、2020年現在の北陸線の起点は長浜駅ではなく米原駅です)。
開業当時、長浜駅の近くに港があり、人や荷物は鉄道連絡船を使って琵琶湖上を大津まで行き来していました。運輸の大きな拠点の1つでした。
旧駅舎のあちこちに、そんな時代の活気を感じました。
長浜鉄道スクエアの近くには、秀吉が造った長浜城址、歴史的建築物が立ち並ぶガラスの街・黒壁スクエアなど、歴史を感じるスポットもあります。いろいろめぐると、ちょっとした時間旅行の雰囲気が楽しめるかも?
長浜鉄道スクエア
- Webサイト:https://kitabiwako.jp/tetsudou/
- 入館料:大人300円、小中学生150円
- 開館時間:9時30分〜17時(受付16時30分まで)
- 所在地:滋賀県長浜市北船超1-41
- 休館日:12月29日〜1月3日
(鶴原早恵子)
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シャレオツなフォントかと思いきや……!
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