ハンドルから手を放せる「プロパイロット 2.0」を体験! 日産本気の新型BEV「アリア」に試乗してみた(1/2 ページ)
普段はガソリン車を運転し、EVはカーシェアでしか運転していない筆者がアリアを体験しました。静かな車内とプロパイロット 2.0の組み合わせはすごかった!
日産自動車が2022年5月12日に発売する新型BEV「アリア」(関連記事)の基本グレード「B6(2WD)」の試乗レポートをお届けします。
発売に先立ち開催された報道陣向けの広報試乗会に参加。乗り心地やアリアの目玉である運転支援技術「プロパイロット 2.0」などの実力を体験してきました。
アリアは、「リーフ」に次ぐ日産のBEV第2弾として2020年7月に発表したモデルです。2022年3月には日本専用特別限定車「B6 limited」の第1号車を納車し、5月には基本グレードとなるB6(2WD)を発売します。これまで半導体不足や不安定な世界情勢の影響で発売を延期していましたが、いよいよ街なかでもアリアを見かける機会が増えそうですね。
アリアには搭載バッテリー容量と駆動方式の異なる計4つのグレードがラインアップされています。搭載バッテリー容量が66kWhなら「B6」、91kWhなら「B9」となり、駆動方式は2WDと4WD(e-4ORCE)のそれぞれ2種類ずつです。今回試乗したB6(2WD)は、最高出力160kWで航続距離470キロ、価格は539万円の一番安価なグレードです。残りの3グレードは2022年夏以降の発売を予定しています。
ハンドルから手を放せる「プロパイロット2.0」を実際に体験 静かなEVとの組み合わせは新鮮?
アリアには高速道路上でハンドルから手を放すハンズオフ走行が可能な運転支援技術「プロパイロット 2.0」(関連記事)もオプションで用意します。車両に複数搭載されているカメラやレーダー、ソナーによる周囲360度の情報と3D高精度地図データ、GPSと準天頂衛星「みちびき」による高精度な位置情報を活用して、自車位置と道路の白線や標識、周辺の車両を正確に検知します。
ナビゲーションシステムで目的地を設定すると、高速道路の走行時に、追い越しや分岐も含めて、高速道路の出口まで走行をアシストしてくれます。
ハンドルの右側にある青いスイッチを押すとプロパイロット 2.0の機能が有効になります。この状態ではディスプレイに緑色の表示が出現し、巡航速度を設定すると、従来のアダプティブクルーズコントロール(ACC)機能が動作します。
この状態でしばらく運転していると、ディスプレイ表示が緑色から青色に切り替わり、ハンドルから手を放せるようになります。なお、プロパイロット 2.0の動作には天候不良ではない、トンネル内などで位置情報を取得できない状態ではない、運転者が前方から目を離していない、などさまざまな条件があります。
筆者がプロパイロット 2.0を体験するのは今回が初めて。同乗してくれた日産の開発技術者の方に「もうハンドルから手を放しても大丈夫ですよ」と言われ、恐る恐るハンドルから手を放してみると、本当に何もしていなくても車線を維持しながら走行してくれるので驚きました。
今回の試乗では羽田空港周辺の一般道と首都高速道路湾岸線・横羽線を中心に40キロほどを走行しました。加速時は素早さよりもなめらかさを意識した走り出しで、少し加速すれば速度域によらずほぼ一定の加速度が保たれていた印象です。
沿岸部の走行時も風切り音などを気にすることなく車内での会話が可能でした。路面が荒い場所ではロードノイズもありますが、アリアはエンジン音もなく、モーター音も静か。そもそもクルマから出る音がほとんどないという状況を考えれば、これは静かだと判断できるでしょう。
また、同乗してくれた開発技術者の方によれば、アリアで新たに搭載した駐車支援システム「プロパイロット リモートパーキング」も特にオススメしたい機能だといいます。
プロパイロット リモートパーキングは、車外からクルマの鍵(インテリジェントキー)を操作するだけでクルマを前進・後退でき、駐車位置を指定することなく駐車をサポートしてくれる機能です。「駐車なんて見た通りに入れればいいんだから、駐車支援なんていらないよ!」という駐車のプロでも、後部の狭い駐車場でトランクを開けたいときに、ちょっとだけクルマを前進させたいといったシーンで有効活用できます。
アリアは「ラウンジのようなくつろぎ空間」を開発コンセプトの一つに掲げ、車内空間(特に足元)を広く取っている他、車内の快適さを実現するべく走行時の静粛性にかなりの力を入れています。遮音カーペットや遮音ガラス、吸音材によりボディ全体の遮音性を高め、タイヤも吸音タイヤを装着。さらに新型モーターでモーター音自体も抑制しています。EVだから静か、というのはもちろんそうなのですが、リーフよりも静かになっていることを実感できました。
一通りの走行を試し、高速走行時でも静かな車内とプロパイロット 2.0の組み合わせに新鮮な感覚を持ちました。それこそ快適に走るラウンジのよう。ガソリン車とEVの違いは実際に乗らないと分からない面も多く、ガソリン車に乗り慣れていれば実車を前にした場合の驚きはさらに大きいでしょう。ディーラーへ試乗車が行き渡るまではまだ少し時間がかかるようですが、内外装デザインや車内空間も含めてぜひ実車をチェックしてほしいと思います。
日産「アリア」フォトギャラリー
(大泉勝彦)
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