【“おばけ探知機”開発者の本当にあった怖い話】第3夜「心霊番組の収録、“おばけトンネル”に探知機を持ち込むと……」
日本唯一の「おばけ探知機」を作った方にお聞きしました。
怪を語れば怪至る―― ホラーコンテンツ、心霊や都市伝説にまつわるゲームなど、そういった“この世ならざるもの”に関わるモノを作っている現場では、さまざまな怪奇現象が起きていると耳にします。
今回は、おそらく日本で唯一であろう“市販のおばけ探知機”「ゴーストレーダー」「ばけたん」の開発者・河原邦博さんにインタビュー。開発の裏側で本当にあった怖い話を、全7回にわたってお送りします。
ゴーストレーダー:テレビ番組の撮影中に起きた怪異
ゴーストレーダーが発売した直後のことなんですけれども。ありがたいことに結構話題になってくれまして、テレビ番組でゴーストレーダーが取り上げられたこともあるんですよ。
―― おお、すごいじゃないですか。
それらのオファーの中には、心霊番組でゴーストレーダーを使いたい、現場まで同行してほしい、というものが少なからずありまして。……そういえば「ここで幽霊が出ることになっているので、タイミングよく反応を出してください」なんて言われたこともありましたね。
ですがゴーストレーダーもばけたんも、反応一覧を見せるようなデモ機は存在しませんし、そもそも意図的に反応を出すこと自体が不可能ですので。「できません、無理です」と即答でした。
―― 台本が必要なのは分かりますけど……ちょっとあんまりなオーダーですね。
さて、それとは別の番組の撮影に同行したときの出来事なんですが。えーっと、どこだったかなぁ……そうそう、山梨県にあるトンネルで、結構有名な心霊スポットでの撮影に同行したんですよ。
それにはグラビアアイドルさん、芸人さんなどが出演してたんですけどね。内容としては「ゴーストレーダーを持って、心霊スポットへ行って、幽霊を探して見つけてみよう」っていうような、怖がっているところを楽しんでもらおうみたいな、よくあったやつです。
それでトンネルまで行って、私はロケバスの中で待っていたんですよ。私は現場の撮影には参加しない、って形だったので。しかし、撮影が始まってしばらくたった頃にですね、スタッフさんに大声で呼ばれたんですよ。「河原さあぁぁんッ!!」って、もうこっちが驚くぐらいの大声で。
それでこちらも「はーい!」って大声で返事して。なんだなんだと現場へ駆け付けたら、撮影が止まっていたんですよ。トンネルの中で、全員が固まっちゃってる。
ともかく話を聞いてみると、ゴーストレーダーが動かなくなった、って言うんですよ。それらを受け取って確認すると、プログラムに存在しない反応を起こしたままフリーズしていたんです。
ゴーストレーダーって、何かを探知すると光のパターンで示すんですよ。これがそのパターンの一覧表なんですが、どれにも当てはまらないパターンで固まっちゃってて。
作った自分が想定していない、ありえない現象でしたので、皆さんの手前、平然を装いつつも「なんだこれは」と内心ビクビクで……。再起動やらリセットやらいろいろとやってみたんですが、一向に直る気配がない。
さらにはそのトンネルがですね、本当に出るとすごく有名な心霊スポットだったものですから、皆怖がっちゃって。特にグラビアアイドルさんなんて泣き出しそうになっちゃってて……これはまずいぞ、となりまして。撮影は中断になっちゃって。
―― ゴーストレーダーは私も相当使っていましたけど、フリーズしたことなんて一度もないですよ。
ですよねぇ……。
その後、私は「これ不良品だったのかな、壊れちゃったのかな」なんて考えながら、固まったゴーストレーダーを持ってトンネルから出たんですが……。そうしたら、さっきまでうんともすんともいわなかったのが、普通に動き始めたんですよ。さっきまで何をやっても動かなかったのに。
―― うわぁ、何ですかそれ……。
プログラムにない動作を起こしただけでもおかしいのに、ピンポイントでトンネルの外に出た途端に動きだすなんて、ねぇ……。しかも有名な心霊スポットで、ですよ。
偶然にしてはできすぎですよね。でも、実際に起きちゃったんですから。
連載一覧:“おばけ探知機”開発者の本当にあった怖い話
たけしな竜美(@t23_tksn)
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