「スプラッシュ・マウンテン」になぜ消滅の噂が? 大人気アトラクションをめぐる日米の動向を知る(2/5 ページ)

» 2024年10月23日 11時00分 公開
[宮田健(dpost.jp)ねとらぼ]

東京ディズニーリゾートでも見え始めてきた“笑いの国”への旅の終わり

 2022年、東京ディズニーリゾートでもその動きは見え始めてきます。ねとらぼでもパーク内で「南部の唄」のBGMが削除されたことが記事になっていました。

 「スプラッシュ・マウンテン」に関しては、2020年6月ごろから本格的な“対応”を把握していました。南部の唄をモチーフにしたアトラクション「スプラッシュ・マウンテン」は、かつてカリフォルニア ディズニーランド・リゾート、フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート、そして東京ディズニーリゾートの3つが存在していました。しかし、東京以外の2つのスプラッシュ・マウンテンがテーマを変更し、映画「プリンセスと魔法のキス」をモチーフにしたものに変わるというアナウンスが行われます。このアトラクションは後に「ティアナのバイユー・アドベンチャー」と名称が発表され、フロリダでは2024年6月28日にオープン、カリフォルニアでは2024年11月15日にグランドオープンを迎えます。

ティアナのバイユー・アドベンチャー フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートに2024年6月にオープンした「ティアナのバイユー・アドベンチャー」

 オフィシャルの動画として、フロリダ版の様子がほぼ全編公開されています。これを見ると、ほぼ現在のスプラッシュ・マウンテンと構成が変わらないことも分かるかと思います。このことから、残る東京版はどうなるのか、というのが注目されています。

公式が公開している「ティアナのバイユー・アドベンチャー」ライドスルー動画

 加えて、ディズニーは「南部の唄」の痕跡をパークから消し去ろうとしています。劇中に使用されている「Zip-A-Dee-Doo-Dah」や、「Everybody has a Laughing Place」などの楽曲の使用も、世界のパークで修正され始めます。

 2022年1月にはディズニーランド・パリのパレード「Disney Stars on Parade」で「Zip-A-Dee-Doo-Dah」のメロディがカット。2022年3月にはフロリダのマジック・キングダムで行われているパレード「Disney Festival of Fantasy Parade」から、「Zip-A-Dee-Doo-Dah」およびダンボの「When I See An Elephant Fly」がカットされました。カリフォルニアでもパレード「Magic Happens」から「Zip-A-Dee-Doo-Dah」がカットされています。

 パレードで使われていた歌詞だけでなく、メロディすらカットするという徹底ぶり。フロリダでは資料館のようなアトラクションから、つい先日そのアートすらも削除されたことが話題になっています。もはやその痕跡をパーク内に見つけることも難しいのが、海外の状況です。

 実は海外のパークでは、「カリブの海賊」のオークションシーンや、「ロジャー・ラビットのカー・トゥーン・スピン」で縛られたジェシカ・ラビットが自動車トランクに詰められたシーン、そして「ピーター・パン空の旅」のインディアンのシーンなど、内容がアップデートされるということが続いています(どれも日本では未変更)。開園当初から存在するシーンもアップデートの対象となっており、この意味では“聖域”はなく、不適切なシーンは現代に合わせてアップデートしていることが分かります。

アトラクション「カリブの海賊」でも、途中に登場する赤髪の女性が“花嫁オークション”にかけられているというシーンが、2018年には銃を持った勇ましい“女海賊”Reddに変更となった(東京ディズニーランドでは未変更) アトラクション「カリブの海賊」でも、途中に登場する赤髪の女性が“花嫁オークション”にかけられているというシーンが、2018年には銃を持った勇ましい“女海賊”Reddに変更となった(東京ディズニーランドでは未変更)

 これらを考えると、状況証拠としては映画の影響を色濃く残す東京の「スプラッシュ・マウンテン」は、まず間違いなく今後リプレース、もしくはテーマ変更が行われることは想像に難くありません。

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