君はギャラドスのハイドロポンプを生身で食らったことがあるか? 『Pokemon LEGENDS アルセウス』試遊レポ 好きなポケモンに攻撃されて世界が輝く新体験(2/2 ページ)
一人用RPGだから許される「ズル」 唯一無二の主人公であるということ
さて、感動したポイントはもうひとつあります。それは「通信対戦が無いからこその楽しさ」です。
『Pokemon LEGENDS』は発表当初からネットワーク対戦が存在しないことが明かされていました。『ポケットモンスター』シリーズの対人戦といえば、もはやクリア後が本編と呼んでいいくらい奥深く楽しいエンドコンテンツ。しかし、そのせいでメインストーリーを駆け足で終わらせてしまうのは私だけでしょうか?
すぐにでも環境の最前線に身を置きたくて、最初のパートナーがメスになるまで祈ったり、旅パの基礎ポイントにまでこだわりはじめたり、せっかく手に入れた進化に必要な道具がもったいなくて使えなかったり……『Pokemon LEGENDS』はそんな葛藤と無縁です。ただ心が赴くままに、美しいフィールドを悠々と探索し、時にはポケモンたちとのんびり交流する。こんなに純粋な気持ちでRPGとしての『ポケットモンスター』を楽しめるのは久しぶりかもしれません。
とりわけ「あ、マジで通信対戦がないんだ」と実感が湧いたのは、あまりに手ごわすぎるポケモンとのバトルでした。
こちらの手持ちは平均レベル20。一方で相手はレベル60以上あるルカリオです。これが『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』ならば、何もできずにインファイトを連打される無の時間が始まっていたことでしょう。しかし私はこのルカリオを倒しました。自慢したいのでもう一回言わせてください。悪ふざけで仕込まれたとしか思えない、レベル60以上あるルカリオとのイベント戦に、私は勝利しました。ッシャオラ!!!
『Pokemon LEGENDS』のバトルは、いわゆる“タイムライン制”の戦闘を採用しています(正式名称ではなく私がそう呼んでいるだけです)。クールタイムが短い技(「でんこうせっか」「アクアジェット」など)を使うとタイムラインの行動順が繰り上がり、何度も連続で動ける感じのアレ。お互いが交互に1度ずつ行動する“ターン制”ではなくなったわけですね。
この行動順にはプレイヤー側が下駄を履かせてもらっているようで、明らかに素早さが上の相手に対してもこちらから攻撃できる場合がほとんどでした。余談ですがダメージ計算式も従来と異なるような気がします。
しっかり戦略を組み立てることで、フィールドを闊歩する「オヤブン」と名のついたポケモンや、高難度のクエストボスにも立ち向かえる。これは対人戦が無いからこそできる“ズル”であり、“主人公補正”とでも呼ぶべきもの。目に映る相手を片っ端から倒さなければ気が済まない戦闘狂にはたまらない仕様でしょう。
それに伴い育成にも簡略化がなされているようです。例えば“ポケモンの強さが永続的に向上する道具”。実際に使用はできませんでしたが、見た感じでは『ポケットモンスター ソード・シールド』の“ダイマックスアメ”のような印象を受けました。もしかすると基礎ポイントを簡略化したような要素なのかもしれません。
他にも、進化条件を満たしたポケモンはメニュー画面からいつでも進化させられるようになったり(いちいち進化キャンセルしなくていいから超便利!)、一部の技の仕様が変わっていたり(ステルスロックが攻撃技に!)と、さまざまな驚きがありました。一人用に最適化された『ポケットモンスター』は、一体どのような奥行を見せてくれるのか、ますます期待してしまいます。
わずか1時間の試遊でさえ語りたい言葉が無限に湧きあがるゲームに仕上がっていました。正直まだ書き足りないのですが、皆さんの楽しみを奪わないためにそろそろ口を閉じます。
あ、最後にひとつだけ。今回の試遊ではモクロー・ヒノアラシ・ミジュマルの3匹は手持ちに加えられませんでした。メガシンカやキョダイマックスなんて贅沢は言わないので、サプライズで新技のひとつでも覚えてくれたらと期待せずにはいられません。うちのバクフーン、もうずっと燃え尽きてるので……。
文:戸部マミヤ(Twitter)
(C)2022 Pokémon. (C)1995-2022 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.※ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。※Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。※画面は開発中のものです。
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