ディズニー新エリア「美女と野獣」の完成度がすごすぎました 映画の再現っぷりをネタバレ解説します(1/2 ページ)
映画の世界はここにあったんだ!
ニューファンタジーランドの目玉となっているディズニー映画「美女と野獣」の新アトラクション「美女と野獣“魔法のものがたり”」が9月28日公開されました。東京ディズニーランド第2のお城、野獣の城が森の中にそびえ立ち、ベルやガストンが住む村ののどかな風景が広がります。
総工費約320億円、3年の歳月をかけようやく完成した新エリア。足を踏み入れた瞬間、語彙力を失い「すごい」しか言えなくなりました。
右を見ても左を見ても感動。でもここに初めて来た気がしない……映画のストーリーを忠実に再現し、まるでキャラクターになったように楽しめるとんでもないスポットが東京ディズニーランドにできてしまいました。アトラクションやショップを映画シーンと比較しつつネタバレ解説します。書きたいところを書いていったら止まらず、6000字近くありますがお付き合いください!
忠実に再現されたストーリー
「美女と野獣」の舞台はフランス。新エリアの挨拶も「ボンジュール」であることからここがフランスのどこかの田舎街であることがわかります。まずこのエリアに訪れる人に伝えたいのが、直前にもう一度映画を観賞してほしいということ。このエリア、そしてアトラクションを通して物語をどれだけ再現されているか実感し、感動が何倍にもなるでしょう。
トゥモローランド、ファンタジーランド、トゥーンタウンと隣接するこのエリアは入口が3カ所あります。
エントランスから歩いていくと、スペースマウンテンの先、ベイマックスのハッピーライドの横から入る道が1つ目。2つ目がベイマックスのアトラクションを過ぎビックポップの先、トゥモローランドテラスの向かいの小さな橋を渡ったところ。3つ目がプーさんのハニーハント側からトゥーンタウンの入口を左手に進んだところです。
2つ目と3つ目にあたる入口の間にはベルや父モーリスの住むコテージが建てられています。映画冒頭の野獣になるまでのストーリーから3分過ぎのタイトルを経て、まず映し出されるのがこのコテージ。朝焼けの中、ベルが階段から籐編みのかごを片手に現れます。朝の風景の冒頭「ここは静かな街〜」と歌うベルが渡る石づくりの橋は二つ目の入口にかかっていると想像できます。
街に出ると、今にも窓から挨拶(あいさつ)する村人が出てきそうなノスタルジックな街並みが広がります。キャストも「ボンジュール」と挨拶してくれるので、足も軽やかにベルになった気分で「ボンジュール」と返したくなります(ちなみに夜はボンソワールになり、メルシーと言われることもあります)。
ベルが馬車から降りて、まずはじめに向かった本屋がビレッジショップスの一番端にあります。映画にも出てきたグリーンの看板や、店内には新しい本を探すために使ったハシゴ、本屋のおじいさんの肖像画も飾られています。青い表紙の愛読書も展示されています。リトルタウントレーダーの外壁や窓の装飾も映画から飛び出してきたような精巧さです。
「あぁ〜なんて素敵〜」と座る噴水の装飾は異なります。カリフォルニアディズニーワールドのマジックキングダム同様のガストンとル・フウの噴水です。あぐらをかいて座って撮ればベルになりきれちゃうスポットです。
映画では噴水のシーンの次に帽子屋が映ります。噴水の向かい側、本屋と逆端の店がボンジュール・ギフトという帽子屋設定のショップとなっています。ここまで怖いほど忠実ですね……! 映画ではこの後ガストンが口説きに来ますが、彼が身なりを整えたフライパンはビレッジショップスの真ん中、リトルタウントレーダーの店内にあります。
映画のストーリーではベルは一度帰宅し、発明に成功した父が祭りにでかけるところを見送ります。そのシーンで遠景に山が見えるのですが……なんと新エリアは実際に遠くに山があるように作られているのです! 街を背に遠景をみた瞬間、本当にフランスの片田舎にいるんじゃないかと錯覚します。
失意のガストンをル・フゥや村人たちが褒めたたえ、飲み交わした酒場は本屋などがつらなるビレッジショップスの向かい側です。ラ・タベルヌ・ド・ガストンの店内も再現度が高く、「強いぞガストン(原題:Madame Gaston)」の歌中のシーンを確認することができます。村人とのチェス、ガストンの座った椅子、肖像画、3人娘を持ち上げた際に見える梁(はり)や照明も見比べてみると楽しさ倍増です。
いよいよアトラクション「美女と野獣“魔法のものがたり”」である城へ向かいましょう。森の中にそびえ立つ野獣の城という設定のため、周りの木々も高く、エリア内からも少し見づらい印象です。せっかくの城の写真が……と思うかもしれませんが、ストーリーに沿って森の奥感を出して撮影してみるのがポイントです。城の手前には鉤爪脚の馬車もあります。後ほど父モーリスが村へ帰されるために乗る馬車です。
常に門は開いた状態ですが、見ると鉄格子の重厚な扉が設置されています。城の手前の橋は霧で覆われ、両側にはグロテスク(奇怪な彫刻)が、入口には獅子やキメラが迎えます。城の高いところにもグロテスクが何体もこちらを見ており、不気味な雰囲気が漂います。このまま待機列(キューライン)へ向かいましょう。この先物語が前後しますが、一旦ストーリー通りモーリスの気分で城へ入ります。
回廊を進み、建物内に入るとまず現れるのが暖炉のある部屋です。森の狼たちから命からがら逃れてきたモーリスが、暖をとるために訪れた応接室になります。よく見ると暖炉の上には知らぬ顔で待つルミエールとコグスワースが。そして、旦那様の椅子と呼んでいた大きな椅子の前にはフットスツールになったサルタンがいます。
応接室を過ぎると朝食の部屋に進みます。この部屋は、物語後半にベルとビーストが朝食をともにする部屋です。テーブルの上にはポット夫人とチップがいます。奥にはコートハンガーもいます。彼は暖炉の部屋でモーリスへ暖をとるようマントをかけてあげたキャラクターです。よく見るとこの部屋の誰かが動くので注目して通過しましょう。部屋の中央のワゴンは劇中でよくポット夫人とチップが乗っているものですね。
さらに廊下を進んでいくと、実写版「美女と野獣」のルミエールとコグスワースに似た燭台と時計が飾られています。これはもしかして……? と装飾やモチーフを想像するのも一つの楽しみ方です。
さらに進むと、コグスワースが得意げに語っていた「鎧の廊下」に出ます。左右6領の甲冑がときどきささやきます。劇中では首が動いていましたが、ここでは人間味あふれる甲冑たちのささやきを楽しみましょう。
広々とした廊下に出ます。ここではグループごとに枠内で待機し、ソーシャルディスタンスを保てるようになっています。動き回れませんが、石壁をよく見るとビーストがつけたような爪痕を見ることも! 本当に作りこみが細かい……。
さて、ここまでビーストにつれられて、モーリスが城を移動し、幽閉された――という話として(自分の中で)一旦まとめましょう。
ここからはモーリスを探しにやってきたベルの城でのストーリーが始まります。扉が開くと、玄関の広間へ。玄関の広間の階段上には大きなステンドグラスが設置されています。部屋が暗くなり、音楽がはじまると映画冒頭のプロローグ――王子が老婆を邪険にしたことで呪いをかけられるシーン――がステンドグラスに映し出されます。
そして、階段の左右のバルコニーに現れるビーストやベル。ランプを片手に「誰かいませんか?」と訊ねるベルが、初めてビーストと対面するシーンとなります。
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