イケアに行ったら、ベッドがない。でも、サメのぬいぐるみ(ブローハイ)はある――。
9月3日、商業施設「アーバンドック ららぽーと豊洲」内にオープンした「IKEA豊洲」。広さは、約560平方メートル。千葉県船橋市にある大型店「IKEA Tokyo-Bay」なら、このお店が約42個も入る計算です。
コンパクトな店舗ですが、開業後はレジに長い列ができることも。取材に訪れた平日の午後も、多くのお客さんでにぎわっていました。
イケアが扱う商品は約9500点ですが、豊洲の展示は約600点。そのうち、買った当日に持ち帰れるのは約500点です。全ては置けない売り場に、何を選んで並べているのか。ストアマネジャーの宇治野慎吾(うじの・しんご)さんに聞くと、売れ筋を順番に選ぶだけではない事情が見えてきました。

人気順に選べばいい?
入り口に並ぶのは、キッチン雑貨です。ニーズが高く、売り上げでも大きな割合を占めるため、まずは足を止めてもらおうと配置しています。
もちろん、同じ用途の商品を何種類も置く余裕はありません。大型店では5種類以上あるまな板も、豊洲では1~2種類に絞るといった具合です。
欲しい商品が並んでいないこともあるでしょう。では、店側は何を基準に選んでいるのでしょうか。


「人気商品は外せません。ただ、9500点もあると、売り場の中で埋もれてしまう商品もあります。600点に絞れば、そうした商品にも目を向けてもらえるのではないかと考えています」
売れ筋に加え、「ここなら売れるかもしれない」という期待を込めて選んだ商品もあるそうです。
その選び方には、周辺の住環境も関わっています。宇治野さんによると、購入商品の配送先は東京の湾岸エリアが目立ち、想像以上に近隣のお客さんが多いといいます。
マンションが多い地域だけに、家具を増やしたくても、置く場所には限りがあります。豊洲の店舗でも、省スペースで使える商品を意識して並べています。
その一つが、ソファの肘掛けに挟むテーブル。床に置くテーブルと違って、新たな設置スペースがいりません。宇治野さんは、こうした省スペースで使える点が、手に取ってもらえる理由だと見ています。

「挟む部分の幅を調節できるので、イケア以外のソファにも取り付けられます」
飲み物の置き場所は欲しいけれど、家具を置いて部屋を狭くしたくはない。そんな事情に合う商品というわけです。

