
ベッドを省いたら、意外にも
一方、置かないと決めたのが、ベッドなどの寝室の展示でした。
「リビングもダイニングも寝室も、全て取り入れるのは規模的に難しい。今回は、思い切ってベッドルームの要素をなくしました」
宇治野さんは「ベッドはないんですか?」という声も予想していました。ところが、取材時点(10月中旬)では、そうした問い合わせは思ったほど多くないそうです。ただし、新生活シーズンには問い合わせが増える可能性があると見ています。
実物を見たい人には、大型店などを案内しています。豊洲の店舗だけで見比べて買い物を済ませたい人には、不便も残ります。
一方、大型店と豊洲を使い分ける人もいるそうです。例えば、ソファ。大型店で見て、見積もりをもらって帰宅。家で寸法を測り、「これなら置ける」と確かめてから、注文は近くの豊洲で済ませます。
「思った以上に、お店を使い分けていただいています」
お店で気に入っても、自宅に収まるかは別の話。「いったん帰って考えよう」の続きが、コンパクトな豊洲の店舗に持ち込まれていました。
99円のバッグにも、置く理由がある
そうして品数を絞る中でも、外せないものがあります。サメのぬいぐるみと、おなじみの青いバッグ(フラクタ キャリーバッグ)です。
サメのぬいぐるみは、2018年末から2019年初めにかけて、日本のSNSで大きな話題になりました。それから7~8年たった今も、IKEA豊洲のぬいぐるみの中では一番人気。「サメだー!」と声を上げて近づいてくるお客さんもいるそうです。


一方、青いバッグは、繰り返し訪れる人なら、すでに持っていそうなもの。それでも、小さな売り場の一角を使って販売するのはなぜでしょうか。
99円や129円という手に取りやすい価格に加え、店側にも利点があるといいます。
「街で持って歩いてもらうだけで、イケアの広告にもなる。売り場のスペースを使ってでも、置く価値があると思っています」

絶対に欠かせない!
もっとも、品ぞろえは、これで完成ではありません。
上の階には、子どもがさまざまな仕事を体験できる施設「キッザニア東京」があり、そこで遊んだ帰りに立ち寄る家族もいるそうです。
当初は、5~6歳の子どもを連れた家族の来店を想定していました。ところが、実際に多いのは、0~3歳の子ども連れ。こうした客層に合わせて、ベビー用品の品ぞろえを増やすことも検討しているといいます。

来店する人を見ながら、何を置くかを選び直す。限られた売り場では、商品の顔ぶれも変わっていきそうです。
ただ、サメについては、宇治野さんも「絶対に欠かせない!」とのこと。約9500点のうち、店に並べられるのは約600点。狭き門ですが、サメはひとまず、のんびりしていてよさそうです。


