「摩周で会いましゅう」釧網本線90周年ツアー 網走〜釧路166.2キロを走破して分かった北海道鉄道旅の再発見(2/5 ページ)

» 2021年11月03日 17時00分 公開
[杉山淳一ねとらぼ]

釧網本線90周年記念ツアー「摩周で会いましゅう」に参加してきた

 真っ暗な女満別空港に降り立ち、真っ暗な道路を通って網走駅前のホテルに宿泊。翌朝は……雪のない網走の景色、なんと清々しいことでしょう。

JR北海道 釧網本線 網走。ホテルの窓からの絶景。この川を左へ行くと網走刑務所。漫画『ゴールデンカムイ』の舞台

 釧網本線90周年記念ツアー「摩周で会いましゅう」は、網走側と釧路側、2つのグループが摩周湖に近い川湯温泉駅で「出会う」という趣向です。長ーい釧網本線。これならば網走、釧路の両方から日帰りで気軽に参加できます。釧網本線を支えてきた人と、釧網本線を再発見したい人ためのツアーです。

JR北海道 釧網本線 網走駅、清々しい青空(もし“出所”するならこんな日がいいな)
JR北海道 釧網本線 テクテクライフにもコラボ企画のチェックポイントが設置されていた
JR北海道 釧網本線 コラボチェックポイントは地元有志による「解説文」がとても濃いのである

 網走側グループの第一走者が臨時列車「テクテク釧網本線めぐり 秋」号です。コラボレーションを記念してヘッドマークとサボも作られました。これらはゲームの景品でもあります。網走駅を8時18分に発車、早速チェックポイントをゲットします。

JR北海道 釧網本線 キハ54形1両にコラボヘッドマークを掲出。この日だけの貴重な姿
JR北海道 釧網本線 サボ(サイドボード:行先表示版)もコラボ
JR北海道 釧網本線 号車表示版もコラボ

 ソーシャルディスタンス対策をしっかり施した車内で、ゆったりと過ごします。

 そして車窓は青いオホーツク海です。流氷の時期とは全く違います。

 「海岸」に人とクルマと建てた釣り竿が並んでいました。秋鮭釣りのシーズンでした。ちなみに海釣りは自由だけれど、北海道の「河川・湖沼」での鮭、サクラマス釣りは違法です。十分注意しましょうね(参考:北海道Webサイト「フィッシングルール2021 Rule&Mannerについて」)。

 ともあれ、秋の風景も良いものですねぇ。旅っていいな。季節を変えて再訪すると、新しい風景や食べ物に出会えますよ。

JR北海道 釧網本線 ゆったり配置。セミクロスシートで長距離乗車も快適
JR北海道 釧網本線 秋のオホーツク海

 MOTレール倶楽部スタッフによる車内放送の観光ガイドも楽しい。オホーツク海の反対側の車窓は、広々とした大地の原生花園。約200種類の花が自生しており、特に夏は色とりどりの花が咲きます。

 実は、原生花園の風景は鉄道が貢献していました。蒸気機関車の火の粉によって、雑草が燃えて畑の野焼きのような効果となり、草花が育ちやすかった。その後SLが廃止されディーゼルカーになると、野火が減り雑草で荒れ放題になってしまったそうです。

 そこでこのあたりで20年ほど前から野焼きを始めたところ、花たちが帰ってきてくれました。なかなか手間がかかっていますね。SL運行を再開したらいいんじゃないかな?

JR北海道 釧網本線 色とりどりの花が咲く原生花園。夏にも来てみたい

 今回の列車は団体臨時扱いのため、行き違いのほかは各駅を通過します。でも景色のいいところでは速度を落としてくれます。また「テクテクライフのチェックポイント操作」のために通過駅でも減速運転です。親切だな。

 それでも景色に見とれて操作を忘れちゃうことは多々。ツアーに参加していたテクテクライフ社長の田村さんも忘れていたほど(笑)。逃したチェックポイントは、帰り道に拾っていくか、流氷の季節にまた来ましょう。

JR北海道 釧網本線 駅のチェックポイントを5つゲットすると1回、プレゼントが当たる催しに参加できる
JR北海道 釧網本線 ちぇっ、ハズレだったよ(笑)

 列車は知床斜里駅でしばらく停まります。懐かしいなあ。冬に行った「オホーツクに消ゆ」ファンツアーを思い出しました(関連記事)。ここからバスで知床岬のホテルに向かったんです。

JR北海道 釧網本線 秋の知床斜里駅
JR北海道 釧網本線 冬はこんな景色だったよなあ……と
JR北海道 釧網本線 駅のポスターで思い出す
JR北海道 釧網本線 駅で釧網本線90周年企画の「思い出写真」も掲示されていた

 知床斜里を発車した列車は、オホーツク海に背を向けて南下します。その車窓は「ザ・北海道」です。誇大な農地と酪農施設、遠くの山も山裾まで見渡せます。そしてこの列車の終点、川湯温泉駅に到着しました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/15/news011.jpg 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. /nl/articles/2412/16/news107.jpg 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. /nl/articles/2412/15/news035.jpg 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. /nl/articles/2312/15/news032.jpg 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. /nl/articles/2412/15/news028.jpg 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. /nl/articles/2412/16/news023.jpg 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」