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» 2017年02月20日 11時00分 UPDATE

花粉症対策に! 花粉に詳しくなれる企画展「花粉と花粉症の科学」に行ってきた

花粉を知り、花粉症を知れば、100戦あやうからず。

[茂木宏美/LOCOMO&COMO,ねとらぼ]

 花粉症の季節、到来ですね。ここからゴールデンウイーク頃まで花粉症と戦わなきゃなんて考えている方も多いことでしょう。そんな人は、ぜひこの企画展を訪れてはいかがでしょうか。花粉のアレコレを知ることで、花粉に対する知識が深まり、花粉と仲良くなれてしまうかもしれませんよ。

 場所は東京・上野にある国立科学博物館。ここで花粉問題対策事業者協議会との共催による企画展「花粉と花粉症の科学」が3月20日まで開催されています。


画像画像 上野公園の一角にある国立科学博物館

 館内は「日本館」と「地球館」に分かれ、お目当ての企画展示室は「日本館」の1階です。


画像 黄色を基調としたデザインが「花粉」をイメージさせる

 展示室に入るやいなや、目の前にドーンと立ちはだかる森林のパネル。さらに足元には、花から花粉が飛び、時折ハチが飛んでいく映像が映し出されています。なんだか、くしゃみが出てきそうです。


画像画像 花粉を考えなければ、美しいパネルと映像

 そんな歓迎に始まる、この展示はどんな花粉の世界を教えてくれるのでしょうか。ドキドキしながら進むと、まずは「花粉の誕生」コーナー。確かに花粉はどうやって生まれたのか、疑問ですよね。展示によると、植物は進化の過程で水中から陸上へ進出。水中を泳いで受精していたのですが、裸子植物からは花粉を飛ばして受粉するようになりました。この乾燥に強い花粉が誕生したことで、水を必要とせず、またより遠くの個体に受精できるようになったのです。


画像 各植物の花粉の模型。1番大きいのはミョウガの花粉

 そして、植物や花粉はそれ自体で運動できないため、風や動物、水などに花粉を運ばせるといったさまざまな花粉様式を持つようになっていきます。それに呼応するかのように植物の構造も進化するのです。進化というものは、すごいですね。あらためて、感心してしまいました。


画像画像 虫媒花などさまざまな送粉様式と送粉者であるチョウやハエの頭部の模型。送粉者の形態と花の形には関係がある

 そして、驚いたことに花粉は栄養価が高いそう! 学校給食で含まれる栄養素がほとんどバランスよく入っているそうです。


画像 展示された懐かしい給食の一例。これと同じような割合の栄養素が花粉にも!

 驚きはまだ続きます。花粉は化石になり、年代順に地層に堆積します。その花粉化石を分析することで、当時の植生や植物種の分布、気候の移り変わりまで知ることができるのです。さらに驚いたことに、花粉は生薬として利用されてきたというのです。特にガマの花粉。神話「因幡の白兎」でも、ウサギがガマの穂綿にくるまって傷をいやしたとされる話は有名ですよね。


画像 ガマの花粉は生薬として優秀らしい


画像 「因幡の白兎」の絵本にもガマが描かれている

 花粉は食品にも利用されています。害のあるものではなかったのですね。どうしても花粉症のイメージがつきまとい、良からぬものとして分類してきた筆者の考えをあらためてくれました。


画像 マツの花粉を生地に練りこんだ「松花冷麺」

 さて、いよいよ花粉症の話題へとコーナーが展開します。すると、くしゃみのような大きな音が何度も聞こえてきました。音のする方へ行くと、世界の花粉症マップからくしゃみが聞こえていたのです! 花粉症は世界中であるということなんですね。


画像画像 日本語の「ハックション」はイタリア語では「エッチー」

 日本で花粉症の症例が報告されたのは1961年。このときはブタクサでしたが、その3年後にはスギ花粉についての論文が発表されました。スギによる花粉症を患っている方、多いですよね。まさに今が旬の症例です。そのスギ花粉ですが、よくテレビで花粉の予報を放送しています。この花粉予報って、どう測っているんだろうと思いませんか? そんな疑問が、このコーナー展示を見ると一目瞭然なんです。


画像 花粉がつく雄花の量を目視し、翌春の花粉量を予測する

 併せて、花粉症対策についても展示されています。まずは生成段階での対策。スギの少花粉品種や無花粉品種の開発、カビきのこの仲間を使って飛散拡散を防ぐ開発などが行われています。花粉が作られていく段階で対策を講じられているとはうれしい限りです。


画像 左のスギに触れると花粉がワッサワッサ落ちるが、右のスギからは全く花粉が落ちない

 花粉にさらされているときや家の中での対策、つまり個人でできる対策についての展示もありました。既にみなさんも数々の花粉対策をしていることでしょう。やはり花粉を体内や室内に入れないことが重要とのこと。展示されていたポイントをまとめてみました。

  • マスクやメガネは隙間ができないように装着する
  • コートなどのアウター衣類は花粉がついても落ちやすい生地などを着る
  • 家に入る前に花粉を落とす
  • 室内に入れないために窓を閉める、洗濯物を外に干さない

画像 花粉防止メガネは医療にも使われる柔軟性の高い素材を使った商品も多い


画像 花粉が落ちやすい生地でつくられたコートの見本もある

 とはいっても、どうしても花粉は室内に入ってくるもの。花粉は窓際や出入り口付近の床上にたまり、人が動くたびに空中に舞い上がります。さらに乾燥していると舞い上がり率も高くなるそうです。そこで、対策としては下記のようなことが推奨されています。

  • 花粉を捕まえる構造を持ったカーテンを使うなどして窓からの侵入を防ぐ
  • 小まめに掃除機をかける
  • 空気清浄機をかける
  • 加湿器などで湿度を60%以上に保つ

 空気清浄機が花粉を吸い込み部屋をクリーンにしていく映像が流れていました。メーカーなどの性能にもよると思いますが、驚くほどキレイになるんですね。


画像 空気清浄機が花粉を吸い込み始める


画像 6分後、室内の花粉量がかなり減っている!

 そもそも花粉症はどうして発症するのでしょうか? そんな問いにも分かりやすい図解がありました。つまり、異物を外に排出しようとする免疫細胞の働きなのですね。それが過剰になるほど、花粉症の症状がひどいというわけです。なるほど〜と思わず声をあげたくなりますよ。


画像 肥満細胞が花粉を外に出そうとする働きによって花粉症という症状が出る

 この免疫細胞の働きをもっと的確に働かせるのに役立つのが乳酸菌だそうです。そういえば花粉症にはヨーグルトが効く、と聞いたことがあります。乳酸菌があると免疫細胞が花粉に直接攻撃し、くしゃみなどの症例を抑える傾向があるということなのです。しかし、全ての乳酸菌が効果を出すとは限らないそうです。でも、積極的に摂取したいですよね。


画像 意外と身近な食事に乳酸菌が含まれている!

 また、お米を食べることで花粉症とサヨナラできる、なんていうステキなバイオ技術も開発されているようです。科学技術は日々進化しているんですね。

 花粉と聞くと思わずしかめっ面になりますが、花粉のアレコレを知ることでほどよい関係を築けるかもしれません。そんな夢を抱かせる企画展でした。花粉症を患っている方、そうでない方も花粉の知識を取り入れてみてはいかがでしょうか。

(茂木宏美/LOCOMO&COMO)

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