自粛から明るい話題へ、DMVデビューで大団円! 「2021年の鉄道ニュース・乗り鉄話題」10選月刊乗り鉄話題(2021年12月版)(4/5 ページ)

» 2021年12月31日 18時00分 公開
[杉山淳一ねとらぼ]

【6】「えちごトキめき鉄道」が何度も話題に

 新潟県の越後トキめき鉄道は北陸新幹線の並行在来線会社として発足しました。2021年は「国鉄型観光急行」「直江津D51レールパーク」「名刺きっぷ」が大きな話題になりました。

2021年鉄道話題10選 えちごトキめき鉄道「413系+455系観光急行」国鉄時代の急行列車用塗装を再現した

 国鉄型観光急行は、旧国鉄の交直両用電車「413系・415系」を購入し、ノスタルジックな観光急行を設定しました(関連記事)。この車両は土休日に「観光急行」として運行するほか、食事付きプラン「朝から夕まで455」「釜めしコース」「スイーツコース」「朝から朝まで455(夜行)」として運行します。

 直江津D51レールパークは、圧縮空気で動く復元SL「D51 827号機」を中心に、413系電車、車掌車、転車台、扇形機関庫などの保存建築物を見学できる施設です。直江津駅から徒歩3分の場所にあります。ただし、1日1便、直江津駅からレールパークへ回送列車に乗車できるサービスがあります。

2021年鉄道話題10選 えちごトキめき鉄道が販売する「名刺乗車券」裏面が本物の片道きっぷになっている

 名刺乗車券は名刺のサイズのきっぷです。表面は名刺、裏面はえちごトキめき鉄道の「妙高はねうまライン」または「日本海ひすいライン」の全区間有効の片道乗車券になっています。直販サイトで申し込み、メールで記載内容を打ち合わせると、100枚入りケースが届きます。値段は100枚で1万2000円。筆者も作って配りました。話のネタにピッタリですよこれ。

 開業当時「ヘンな名前だなあ」と思っていたえちごトキめき鉄道ですが、やってることもヘンなので、これで社名とのバランスが取れていると思います。もちろん良い意味で。


【7】ロマンスカーミュージアムが開業、VSEの引退が決定

 2021年4月19日、小田急電鉄の海老名駅隣接地に「ロマンスカーミュージアム」が開業しました(関連記事)。小田急ファン、ロマンスカーファンにとって待望の車両保存展示施設です。歴代のロマンスカー5形式と小田急電鉄創業時の電車「1形」が佇んでいます。

2021年鉄道話題10選 2021年4月に開業した「ロマンスカーミュージアム」

 ロマンスカーも時代を経て、新しい車両が登場しています。その一方で古い車両は引退し、他社へ譲渡、あるいは解体処分となっていきます。そんな中で、小田急電鉄はロマンスカーを車両基地などに分散して保存していました。それらを全て集めて公開する施設を作ったのです。ロマンスカーをモチーフにしたこども用アスレチックや、7000形LSEの運転台を再生した運転シミュレーターなど、鉄道ファンからこどもまで楽しめる施設です。

 2階はジオラマパークとして、新宿から箱根登山鉄道までの風景を再現したジオラマがあります。Jの字形のジオラマは、京都鉄道博物館に匹敵する規模。ただし線路は少なめ「ロマンスカーが走る景色を楽しむ」がメインテーマです。全ての建物に照明を組み込んでいるため、夜景の美しさも特長です。

 館外からも利用できるカフェ「ROMANCECAR MUSEUM CLUBHOUSE」では、かつてロマンスカー内で「走る喫茶室」として販売していた「日東紅茶とクールケーキのセット」も再現されました。

2021年鉄道話題10選 2022年3月に定期運行から引退する50000形VSE(写真:PhotoAC)

 12月17日、小田急電鉄は「白いロマンスカー」、50000形「VSE」の引退を発表しました。定期運行は来年(2022年)3月11日まで。それから1年半ほどは臨時列車やイベント列車に使われますが、2023年秋までに完全引退する予定です。ロマンスカーミュージアムへの展示など引退後のことは未定とのことですが、ロマンスカーミュージアムに展示されるでしょう。何となくもう置く場所があるような……。

【8】「ワーケーション」という口実に(笑)

 2021年は旅行先で働く「ワーケーション」という言葉、働き方もじわじわ広まりました。

 ワーケーションは「ワーク」と「バケーション」を合わせた言葉で、2020年の流行語大賞にノミネートされました(関連記事)。リゾート地で余暇を楽しみながら働くという羨ましいスタイルです。しかし、本当に羨ましいのは仕事をしないで余暇を楽しむことだなあ。いつでも仕事に復帰できる環境にしておかないと遊べないのはちょっと寂しいことですね。

 しかし、旅行カバンにノートPCを突っ込めば、ワーケーションと称して堂々と遊びに行けるわけです。というわけで2021年は、列車や駅構内でもワーケーション/テレワークできる環境が次々に生まれました。

 JR東日本は「新幹線オフィス」として、定員の少ない新幹線の先頭車両を乗客共有のテレワーク用車両に設定しました(関連記事)。新幹線に乗車できるきっぷを持っていれば、誰でも譲り合って利用できます。

 JR東海・JR西日本も、東海道・山陽新幹線に「S Work」車両を設定しました(関連記事)。こちらは座席指定車両で、インターネット予約サービス限定で販売します。

2021年鉄道話題10選 東海道新幹線の「S Work車両」で働いている様子(モデルさん)。オンライン会議もできるってことは動画も見られちゃう……と思って、後日実際に乗ってみたら、皆さんホントに仕事していました。遊びに行く人は遠慮する方がいいかも。あと、車内で寝たい人は避けましょう。落ち着かなかったです

 駅ナカや駅チカに設置するテレワークスペースも普及しています。JR東日本は駅構内のシェアオフィスサービス「STATION BOOTH/DESK」(関連記事)を展開、JR東海も駅のWi-Fiサービス設置を進めるほか、主要駅に半個室のビジネスコーナーとコンセントポールを設置しました。

2021年鉄道話題10選 東海道新幹線の東京駅改札内にできたワークスペース。待ち時間の間に仕事ができてホントに便利でした。コレをタダで使えるなんて!

 しなの鉄道やえちごトキめき鉄道では、観光列車の車内で仕事できる「トレインワーケーション」の取り組みが行われました(関連記事)。いすみ鉄道は10月まで「ワッペン・ワーケーション列車」を運行。1日乗車券とセキュリティ付きWi-Fiサービス利用権をセットで販売していました。

 これらの施設やサービスは乗り鉄にとってもありがたいです。乗り鉄は時間のかかる遊びです。仕事のつながりを断つと不安になります。通信や電源環境を整えたテレワーク設備は乗り鉄中のSNS発信にも役立ちます。「ワーケーション」を口実に長期休暇を取りましょう。乗り鉄を楽しみましょう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2504/28/news023.jpg 「もうシソは買わない」 ペットボトルに種をまいて1年後…… “食べ切れないほど”の大収穫に「今年はこれで育てます!」
  2. /nl/articles/2504/26/news079.jpg 釣ったクロダイをさばいたら……「えっ」 中から出てきた“謎の物体”に1900万表示の衝撃「そんなことあるんやw」
  3. /nl/articles/2504/29/news049.jpg 皇后さま、全身「淡いグリーン」の衣装に14万いいね 天皇陛下も同系色のネクタイで“おそろいコーデ”
  4. /nl/articles/2504/28/news147.jpg Vtuberの死去を所属事務所が発表 「詳細については控えさせていただきます」
  5. /nl/articles/2504/24/news136.jpg 青い毛糸で輪っかをひたすら編み、つなぎ合わせると…… 予想もつかなかった完成品が195万再生「これはヤバい」「なんてアイデアなの」【海外】
  6. /nl/articles/2504/29/news023.jpg 「この価格はあり得ない」 ワークマンのEXILE TAKAHIRO監修“1900円シャツ”に称賛続出 「家族の評判も良い」
  7. /nl/articles/2504/29/news043.jpg 「こういう部屋にしたい」 1人暮らしの“1K6畳”入居直後→1カ月後…… カフェみたいなおしゃれ空間に「センスよすぎいぃぃぃぃ」
  8. /nl/articles/2504/28/news013.jpg 夏に向けてトリミングしたワンコ、飼い主が迎えに行ったら…… 注文ミスが生んだ“予想外の姿”が180万表示 「もっと見たい」「じわじわくる」
  9. /nl/articles/2504/17/news162.jpg 築53年家賃4万円・何てことない団地のドアを開けると…… まさかの空間出現に驚きの声「素敵」「ここまでお洒落に」
  10. /nl/articles/2504/29/news077.jpg 「狂気のメニュー」 かつや“新作979円丼”にネット衝撃 「小学生みたいな発想」「ぶっ飛んでる」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 築53年家賃4万円・何てことない団地のドアを開けると…… まさかの空間出現に驚きの声「素敵」「ここまでお洒落に」
  2. 49歳病没の大宮エリーさん、生前開催の個展で「体調も万全でなかったので不安」 3カ月前には苦しげな姿も「声が出にくい」
  3. 自販機に“1000円”を入れたら……? 出てきた“とんでもないお釣り”にお口あんぐり「こんなん初めて見た」
  4. 食パンの留め具、捨てないで! ペタっと貼るだけで…… 目からウロコの“活用法”が100万再生「天才」「絶対試す」【海外】
  5. ティッシュの空箱に、クリアファイルを貼るだけで→この発想はなかった! 便利でかわいいアイテムに反響
  6. 足の悪い母のため、庭に作った小道→100均アイテムで雰囲気ガラリ 天才アイデアに「すごい!」「真似します」
  7. 「久々の大ヒット」 ワークマンの暑さ対策最強“2900円アウター”に絶賛の声 「マジで涼しい」「夏はこのウェア一択」
  8. 「もうシソは買わない」 ペットボトルに種をまいて1年後…… “食べ切れないほど”の大収穫に「今年はこれで育てます!」
  9. 園遊会のお土産「1個800円超えの和菓子」が話題に ほどよい甘さが特徴【天皇皇后両陛下主催】
  10. 青い毛糸で輪っかをひたすら編み、つなぎ合わせると…… 予想もつかなかった完成品が195万再生「これはヤバい」「なんてアイデアなの」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  2. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  3. 「本当に迷惑」 宅急便の「不在連絡票」と酷似のチラシが物議…… ヤマト運輸「配布中止申し入れ」
  4. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  5. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  6. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  7. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  8. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  9. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  10. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】