“進化”した「アイドルマスター」の魅力を、プロデューサーに聞いてみました「アイドルマスター」インタビュー(3/3 ページ)

» 2007年01月25日 00時00分 公開
[聞き手:磯野正学、雛見沢秀一,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

開発は予想に反して難産だった?

――Xbox 360版の開発に当たっては、相当作り直されていると思いますが、開発中でキツかったことはありますか?

画像

小野田 色々ありますが、一番苦労したのはやっぱりボリュームですね。例えば、朝のイベントで何か1ネタ加えようと思いついても、それを10人分作らなくてはいけないわけです。仕様書に書いたのはたった数行なのに、実際に作成したら膨大なデータ量になっていた、なんてことは多々ありました。最終的なイベント量は、アーケード版の約1.5倍ぐらいまで増えましたね。

 あと、アーケード版は秒間30フレームだったのですが、Xbox 360版は60フレームの描画を実現しています。これだけなら良いのですが、60フレームに変えたことで、モーションデータを流用できなかったのです。なので、全モーションを再びキャプチャーし直しました。

 こんな感じで、一見同じように見えても、実は作り直している部分がメチャメチャ多く、大変な作業でした。

画像

坂上 シナリオライターさんに「新キャラを作るのだけは勘弁してくれ」とお願いされましたからね(笑)。シナリオだけでなく、歌やダンスも作るわけですから、もう本当に大変でした。当初は、みんなすぐ開発できるだろうと楽観視していたのですが、フタを開けてみると全然そうではなかったですね(笑)。

――ということは、アーケード版に美希が登場するということは、望み薄ですか?

小野田 今のところは考えていないです。アーケード基板に落とし込む作業が、かなり大変なので。

開発陣の考える「アイドルマスター」の魅力

――今回気をつかった部分を教えて下さい。

坂上 我々が、本作で重要だと思っているひとつのポイントに、“アイドルとプロデューサーの距離感”があります。恋愛関係までは踏み込まず、その手前の部分の“恋をする”という感じでしょうか。プロデューサーとして女の子を導いて、熱烈なファンではあるけれども、恋愛にはならない。そういう女の子との距離感は、特に気をつかいましたね。恋愛ゲームになってしまわないよう、気をつけました。

 もうひとつ気をつけたのは、ゲームとしての荒っぽさを残すところでしょうか。本作は、最近のゲームの流行である「この部分が突出してイイ!」というものがなく、さらに細かく見ると穴があります。穴というのは、ゲームを作成してきた私から見ても分かる、本作の粗い部分です。でも実は、その粗さがユーザーの想像力を掻き立てるスパイスとなり、本作の魅力になるのです。この穴を、ファンの愛情で埋めてもらいたい。なにもかもが完璧な作品だと、想像しづらいですからね。

小野田 乱暴に言うと“ツッコミどころ満載”ですよね(笑)。

坂上 でも、そこが本当のアイドルに近い部分ですよね。テレビを見てて「この子、もうちょっと歌がうまければなぁ」とか思いますよね。でも、完璧なアイドルよりも、どこか欠点のあるアイドルのほうが親近感が湧き、“応援してあげよう”という気持ちになんです。

 この“完璧ではない”ということは、距離感の次に大事な部分だと思っていますので、うまく表現できるように気をつけました。

――ちなみに開発部内ではどの女の子が人気ですか?

坂上 結構バラバラですね。この子に集中して、といったのはなかったかな。女性スタッフには亜美・真美の双子や、水瀬伊織、高槻やよいといったちびっ子キャラの人気が高かったです。僕の場合だと、最初は菊地真で、次に伊織だったのかな。今は亜美・真美ですね。この子たちは、一般的な人気はそれほどでもないのですが、会話を聞いてみると面白いことばかり言うんですよ。片方が泣いたら片方をあやすみたいな、2人のやりとりも面白い。見ていると、「もうええ、おまえ泣くな、ワシがやったるから!」という感じで、なんだかお父さんのような気分にさせられるんですよね。小野田さんは誰でしたっけ?

画像画像画像

小野田 僕は新キャラクターの美希です。彼女の持ち歌である新曲「relations」の歌詞も書いてますからね。

坂上 あ、そうか。美希だったね。

小野田 ゼロから美希を作り上げてますから、思い入れは一番ですね。やっぱり僕も、お父さんみたいな気持ちになります。というか、開発メンバーの大半は30歳以上ですから、みんなお父さんお母さんのような気持ちで見ちゃいますよね。

――では最後に、ファンの皆さんに一言メッセージをお願いします。

坂上 アーケード版から遊んでいるファンと、Xbox 360版から遊び始めるファンの両方に、心から楽しんでもらえるよう製作いたしました。アーケード版も引き続き稼動しますので、両方あわせて楽しんでもらえたら、と思っています。今後とも、「アイドルマスター」をよろしくお願いいたします。

小野田 スタッフ一同が愛情こめて作りました。その愛情がプレーヤーの皆さんに届くよう、願っています。

――本日はありがとうございました。

画像画像画像

(C)窪岡俊之 (C)2003 2007 NBGI
※画面は開発中のものです


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/14/news189.jpg 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  4. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  5. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  7. /nl/articles/2411/15/news009.jpg 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  8. /nl/articles/2411/15/news058.jpg 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」
  9. /nl/articles/2411/14/news023.jpg “膝まで伸びた草ボーボーの庭”をプロが手入れしたら…… 現れた“まさかの光景”に「誰が想像しただろう」「草刈機の魔法使いだ」と称賛の声
  10. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた