プレーヤーを夢中にさせる臨場感、緊張感、そして没入感――あなたはこの誘惑に抵抗(レジスタンス)することができるか「RESISTANCE(レジスタンス) 〜人類没落の日〜」レビュー(2/2 ページ)

» 2006年12月20日 00時00分 公開
[仗桐安,ITmedia]
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最大40人の熱く激しい銃撃戦――マルチ対戦

 「シングルプレイ」や「2人協力」で語られるストーリーは、プレイを突き詰めていけばやがて終わりが来る。しかし本作の魅力はそのストーリーのみにあらず。そして「マルチ対戦」こそが本作をより長く遊べるものにしていると断言してよいだろう。

 「マルチ対戦」には「オンライン」と「オフライン」の2つがある。オフラインの場合、画面が4分割され、最大4人での同時プレイが可能だ。近くに友達がいるなら、コントローラを4つ揃えて緊迫の4人対戦を味わえることと思う。

 しかし、近所の4人も捨てがたいが遠くの40人もたまらないものがある。そう。本作のオンライン対戦では、なんと最大40人同時の対戦が可能なのだ! オンライン対戦をするためにはプレイステーション 3をブロードバンド環境に接続し、PLAYSTATION Networkのアカウントを取る必要があるが、アカウントさえ取ることができれば、後はあっけないほどに簡単。特に料金が発生することもなく無料で対戦ロビーに接続することができてしまう。オンライン時のロード時間もストレスを感じないほどに短い。このお手軽さはかなり魅力的だ。何しろ無料で遊べるという点がオンライン対戦の敷居をぐっと低くしている。

画像 「兵員投入」という項目では、自分の姿を選択することができる

 実際にオンラインに繋ぐと「ランクゲーム」もしくは「ゲームをカスタマイズ」でオンライン対戦を楽しむことができる。

 「ランクゲーム」を選択するとランキングに反映されるゲームをプレイできるのだが、実際に筆者がやってみたところ、このモードを選択してもなかなか規定人数が揃わないらしく、ゲームに参加できないことが多かった。そこで活用したいのが「ゲームをカスタマイズ」だ。このモードでのプレイはランキングには反映されないアンランクゲームだが、お好みの設定やルールで絞り込んで検索でき、割と遊んでいる人たちを見つけやすいという利点がある。


画像画像 「ランクゲーム」で残念ながら相手が揃わなかった…。というわけで「ゲームをカスタマイズ」で条件を絞らずに検索をかけてみた。さてさて。この中からどの戦場を選ぼうか

画像画像 戦場を選ぶと、ロード画面でモードやルールが表示される

 以下に「ランクゲーム」および「ゲームをカスタマイズ」で遊べるモードをご紹介しよう。

デスマッチ および チームデスマッチ

 敵を倒すなどして得られるポイントを競い合うモード。決められた時間内により多くのポイントを手に入れたプレーヤー、もしくはあらかじめ設定されたポイントを先に達成したプレーヤーの勝利となる。シンプルで非情な殺し合いが展開する、オンラインFPSの真骨頂だ。

メルトダウン

 ブルーチームとオレンジチームに分かれて、フィールド上のノッドと呼ばれる拠点を奪い合うモード。たまたま最初に筆者が参加したのが、このメルトダウンだった。最初はよく分からないままに参加していたが、分かってくるとなかなか熱いモードだ。

ブリーチ

 敵チームの反応炉を先に破壊するのが目的。相手チームのノッド内の全ロッドを粉砕し、どちらが先に反応炉を破壊することができるかを争うモード。

旗取り戦

 敵チームの旗を捕獲して、自チーム基地に持ち帰るのが目的。ラウンド終了時に捕獲した旗が多い方のチームにポイントが加算される。合計ポイントが多かったチームの勝利となる。

改造

 プレーヤーはまず、人間かキメラ・ハイブリッドかを選択する。人間を選択して体力が0になった場合はキメラ・ハイブリッドとして復活。キメラ・ハイブリッドとして体力が0になるまでに他のプレーヤーを大勢倒すべし。終了時にポイントが一番多かったプレーヤーが優勝する。

 どのモードもそれぞれ趣向が凝らしてあって面白い。というよりも最大40人で対戦できるという事実そのものがたまらなく面白いのだ。適当に大勢がいるステージに飛び入りで参加すると、やはり強プレーヤーがひしめいていたりするもので、やたらと死んでしまうことも多い。それでも他のプレーヤーがたくさんいて撃ち合いをやっているという面白さは変わらないし、弾が飛び交う過酷な現場に慣れてくると、だんだんと自分も他のキャラをうまく撃ち倒せたりするようになってくるはずだ。

画像画像画像画像 非情なるオンラインの世界では、やりつやられつのデッドヒートが毎日毎晩繰り広げられているのだ

 これだけ豊富なプレイモードがあり、かつ、ピーク時はけっこうな人数が集まっているので、面白くならないはずがない。精緻なグラフィックについては前述したが、そのクオリティで40人が同時に動き、それでいて筆者がプレイした限りではタイムラグやフリーズのような障害は見受けられなかった。オンライン対戦もここまで来たか、とちょっとした感動すら覚えたほどだ。

 なお、オンラインプレイをより楽しくする要素として、フレンドリストやクラン(プレーヤー同士が集まって作るチームのようなもの)が存在する。これらを積極的に活用して、近くの友人や遠くの友人と熱い銃撃戦を楽しんでほしい。

初心者から上級者まで――FPSに興味あるならやってみる価値アリ

 FPSは臨場感、緊張感、没入感などが高まれば高まるほどプレーヤーを夢中にさせるものができあがる。描画能力向上の恩恵を色濃く受けるジャンルだと言っていい。本作をプレイして、改めてその事実を痛感させられた。多彩な武器のそれぞれ違う挙動、目の前でやられていく敵の細かいリアクション、空気さえも感じられそうなほどに再現されたイギリスの古き街並み。そのどれもが、この描画クオリティあってのものだ。Xbox 360でも本作と並ぶほどの画質を有するFPSタイトルは存在するが、プレイステーション 3が発売されたばかりということを考慮すれば、十分に及第点。今後さらにプレイステーション 3の性能を引き出した緻密な描画が見られるのかと思うと、後発のFPSタイトルにも期待が高まるというものだ。

画像画像 ガラスの割れ方ひとつ取っても、半端ではないリアルさ。作り手のこだわりを感じられる演出が随所にちりばめられている

 なめらかなプレーヤーキャラの動きや、比較的AI(人工知能)の高い敵キャラの動きも、大いに評価したい。FPSファンなら一度は手にとってほしい作品に仕上がっている。また「EASY」モードが用意されているなど、初心者への配慮もあり、無料でできるオンラインの敷居も低いので、本作でFPSに初挑戦!という人のプレイにも耐えうる仕様になっているといえよう。プレイステーション 3を手に入れてみたが、さて何で遊ぼうかな、と思案中の方には本作をオススメしたい。何時間かプレイしたあとには、きっとイギリスの街を銃を持って走り抜けるネイサンとシンクロしていることだろう。そして果てなきオンライン対戦で、同じようにこの世界に魅了された仲間たちと出会うに違いない。

Resistance: Fall of Man(TM) (C)2006 Sony Computer Entertainment America Inc. Published by Sony Computer Entertainment Inc. Developed by Insomniac Games, Inc. Resistance: Fall of Man is a trademark of Sony Computer Entertainment Inc. All rights reserved.


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