「知力」、「体力」、「時の運」――「ニンテンドーDS Lite」をゲットせよ「ニンテンドーDS Lite」入手顛末記(3/3 ページ)

» 2006年03月02日 20時34分 公開
[ITmedia Games取材班,ITmedia]
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午前0時、雨上がりの量販店――老体にむち打ち「体力」ある限り戦う

 3月1日午後11時過ぎ。わたしの気持ちはすでに落ち着かなくなっていた。「まあ、始発あたりのタイミングでいいでしょう」と言いきったものの、心の中は不安がいっぱい。かつて「ドラゴンクエストIII」を買おうと並んだら7人前で締め切られたし、子供にせがまれて「ベイブレード」の限定版を買おうとしたときも行列の前に敗北。そういえば「たまごっち」も同じような感じだったな……。朝早く行くのはいい。でももしそれでゲットできなかったらどうするんだ! すでに心は決まっていた。「これから行って並ぼう」、と。

 取るものもとりあえず、1メーターにもかかわらず、はやる心を抑えながらタクシーを捕まえて、目と鼻の先にある地元のショッピングモールへ。そこに目指す量販店は存在している。量販店に到着したのが、あと少しで3月2日午前0時というあたり。それまで降っていた雨はやみ、傘なしでも歩けるようになっていた。

 着いてみると、すでに6人くらいが並んでいる。「意外と少ないな」と思いつつも、わたしの前を、同じ目的であろうと思われる人も歩いている。さらに心ははやるが、前の人も足が速い。結局追いつけなくてわたしは最後尾に。人数を数えてみると、8番目のようだった。

 しかし並んでいてふと気づく。周りの人は皆、イスを持参している。そう。お店の開店時間は午前10時。これからあと10時間も立ちっぱなしでいるのか! あまりにも気がはやってしまったので、何の用意もしてこなかった。雨はやんだものの、地べたはしっかりとぬれており、とても座れるものではない。いきなり気が重くなる。

 午前1時半を回ったあたりになって、やっとわたしの次に人が並ぶ。このペースだとなんか余裕っぽい気がする。ただし何台入荷するか分からないこともあって、「いまの時間から並んで正解なんだ」と、自分に言い聞かせることにする。しかし立ちっぱなしのため、だんだんと腰が痛くなってくる……。そのときふと、この近くにある、早朝までやっている有名な店舗を思い出す。そうか、そこでイスを買ってくればいいんだ! 早速わたしはイスを買いに行くことにした。

 無事イスをゲットしたあとは、ついでに携帯カイロも手に入れて、万全の体制で臨むことに。外は相変わらず寒いが、座れるということがこれほど楽なこととは思わなかった。

画像 午前7時の状態。イスに座って突っ伏してしまう人も。一番眠く、一番寒い時間だった

 その後、持参したニンテンドーDSでゲームをプレイしながら開店時間を待つ。周りにも同様の人がちらほらと。

 時間が過ぎていくに従って、並ぶ人も増えてくる。午前4時、13人ほど。午前5時、20人。午前5時半、30人。夜が明けていくと、人が増えるペースも上がる。午前7時にはついに、50人を超える人が並ぶ事態になった。

 午前7時を過ぎた段階で店舗のスタッフが登場し、列の整理が行われる。しかしそこで衝撃の事実が判明する。今日販売する台数にはまだ余裕があり、いま並んでいる人はみんな買えるそうだ。その時点で並んでいたのは70人程度。なんだ、早起きして来ても余裕だったんじゃないか……。


画像 人数確認券

 ところで、当日並んでいた人たちの顔ぶれはさまざま。受験生の中には試験も終わって「さあゲームやるぞ!」と思っている人が多いだろうし、徹夜覚悟の行列は20代の人たちでいっぱい――かと思いきや、見た感じでの平均年齢は30代半ばといったところ。30代はもちろんのこと、40代、50代、中には60代? と見受けられる人もいたり。お父さんお母さんが子供のために並んだパターンもありかと思うが、ビックカメラ有楽町店同様、赤ちゃん連れで並んでいる人が5、6組いたのには驚いた。男女比も6:4くらいで、女性2人連れで並んでいる人もいた。さすが、ニンテンドーDSは幅広い層を取り込んでいる。

 さて、午前8時を回った時点で、人の集まるペースが加速する。午前8時半にはついに100人を超え、そこで店舗スタッフから「人数確認券」が配られる。わたしがもらったのは8番。最終的に受付を締め切られたのは午前8時40分あたり。なんだ、朝早起きすれば間に合ったんじゃないか……。

 そのとき新宿取材中の記者からケータイにメールが届く。

勝負に勝って試合に負けたって感じですかね」。

 ええ、その通りですよ。ええ。でも確実に買えることは分かったもん!

画像 無情な表示

 最終的に通常時間より若干早めの開店となり、無事ニンテンドーDS Liteを買うことができた。これで仕事の目的も果たせたというものだ。もちろん、仕事ですとも。

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