「シノアリス」のサービス終了発表から考える アプリゲームの“サ終と完結”(1/2 ページ)
「シノアリス」のサービス終了が10月26日に発表され、大きな話題となりました。
アプリゲームのサービス終了発表というのはそう珍しいものでもなく、往々にして「あのゲームまだ運営していたの?」だったり「そんなゲームがあったんだ」だったりするもので、惜しまれたり驚かれたりするものは少数です。そんな中、「シノアリス」のサービス終了が話題になった理由は何なのでしょうか? それは、発表時に「最終エピソードを公開して完結。それに伴いサービス終了する」と発表したことにあります。
ライター:怪しい隣人
出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。
「シノアリス」とは、スクウェア・エニックスとポケラボが共同で企画・運営をしているゲームアプリで、2017年6月6日からサービスを開始しています。「ニーア」シリーズで有名なヨコオタロウ氏が原作およびクリエイティブディレクターを担当していることもあり、開始時はそちらのファンが多くプレイを始めていた記憶があります。
リリース前から「ニーア オートマタ」とのコラボも行っており、ヨコオ氏のファンを集めようとしていたのが伺えます。私自身も童話を元にしたダークな雰囲気とイラストに興味をひかれ、スタート時はプレイしていました。ですが、結局ポケラボが得意なギルド同士の戦いがメインコンテンツではないか? と思うところもあり、早々にリタイヤしてしまっていました。
そんな作品ですが、X(Twitter)での活動がいろいろな意味で印象に残るものだったのです。例えば、1周年のお祝いイベントはリリース開始時のトラブルをちゃかしたようなものでした。また、4周年を迎えたときのイベントが「売上が好評なうちにサービス終了のお祭りをやる」という前代未聞の企画でした。
そんなゲームということもあり、サービス終了の発表を聞いたとき「物は言いようだな」と思ってしまいました。なぜなら、これまでも「サービス終了に際して最終章を実装します」というゲームを数多く見てきたからです。
昨今「ちゃんとシナリオが読める」スマホゲームがブームになっていることもあり、スタート時に壮大な物語の風呂敷を広げるゲームも多いです。そのため、サービス終了時にそれをどうするか、というのは各ゲームの課題になっていると思います。
いくつか例を挙げてみましょう。
例えば「ドラガリアロスト」は、Cygamesが開発し、任天堂とCygamesにより共同運営されていたスマートフォン向けゲームアプリです。こちらは2022年11月30日まで運営されており、2022年7月にクライマックスとなる最終章を実装した上でサービスを終了しています。ストーリーの読み返しが可能なアプリなどはありませんが、スタッフロールが公式により公開されています。
次に「ラストピリオド」。Happy Elementsが開発、運営していたゲームです。こちらは2016年から運営されており、2022年にサービス終了したのですが、12月の9日にメインストーリーの最終章を実装。物語を完結させた上で、メインストーリーやイベントストーリーを読み返す事ができるメモリアルアプリをリリースしています。
こちらは「メインストーリーの完結後にサービス終了します」とアナウンスしていたのですが、「メインストーリーが完結したのでサービス終了します」という「シノアリス」のアナウンスとは若干ニュアンスが違うためか、それほど話題にならなかったように思います。
あるいは「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」では、「10周年という節目で終わりにふさわしいタイミングである」ということで、サービス終了ではなく「サービス完結」という表現をプロデューサーレターで記載していたにもかかわわらず、公式の告知は「運営サービス終了のお知らせ」となっていたのが大変もったいなかったです。
短命に終わった作品では、「サクラ革命」が半年で終了しています。同作は駆け足の内容ではあれど、ストーリーは完結していました。
他にも、「サービス終了に際して最終章を実装する」と告知していたものの、実態として話が終わっているかどうか、という問題もあります。「BLAZBLUE ALTERNATIVE DARKWAR」などはその代表例でしょうか。こちらはオープニングに出てきたキャラクターが最後まで実装されなかったりと、悪い意味で印象に残っている作品です。
個人的にサービス終了でストーリーを公開したゲームで印象深いのは「絶対防衛レヴィアタン」という作品です。アニメにまでなったのですがゲームの運営には恵まれず、半年でサービス終了。運営を変更してゲームシステムの改良を加え「絶対防衛レヴィアタン de R」として再リリースされたのですが、こちらはなんと3カ月でサービス終了してしまいました。
「de R」のサービス終了時に「順次公開するはずだったストーリーモード」を一挙に公開したのですが、確か一気に68章分公開とかとんでもない量な上、内容がひどいバッドエンドでした。世界を救うためにラスボスを倒そうという話になるのですが、アクシデントでその手段が失われてしまい、自分や仲間すべてを犠牲にして世界をリセットするしかなくなってしまうという。文量が文量なので打ち切りのためのバッドエンドにはどうしても見えないのですが、ライターさんがいずれ来るサービス終了のことを考えてこのような物語を作っていたのだとしたら大したものだと思わされ、記憶に残っています。
調べてみると、「俺たちの戦いはこれからだ!」みたいなエンドになるゲームもあるのですが、それでも「最終章」と呼べるものを実装せずに放り投げるゲームは少ないようです。ですが、おおむねサービス終了するゲームというのは皆の記憶に残っていないことが多いのです。そのため、「サービス終了します。話は終わらせます」と言ってもなかなか皆の記憶には残りません。
また、サービスが継続しているゲームでも「第1部完結!」とやったはいいけれど、第2部がいつまでも完結せずにズルズルと運営が続いているものもあったりします。そんな中、「シノアリス」が「話が終わってこれ以上語ることがないのでサービス終了します!」とぶち上げたのはやり方が上手いなあ、と思ったのでした。
と、ここまで原稿を書いていたら「エラーゲームリセット」のサービス終了が発表されました。こちらもヨコオタロウ氏が関わっているゲームであり、プロデューサーレターに「最終章まで実装します」と記載があります。ですが、SNS上でそこに触れている反応はほとんどありませんでした。
「エラーゲームリセット」は現在開始から約半年ですので、「ストーリーが完結しますのでサービス終了します」と宣言しても、「半年で!?」と逆にツッコミを入れられそうではあります。「シナリオを完結させたのでサービス終了します」を皆に納得して通すには、ある程度の運営期間も必要そうです。そういう意味では、6年間運営した「シノアリス」のキャリアがあってこそやれるネタだったのかもしれません。
関連記事
- 「NIKKE」ハーフアニバーサリーイベント「OVER ZONE」感想 「これだよ!」と思える前史の物語
ネタバレありで語っていきます。 - ゲーム「SD シン・仮面ライダー乱舞」レビュー 知らなかったそんなの……な情報が散りばめられた映画版ファンにうれしい1本
そうだったのか本郷……。 - 舞台初心者が舞台「ウマ娘」を見てみたら 「勝利へのこだわりという呪い」に気付き、ガチャを引く意欲が高まったお話
配信でも伝わってきた、舞台の感動。 - 陰鬱で愉快、「背中で魅せる」いろいろと奥深いゲーム 「勝利の女神:NIKKE」レビュー
今後が楽しみなゲーム。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
-
60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
-
「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
-
皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
-
真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
-
71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
-
新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
-
家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」