「魔法のiらんどは死んだ」と思っている“インターネット老人会”の皆さん ……それ、錯覚みたいですよ
KADOKAWAに取材したところ、無料ホームページ作成サービスは今も使われているとか。
「かつてのインターネット文化などについて語り合う人々の集まり」を意味するネットスラング「インターネット老人会」。実際にそのような会合が存在するというよりは、“インターネットの昔話”をするTwitter上のハッシュタグなどとして定着しています。
そこに投稿されたツイートを見てみると、「キリ番」「テレホーダイ」「ギコ猫」「FLASH」、さらには「魔法のiらんど」など、懐かしい言葉がズラリ。ああ、あの頃のインターネットはもう過去の存在になってしまったのか、と思わずにはいられませんが……実は誤解があることも。
というのも、「魔法のiらんど」は現在も運営が続いており、媒体資料によると、月間PV(ページビュー)はなんと10億もあるのだとか。過去の存在どころか、現役バリバリで活躍している同サービスについて、KADOKAWAに取材しました。
「無料ホームページ作成」で人気を集めた魔法のiらんど
魔法のiらんどのサービス開始は1999年。ちょうどNTTドコモによる「iモード」が提供され始めた時期にあたります。iモードの普及により、携帯電話は「話すためのもの」から「メールやWebサイト閲覧など、さまざまに使えるもの」に変わったともいわれており、魔法のiらんどは「携帯電話の発展と歩みをともにしたサービス」ということができるかもしれません。
ドワンゴと業務・資本提携した2006年の資料を見ると、当時の魔法のiらんどの月間PVは約12億(6月時点)で、「日本最大級のコミュニティーサイト」という位置付け。さまざまなサービスが提供されていましたが、特に有名なのは「携帯電話向けの無料ホームページ作成」で、自分のWebサイトを開設した覚えのある読者も多いはず。
ただ、中高生くらいの年代で利用して黒歴史を作ってしまった人もいるとかいないとかで、もしかすると「魔法のiらんどを使っていた記憶はあるが、あまり思い出したくない」という声も少なくないかもしれません。残念ながら、似た事例は他サービスでも数えきれないほど報告されているので、本質的な原因は「自分自身の若さゆえの過ち」というやつでしょう。認めたくないものだな……。
サービス内容を大きく変えないまま、現在も運営
暗い話はさておいて、スマホ全盛の現在、魔法のiらんどはどうなっているのでしょうか。KADOKAWAに話を伺ってみました。
―― 魔法のiらんどは現在、どのようなサービスになっているのですか?
現在のWebサイトはスマホからのアクセスを前提としたデザインになっており、開始当初と比べると、まったく違うサイトのように見える部分もあります。また、見た目が変わった理由としては「お客さまが投稿する画像などのクオリティーが、かつてよりも高くなっていること」も挙げられるかもしれません。
ですが、提供しているサービスのテーマ、大まかな内容は変わっていません。開始当初からあるホームページ作成サービスは、今も多くのお客さまにご利用いただいております。
―― かつては「日本最大級のコミュニティーサイト」などとサービス内容が紹介されていましたが、現在は「小説や、ティーン向け情報が無料で楽しめるガールズエンターテインメントサイト」など。この変化の理由は?
先の通り、サービスとしてのテーマなどはあまり変わっていないのですが、時代の変遷とともに、SNSなど「無料でより多くの人により多くの情報を発信できるサービス」が大変多くなりました。
魔法のiらんどの特徴や、今人気のサービスをより分かりやすくお伝えするため、このような説明の仕方をしています。小説投稿サービスは2000年にスタートしたもので、現在、もっとも人気があります。
―― 現在のユーザー層は?
約40%が10代の女性です。サービス開始当初のデータを見ると20~24歳がピークになっているのですが、ケータイ小説(※)がブームだったころに10代の女性が増えました。その後、10代の割合がやや減少しながらも、現在のようなユーザー層となりました。
※ケータイ小説:携帯電話で書いたり、読まれたりしていた小説。魔法のiらんど発の作品では「恋空」(作:美嘉さん/2006年書籍化)などが有名。同作はTVドラマ化、映画化、マンガ化とメディアミックスが行われた
―― 魔法のiらんどは、ケータイ小説の投稿先としても有名でしたね。これまでにどれくらいの作家を輩出しているのですか?
投稿した小説を書籍として刊行したユーザー数はこれまでに170人ほどおり、現在も続いております。
また、2018年には電子マンガサービス「ピッコマ」で行われた「ピッコマ AWARD 2018」で、「恋空」を原作としたコミック(作画:羽田伊吹さん)が受賞しています。
―― 「恋空」って10年以上前の作品でしたよね?
魔法のiらんどに投稿される小説はほとんどが恋愛もので、その内容は時代の移り変わり、ユーザーの年齢にあまり影響されることなく、お客さまからお客さまへ届けられているのかもしれません。
今回の記事で分かったことを簡潔にまとめるなら、以下のような感じでしょうか。
- 魔法のiらんどは現在も続いているし、かなり利用されている(月間10億PV)
- 時代の流れでサイトの見た目は変わったが、提供しているサービス内容はあまり変わっていない
- 現在人気があるのは、10年以上前からあった「投稿小説サービス」
- 「恋空」は今でも有力なコンテンツ
では、なぜインターネット老人会では「魔法のiらんど = 過去のWebサービス」と扱われることが多いのでしょうか。筆者も同老人会に所属する1人の人間ですから、正直に言うと、この現実とは向き合いたくなかったのですが……。
同サービスのユーザーは若年層が多いことを考慮すると、「年を重ねたネットユーザーは世代交代で“卒業” → 現在の動向が見えなくなり、自分たちの中で『過去のもの』と捉えるようになった」というのが真相なのかもしれません。認めたくないものだな、自分自身の、年をとったが故の過ちというものも……。
関連記事
あれから10年、「ケータイ小説」が急速に廃れた理由とは? 現役女子高生に『恋空』を読んでもらった
何がケータイ小説を“終わらせた”のか。あの頃、私たちは「紙でLINE」をしていた
めちゃくちゃ複雑な手紙の折り方とかあったよね……。角に置けるピースが多過ぎる 海外で話題の“普通の解き方だと解けないジグソーパズル”が面白そう 日本の美大生が制作
ピースの数は少ないのに、めっちゃムズい。「苔生す」「蒲生」「生天目」って読める? “150通りの読み方がある”とされる隠れ激ムズ漢字「生」
「読めるけど書けない」じゃなくて「書けるけど読めない」。「卍」「〆」「々」「卜」漢字じゃないのはどれ? 記号や片仮名と見分けがつかない“漢字っぽくない漢字”
ややこしい……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
コストコで販売「生カキ」原因で体調不良か…… 全国で1万食自主回収「深くお詫び」
コストコで人気「ヨーグルト」に大腸菌群陽性の可能性…… メーカーなど謝罪「深くお詫び」 5万8000個自主回収
「行かねば!!!!!」 マクドナルド、次回ハッピーセットを“におわせ”…… “最恐”のコラボに「まじかーーー!」「これはたのしみ」
鮮魚店で売れ残ったタコ、自宅に連れ帰ると産卵して天国へ→母タコの代わりに卵をお世話したら…… とんでもない瞬間に「泣けました」
コロコロよりも楽? 床に落ちた髪の毛 → ノンストレスで掃除できる“まさかの裏技”が「素晴らしすぎ」「神!!」
和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
「キスの会しよう」 華原朋美、高級接待した記者に“関係迫られる”トラブル 激怒の相手に5歳息子も怯え「あの人頭おかしいよ!」「ママやばい」
「助けて。息子がこれで幼稚園に行くってきかない」→まさかのアイテムに母困惑 「行かせましょう!」「控えめに言って最高」と反響
「3度見くらいした」 ハードオフに100円で売られていた“とんでもない掘り出し物”に仰天 「ガチでヤバい」
- 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
- コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
- 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
- 雑草ボーボーの荒れ地に“牛3頭”を放牧→2週間後…… まさかの光景に「感動しました」「いい仕事してますねぇ~!!」
- “この子はきっと中型犬サイズ”と思っていたら……たった半年後とんでもない姿に 「笑わせてもらいました」
- 年の差21歳で「夫は娘の同級生」 “両親大激怒”で結婚は猛反発されるも……“まさかの行動”で説得
- 163センチ、63キロの女性が「武器はメイクしかない」と本気でメイクしたら…… 驚きの仕上がりに「やっば、、」「綺麗って声でた」
- サイゼリヤ、メニュー改定で“大人気商品”消える 「ショック」悲しみの声……“代わりの商品”は評価割れる
- ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
- 「さすがに無神経な内容」 “暴言受けた”伊藤友里が降板発表→岡田紗佳の直後の投稿に批判の声 Mリーガーも反応
- ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
- 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
- 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
- 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
- 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
- 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議