「鬼滅の刃」人気はなぜ衰え知らず? Twitterのクチコミやリツイートからアニメ終了後も続くブームを考察

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 週刊少年ジャンプで連載中の大人気マンガ、「鬼滅の刃」。記事前編では、人気に火がついたきっかけはアニメ放送という説をベースに、アニメをヒットさせるべく入念に用意された“仕込み”について考察しました。

 引き続き、SNSマーケティング支援会社・ホットリンクのライター「私がエレン」が、Twitter上のクチコミやデータから「鬼滅の刃」ブームの秘密を探ります。

※ホットリンク社が保有するソーシャルビッグデータ解析ツール「BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長」を用いて調査。

「鬼滅の刃」公式ポータルサイトより
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アニメ放送終了後も人気が衰えないのはなぜ?

 2020年2月4日に発売された「鬼滅の刃」第19巻の初版発行部数は150万部、シリーズ累計発行部数は4000万部を突破しました。全国の書店で売り切れが続出していることも、ブームの熱さを物語っているでしょう。アニメ放送が終わってからそろそろ半年が経とうとしていますが、人気が衰える兆しはありません。

 その理由を探るべく、アニメ放送終了後の2019年10月15日から2020年3月11日(記事執筆時点)までに「鬼滅の刃」というワードで投稿されたツイートを調べてみました。

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リツイート件数トップの大半は公式アカウントの情報

 上位リツイート件数TOP50位以内のうちの大半が、公式アカウントから発信されたイベントや商品展開、メディア露出、キャンペーン、コンテンツ企画に関するツイートでした。下記はその一例です。

・ライブ・ビューイングイベント「鬼滅の宴」
・スイーツパラダイスとのコラボレーション
・主題歌を担当したLiSAの2019年紅白出演
・メガネメーカー、執事眼鏡eyemirrorとのコラボ商品
・アニメイトでの各種グッズ展開
・2020年劇場版の公開予告
・週刊少年ジャンプの公式アカウントから発信された重版出来のプレゼントキャンペーン
・『あらいぐまラスカル』とのコラボレーション
・ローソンとのコラボキャンペーン
・ニコニコ動画で全26話一挙再放送のお知らせ
・森永製菓とのコラボキャンペーン

 また、以下の画像は「鬼滅の刃」の周辺にある関連ワードを表示した「頻出関連語」の一覧で、出現数は左上から順に並んでいます。

対象メディア:Twitter10%サンプリング 検索ワード:鬼滅の刃 分析期間:2019/10/15〜2020/03/10

 文字が大きくなっているものは、調査にあたって指定した期間の直前の期間と、その前年(今回の場合は指定した期間の5カ月+1年前)とで比較して、出現率が上がっているワードです。一例として「お願い」「LiSA」「紅蓮華」「交換」「キャンペーン」「伊之助」「富岡義勇」などのワードがあります。

 これらのワードを含むツイートの中には、グッズの交換募集やLiSAの紅白出場に言及したツイートなどが確認できました。公式が発表するキャンペーン情報のリツイートなども多く投稿されています。

原作やアニメの「周辺コンテンツ」も、鬼滅ブームを支える要因

 こうしたクチコミから筆者は、「鬼滅の刃」がアニメ放送終了後も変わらない、いやむしろアニメ放送時よりも高い人気を誇っている要因の一つは、原作やアニメの周辺にあるコンテンツが盛り上がり続けているから、と考えました。

 注目すべきポイントは、こうした数々の「周辺コンテンツ」は、アニメ放送が終了した後に打ち出されているという点です。つまり、アニメで得た資産を最大限に活用するような周辺コンテンツを、アニメ放送終了後にこそ出し続けることで、ファンの関心を途絶えさせないねらいがあったのではないしょうか。

 世間の記憶や印象を薄れさせないどころか、むしろ記憶や印象を更新し続けるための施策が、鬼滅人気にますます拍車をかけている。筆者は、このように考えます。

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アニメ放送終了後も、必ず毎週月曜日に盛り上がっている「鬼滅本誌」

 もはや原作を離れたところで、「鬼滅の刃」という作品そのものが漫画やアニメの領域を超えたエンタメコンテンツになっているようにも受け取れますが、原作単体の盛り上がり具合はどうなのでしょうか。

 「鬼滅の刃」というワードでは原作単体よりもアニメや周辺コンテンツに関する情報の方が多く抽出されてしまうため、今度は週刊少年ジャンプで掲載されている最新の「鬼滅の刃」を表す「鬼滅本誌」のワードでTwitterのデータを調べてみました。アニメ放送開始前のツイート数推移は以下の通りです。

対象メディア:Twitter10%サンプリング 検索ワード:鬼滅本誌 分析期間:2018/10/01〜2019/3/31

 一方、アニメ放送終了後から現在(原稿執筆時点)まで続くツイート数推移はこのような形になっています。

対象メディア:Twitter10%サンプリング 検索ワード:鬼滅本誌 分析期間:2019/10/15〜2020/3/11

 アニメ放送前と比べ、アニメ放送終了後の「鬼滅本誌」のツイートは約2000倍も増加していたことがわかりました。また、アニメ放送前は「鬼滅本誌」のツイートが出現していた曜日がバラバラだったのに対し(1日にツイートされた回数も1件や2件などが多数)、アニメ放送終了後は毎週月曜日にツイートが跳ねあがるようにして伸びています。

 月曜日といえば、週刊少年ジャンプの発売日です(祝日などの関係で発売が月曜日前後にズレた場合は、その日に大きな波形が発生していることもあります)。

 アニメ放送終了後から現在まで、必ず毎週月曜日(正確には週刊少年ジャンプの発売日)に原作の展開や感想に関するツイートが大量に発生していることを踏まえると、アニメ人気から得た資産は原作にもプラスの力となって波及しているとも想像できます。

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