“お嬢様”に育ててきたはずなのに……大学デビューで変わってしまった娘に「普通になってほしい」と願う相談者 「テレフォン人生相談」先週のハイライト(2/2 ページ)
「(普通になれということは)彼女の人生の目的とか、彼女ならではのいろいろな生きがいを見つけるということは、やらない方がいいということになりますが、それで合ってますか?」
「いや、生きがいも、普通の生活をしててもできると思うんですが……私の考えでは」
確かに「親から金を出してもらって大学に行ってるんだから」とか「普通の生活をしてても生きがいは見つけられる」という意見も正論だとは思うのだが、娘を相談者自身の理想にあてはめようとしている印象は強い。
「同じようなことが私の娘にあったと想像してみます。『いろいろ発見したんだろうなぁ、自分の娘は』『社会を知りたいって今、思ってるんだろうな、貪欲に』って私なら思うと思います」「『この自分のままではまずい』なのか、あるいは『もっとこういう風に生きたかった自分を見つけた』なのか。その辺はすごく私は興味を持って、母親として聞きたいなと感じました」
変化する娘に対して「普通になれ」と強制するのではなく、娘に寄り添って、何が起こっているのか、何を考えているのかを知ることが重要だと語った。
「アナタはたぶん、本当のお嬢さんの心には興味がないように感じるのですが、いかがでしょうか?」
「娘は自分の弱さに負けている」「人生をいい加減に生きていくんじゃないか」と心配する相談者に、田中ウルヴェ京は母親としてやるべきことを挙げる。
- 娘は母親の所有物ではないと認識すること。
- 娘が弱さに負けているのだとしたら「強くなりなさい」ではなく、弱い娘の話を聞いてやること。
- 「人はこういう風に行動すべき」「普通女の子はこうであるはず」「就職はこんなところにすべき」といった“べき思考”を見直すこと。
「人生はご自身で作らなきゃいけないっていうことを失敗経験から知ることがとても大事なので。今、お嬢さんは色んなことで苦労したり困ったりっていうことをはじめてやっている可能性があります。いろんな知らない大人や、価値観の違う友達と出会って、いろんな種類の人間と出会って、いろんなことを経験しているはずで、それをアナタはまったく見ていない」
昼夜逆転で仕事や研究をする人もいるので、昼夜逆転しているからといって、だらしがないわけではないはずだと指摘した。
「うーん、大学生活で、これからできないことをやっておくっていうのは、まあいいと思うんですけども、それもずうっとじゃなくて、期間を決めて。何日間は楽しむけれども、何日は勉強するっていう風に、メリハリをつけるっていうか……」
「これも“べき思考”ですね。楽しいことは悪いことだという“べき思考”があるような気がします」「親としてできることは、アナタ自身を変えることです」
ふんわりアドバイスが多い田中ウルヴェ京だが、今回はなかなか辛口だった。
コントロールマザー的な傾向を感じる相談者。子どもの頃にやらせていたピアノ、バレエ、英会話といった習い事も、相談者の「お嬢様みたいに育てたい」という願望が大いに反映されているのだろう。母親に束縛されてきた反動で、娘の方もいきなり大学ではじけてしまったのではないだろうか。
相談者は、娘の問題点について「怪しいバイト」「悪い友達と一緒のサークル」「学生ローン」とは言うものの、具体的にどんなバイトなのか、何をやってるサークルなのか、いくら借りているのかなど把握していなそうだ。
相談者からすると「怪しいバイト」「チンピラな友達」でも、娘にとっては「好きだから辞められない」大事な場所、大事な友達なのかもしれない。自分の理想の“お嬢様”ではなく、娘自身に興味を持った方がいいだろう。
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