「キウイを食べよう」CMはなぜ「泣ける」のか コロナ禍で共感集めるゼスプリCM、クリエイティブディレクターを取材(2/2 ページ)

» 2020年09月13日 12時00分 公開
[Kikkaねとらぼ]
前のページへ 1|2       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

クリエイティブディレクターがキウイCMを通して伝えたかった事とは

――早速ですが、「好きなことを楽しみながら」篇のテーマ、狙いなどを教えてください。

北田健康的な生活をおくるためには、ストイックな習慣やガマンが必要というイメージがあります。しかし、ゼスプリのブランドは、健康的な生活を、楽しくて、ワクワクするものに変えたい、と考えています。私自身もそうですが、健康的な生活を楽しめている人は少ないと感じます。特に無理をしてやってしまうと、どうしても続きません。結果、健康でいることが、難しいこと、楽しくないことだという誤解があることに気づきました。

 しかしコロナ禍の長い自粛生活をみんなが楽しみを工夫して見つけながら乗り切ったように、ヘルシーな生活を長く続けるために大事なのは、好きなことや楽しむ方法を見つけたりすることだと考えました。これこそまさに「おいしさ」と「健康」を両立するキウイフルーツが提案できることではないかと考えました。

――コロナ禍の中でのCMということで、特に注力したポイントはありますか。

北田CMの企画は、2019年10月から考えていたものです。視聴者にメッセージを自分事化してもらうために、キウイブラザーズがランニングや山登り、足つぼマット、サウナなどで失敗する姿を描いています。当初は、そんな一生懸命な姿を応援するようなテンションの高い楽曲を考えていました

 しかし、コマ撮りの撮影に入るころから、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めました。そんな気分の時にテンションが高いCMはうるさくなるだろうなと考え、監督や音楽プロデューサー、クライアントさんとも相談しながら、優しく、寄り添うような、感動できる楽曲に変更しました

――カマタさんの漫画を含め、反響についてはどのように感じていますか。

北田今年のCMには、この漫画のように「泣きそうになる」「癒される」「思わず見てしまう」「キウイを買いにいった」など、たくさんの好意的な反応をいただいております。

 ゼスプリのお客様相談室にも、例年を上回るお手紙やコメントをいただいており、幅広い世代の方から支持いただいています。特にCM総合研究所が実施した作品別CM好感度調査では、2020年5、6月度および7月前期において総合1位を獲得しました。ブランドの認知率も最高を更新しました。先日あるラジオ番組で、超国民的アーティストの方がこのCMの曲を歌いながら褒めてくださったのは、とても驚きましたし、うれしかったです。

――今後もCMを通して伝えていきたいテーマ、初回CMから変わらないテーマなどがあれば教えてください。

北田日本人のフルーツの喫食頻度は、欧米に比べて半分以下と言われています。なので、キウイフルーツだけが売れればいいのではなくて、フルーツ業界全体が盛り上がり、果実を通しておいしく楽しく健康を手に入れる習慣が根付くことを願っています。

 また、CMでよく見る他の商品と違って、キウイフルーツは毎年のように新商品が出るわけではありません。ゴールドという品種が出たのも数十年前です。なので、毎年、コミュニケーションを通して、新しいニュースや話題をお届けし、愛されるブランドになることも重要だと考えています。


 キウイフルーツの魅力だけでなく、世相を反映したCMづくりを続けているゼスプリとCMクリエイターたち。今後はどんなストーリーが紡がれていくのか、多くの人が楽しみにしています。

(Kikka)



※価格は記事掲載時点のものとなっています



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/07/news109.jpg 「ロッチ」中岡、顔にたっぷり肉を蓄えた激変ショットに驚きの声 「これ…ヤバいって」「すごい変身っぷり」
  2. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  3. /nl/articles/2405/06/news040.jpg 「東京チカラめし」約2年ぶりに東京で“復活” まさかの出店場所に驚き「脳がフリーズしそうに」
  4. /nl/articles/2405/03/news025.jpg 「今までなんで使わなかったのか」 ワークマンの「アルミ帽子」が暑さ対策に最強だった 「めっちゃ涼しー」
  5. /nl/articles/1611/04/news117.jpg 「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
  6. /nl/articles/2405/07/news114.jpg 大谷翔平がエスコート 真美子さん「ドジャース奥様会」に再び登場で頭ひとつ抜き出る
  7. /nl/articles/2405/07/news043.jpg 16歳お姉ちゃんと0歳弟、赤ちゃんが泣くとすぐに抱っこして…… 愛をそそぐ姿に「愛しさ溢れてて号泣」「いいね1万回押したい」
  8. /nl/articles/2405/08/news030.jpg 「新紙幣出てきたんだけど」 レジで“千円札”見た若者がポツリ→まさかの正体にショック広がる 「そうだよねえぇ」
  9. /nl/articles/2405/06/news001.jpg 川をせき止めるほどのゴミ→ボランティアがを徹底的に掃除したら…… 見違える変化に驚き
  10. /nl/articles/2405/05/news018.jpg 地元民向け“バリカタ仕様”の袋麺だと思ったら……思わぬ落とし穴に「トラップ仕掛けられてる」「自分も引っかかった」
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評