ねとらぼ編集部が選ぶ「マイ・ゲーム・オブ・ザ・イヤー2020」 外出自粛中にハマったゲームを紹介します

今年も名作がたくさん生まれました。

» 2020年12月30日 18時00分 公開
[ねとらぼ]
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 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)による外出自粛が日常と化し、なかなか外で遊べない日々が続いた2020年……みたいな状況とは関係なく昨年も一昨年もゲームばかり遊んでいた編集部員ども「マイ・ゲーム・オブ・ザ・イヤー」を発表します。

 名作・話題作が次々登場し、ついに次世代機も発売された節目の年。「ねとらぼ」の中ではこんなゲームが話題でした。

「サイバーパンク2077」(CD Projekt RED/スパイク・チュンソフト)1人目



 無数のバグや、コンシューマー版の怪しい挙動を伏せて発売に踏み切ったCD Projekt REDの企業姿勢のまずさを矮小化すべきではない……すべきではない……が、それでも「サイバーパンク2077」は規格外に面白かった。

 世界観、ストーリー、翻訳、吹替えがどれも上質ながら、本作の手触りとして一番気に入ったのは、実は「移動」の楽しさだったりする。オープンワールドはフィールドが広大である以上、現在地からミッションの開始地点まで数分間「移動するだけ」という局面がザラに発生する。その移動がつまらなければ「作業」や「おつかい」感でうんざりさせられてしまう。ところが本作では街を歩き回るだけで新しい遊びがごろごろ見つかる。

 街中での遊びとは何もサイドミッションに限ったものではなく、例えば車やバイクの挙動はほどほどにリアルながら、歩道橋に突っ込めば派手なジャンプスタントが楽しめるし、主人公に2段ジャンプを習得させれば「アサシンクリード」や「ミラーズエッジ」もびっくりな近未来アスレチックゲームへと変貌する。ストーリークリアまで30時間程度プレイしたが、その内5時間ほどはいかにベランダをつたって高層ビルによじ登るかに費やした。

 もちろんバグの多発や棒立ちのNPCなど、本作に対し不満が無いわけではない。豊富な車をカスタマイズできないのは物足りないし、キャラメイクの自由度が高い反面、本編では美容整形どころか髪形すら変更不能というのは世界観から逸脱しているレベルだ。しかしそんな欠点を度外視してでも没頭してしまう魅力が確かにある。

 今後の修正パッチでPS4・Xbox One版がどの程度快適に動作するようになるかは未知数だが、ハイエンドPCやPS5・Xbox Series X/Sでのプレイ環境があるのなら間違いなく今年最もプレイすべきゲームの1つだ。

(福田瑠千代)



「サイバーパンク2077」2人目



 2020年、年の瀬に現れたこのビッグタイトルは、発売するや売れすぎによるSteamサーバの鈍化、多数のバグとPS4・Xbox One版のスペック&調整不足、返金などさまざまな騒動を巻き起こしました。そしてそのゲーム内容は、騒動を巻き起こすにふさわしい濃厚かつビッグボリュームとなっています。

 高い没入感と美麗なグラフィック、奥深い成長システムやさまざまな戦術を取れる戦闘システムなどアクションRPGとして求められるものを詰め込みまくった同作は、まさに大作と呼ぶにふさわしい1本でしょう。広大なオープンワールドに詰め込まれたイベントは、発売から3週間近くたった今でもその全容を把握できている人間がいないのではないかというほど。

 ちゃんとプレイするにはPS5かXBOX SERIES X or S、もしくはそこそこのスペックのPCが必要になりますが、今からでも環境を整えて遊んでほしい1本です。そしてお金に余裕のある人はぜひ最高のグラボであるRTX3090を積んだPCを購入し、4Kヌルヌル環境で遊んでください。……ざっくり20万円ほどしますが。



(コンタケ)

「ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団」(日本一ソフトウェア)


画像は公式サイトより

 僕は怒っています。「ムカつくほど面白い!」「睡眠時間を返せ!」みたいなしょうもない比喩表現ではなくマジにキレています。プレイに費やした時間の4分の1は地獄のような苦しみでした。でも、なんだろう。その先に待っていた感動が大きすぎて、あまりの振れ幅に頭がバグってしまったのか、このゲームが頭から離れないのです。

 「ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団」は、前作「ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団」に続くシリーズ第2弾。ストーリーのつながりは薄いので今作から遊べます。

 「Wizardry」「世界樹の迷宮」に代表される3DダンジョンRPGに、日本一ソフトウェアらしいぶっ飛んだエッセンスをこれでもかとぶち込んだ一品。中でも目玉は最大40人の超巨大パーティーで、「スキル継承を利用した個々人の強化」&「どんなプレイスタイルも受け入れる懐の深いパーティー編成」――すなわちミクロとマクロの育成を両方楽しめます。「どんなボスも一撃必殺の超魔法特化」とか、「スケベさ(そういう能力値がある)で火力が上がる変態集団」とか、バカみたいな目標に向かって転生とハクスラを繰り返す作業は超ハマる。

 斬新なのはシステムだけではありません。このジャンルとしては異常なほど練り込まれたストーリーも魅力的。普通はキャラメイク式のゲームってプレイヤーが空気になりがちなんですね、ゲーム側が主人公の性格を規定できないから。だけどガレリアは「ダンジョン探索パートの主人公(=俺)」「物語パートの主人公」のW主人公制を採用することで、その二律背反をうまいこと解消しているんです。最高の百合、最高の悲劇、最高の伏線回収、最高の……僕はめちゃくちゃ泣きました。

 いやほんとに。システムと物語だけなら3DダンジョンRPG史上類を見ない傑作なんです……。じゃあ何が苦痛だったのか。包み隠さず言えば、中盤以降のダンジョン探索があまり面白くな……いや、違いますね。死ぬほどつまんね〜〜〜〜〜〜んですわ。特に裏ダンジョン。絶対に許さないからな。

 というわけであまり手放しにオススメできる作品ではないのですが、今年最も忘れられない体験になったので紹介しました。4分の1が地獄だっただけで、残りの4分の3は間違いなく傑作。そんで認めたくないけど、本当に認めたくないけれど、僕はもう地獄も含めて丸ごとこのゲームが大好きになってしまったんだと思います。

(戸部マミヤ)



「不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス」(スパイク・チュンソフト)


画像は公式サイトより

こないだ、「風来のシレン5+」買ったんです。風来のシレン。
そしたらチュートリアル的なダンジョンが終わった途端、なんかおまけダンジョンがめちゃくちゃいっぱい開放(20個くらい)されたんです。
もうね、アホかと。バカかと。税込2980円(Switch/DL版)で、何時間吸っていくつもりなんだよ。ボケが。
なんか「爆発の岩場」ってマインスイーパーとローグライクゲーを組み合わせたダンジョンもあるし。おめでてーな。
マインスイーパーってのはな、理詰めだけではクリアできないゲームなんだよ。どこに爆弾があるか不確定なマスだけが残って、いつ運ゲーと化してもおかしくない。そんなところに多少の不満を抱きつつも遊んでんじゃねーか。
で、「爆発の岩場」もそういう感じかと思ったら、爆弾引いても即死ではなかったり(トラップの地雷が起爆するなど)、地雷の爆風が届かない遠距離から処理できるアイテムを最初から2個持ってたり、不思議のダンジョンらしい対処法で「マインスイーパー運ゲーで即死してモヤりがち」問題をクリアしてるんですよ。
こんなのあったら本編のダンジョンが進まないだろと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
しかし、そこそこマインスイーパーを遊んだつもりの自分でも「上級」はなかなかクリアできないという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはおすすめできない。
まあお前らド素人は、「いかすしの巻物」でも読んでなさいってこった。

(マッハ・キショ松)



天穂のサクナヒメ(マーベラス)



 今年はやっぱり「ラスアス2」かなあ、などと思っていたら年末になっていきなり後方から追い上げてきた2020年のダークホース。自分の中では「ラスアス2」を抜いて一気にベストに躍り出ました。マジかよ。いや実際まったく期待せずに遊んだんですけど、ラストダンジョン〜エンディングの流れが良すぎて深夜に一人でボロボロ泣かされてしまった。とにかく朝倉さやさんが歌うテーマソング「ヤナト田植唄」がすばらしい。「この曲がゲーム中でどう使われているか」を見るだけでも遊ぶ価値あります。このへんは自分の個人noteで書いたので(ネタバレあり)興味がある人はどうぞ。

 かつて国の力を測るのに使われた「石(こく)」という単位は「大人1人が1年間食べられるだけの米の量」のことだったそうです。僕の場合「実家がコメ農家だった」というバックボーンもあって余計にぶっ刺さったわけですが、そうでなくても日ごろコメを常食とする文化圏に住んでいて、このゲームにわずかでも魂を揺さぶられない人はいないんじゃないか。「令和の米騒動」「稲作パートがガチ」といったミームだけで消費してしまうのは本当にもったいない一作。ぜひ最後までクリアして、一緒に「おいでなされ田の神さんよ」のフレーズで泣きましょう……。

 あと厳密には2019年のゲームなのでここでは挙げなかったんですが、今年になって遊んで自分の中での生涯ベスト1を更新した「Outer Wilds」っていうド傑作があるんですけど……あ、もうその話はいいですか?

(てっけん)



The Last of Us Part II(SIE)


画像は公式サイトより

 「The Last of Us Part II」こそが、自分の中で最高の2020年にプレイした中で最も優れたゲームだ。

 ネタバレはできないので詳細は語れないが、このゲームの物語はめちゃくちゃ過激であり、発売直後から批判が殺到した。もちろん正当な批評といえるものが大半だが、一部の過激な人々はストーリーの作り直しを要求したり演者を脅迫したりしていて、「何これ、ミザリー?」と思わされたほどだ。

 要するに、このゲームは、「(一部の人から)めちゃくちゃ嫌われたゲーム」だったわけだが、The Game Awards 2020でGOTYを含む7部門を獲得したことからも分かるように、「好きな人はとことん好きになれる超完成度の高いゲーム」でもある。批判されがちで不幸なタイトルだが、これを読んでいる人は食わず嫌いせずに是非プレイしてみてほしい。もちろん、前作の「The Last of Us」とワンセットで。


(イッコウ)


【番外編】ファイアーエムブレム風花雪月(任天堂)


画像はamazon.jpより

 2019年発売のタイトルにはなりますが、2020年も夢中になってプレイしたのが「ファイアーエムブレム風花雪月」でした。SNSでファンアートなども多数投稿され、いまだに盛り上がりを見せている作品です。

 自分はGBAからファイアーエムブレムシリーズをプレイし始めたのですが、今作はまさに「新しいファイアーエムブレム」だったなと感じました。コーエーテクモゲームスと協力したことによってシステム面が変化したのはもちろんですが、ストーリー面のインパクトが個人的に一番大きかったです。

 本作は士官学校を舞台に、3つの国にひもづく3つの学級のうちの1つを選ぶ仕様になっています。そしてその3学級の級長とそれにまつわるストーリーがどれも革新的だと感じました。ファーガス神聖王国の王子・ディミトリは好青年かと思いきや心に大きな傷を抱えていますし、アドラステア帝国の皇女・エーデルガルトは既存秩序の革新を狙います。そしてレスター諸侯同盟盟主の嫡子・クロードは大きな野望を秘めており……。どのルートを選んでも、「そう来るのか!」というストーリー展開が見られました。

 そして、選ばなかった学級の生徒たちとは、のちに殺し合うことになります。他学級の生徒も自学級に引き抜けるのがこの作品のすごいところで、引き抜いた生徒が祖国を裏切ることに苦悩したり、親しい人間を手にかけることになったりします。さらに親や親友と戦わせると発生する特殊会話も。業が深すぎる……!

 本作では人間が「紋章」と呼ばれる異能を宿すことがあり、貴族の家ではその紋章の有無で嫡子となれるかが決まります。そこから壊れる人間関係がたくさん描かれますし、のちに「紋章とは何から生まれたものなのか」というおぞましい真実も明らかになります。とある書物に記された「女神とは何者なのか」「なぜこの世界で科学技術が進展しないのか」といった裏設定も魅力的。ダークファンタジー要素が強い作品ですが、実はSF的な要素も含まれているので、SFファンにもプレイしてみてほしいタイトルです。

 早く設定資料集が発売されますように……。

(織部弓槻)





 以上、ねとらぼ的ゲーム・オブ・ザ・イヤーでした。他にも「あつまれ どうぶつの森」「Ghost of Tsushima」「FFVII Remake」など様々なタイトルが最後まで候補に残り続け、傑作ぞろいの1年だったことが伺えます。あくまで個々人の心に最も残ったタイトルを選出しましたので「〇〇がない、やり直し」といったコメントはご容赦ください……!

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