二大人気シリーズのオールスター豪華共演! 無双祭り、ここに開催?「無双OROCHI」レビュー(3/3 ページ)

» 2007年04月13日 00時00分 公開
[磯野正学,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

 無双ゲージが最大までたまっていれば、「三國」の武将は無双乱舞、「戦国」の武将なら無双奥義という強力な必殺技を繰り出せる。さらに、無双乱舞(奥義)を出して攻撃が終わる前に、控えの武将に交代して続けざまに無双乱舞(奥義)を発動すると、“無双バースト”という超強力な攻撃に変化。ド派手な連続攻撃を繰り出せるのだ。

 これまでは、相手を倒していけば自然と無双ゲージがたまっていったのだが、本作はちょっと違う。○ボタンを押して無双ゲージをためるか、アイテムを拾うか、もしくは武将を待機状態にしたときのみ、無双ゲージが回復するという仕組みだ。そのため、3人をどのタイミングで交代させて使っていくかがステージクリアのポイントとなる。

 また、これまでの無双シリーズにあった、能力を上げてくれる“装備アイテム”というシステムも、本作では削除された(武器は残っている)。その代わり、特技という新しいシステムが追加されている。特技は、体力増加や獲得経験値を増やすものなどキャラクターをパワーアップさせるモノで、全部で18種類ある。この中から、最大7個をチームに装備させる仕組みだ。

 特技は、最初は所持しておらず、ゲーム中で条件を満たすと入手できる。どの特技を習得できるかは、武将ごとに決まっているが、各武将ごとに3〜4個の特技が設定されている。

 また、各特技にはレベルが設定されている。ある特技をすでに所持していた場合でも、他の武将でその特技を新たに習得すると、その特技のレベルが上がっていく仕組みだ。こうして入手した特技は、全軍共通のものとして扱われるため、誰にでも装備させることが可能だ。

特技習得条件クリアに向けた進行状況は、ステージ中でもチーム情報の特技習得情報で確認できる
画面に「GET ABIRITY」と表示されたら特技習得だ

 特技を全部習得するだけなら、さほど時間はかからないが、すべての特技のレベルを最高まで育てようとすると、さすがに時間がかかる。79人もの武将全員で、特技を習得する必要があるからだ。加えて、取得条件には「敵を○○人倒す」という内容が多いため、ある程度キャラクターが育っていないと、実質的に特技が習得できないのである。

 いくら本作のファンとはいえ、79人ものキャラクターを、完全にゼロから育てていくのは、非常に大変だ。だが本作は、お気に入りのキャラクターがある程度成長してしまえば、残りのキャラクターを楽に育成できるようなシステムとなっている。

武器融合にかかるストック経験値は、かなり多い。武将をレベルアップさせるか、武器を強化するか、悩みどころだ

 例えば、強い武器を獲得しやすくなっている点がそうだ。本作では、武器アイテムを1つ拾えば、待機中の武将を含めた3人が、それぞれ1つずつ武器を獲得できる仕組みになっている。そのため、育成したい武将をチームに加えて待機させておき、あらかじめ育て終わった武将で武器を集めさせれば、育成前の武将でも簡単に武器を集められる。また、ステージクリア後は勲功に応じて“ストック経験値”を入手できるのだが、このストック経験値は、操作できる武将ならば、誰にでも割り振ることが可能だ。そのため、育った武将で経験値を稼ぎ、その経験値を育成前の武将に割り振ってレベルアップ……という育成方法も可能なのだ。

 さらに、ストック経験値を消費して、武器を融合させて能力を上げることもできる。武器には属性付与や攻撃範囲拡大など特殊効果を付加させられ、融合させて1つの武器に特殊効果を集めれば、より強い武器となる。1回も戦場に立たせることなく(※)、レベルを上げたり、武器を強化しておくことができるのだ。使いにくいと感じる武将でも、その武将で戦うことなく、楽に育てられる。育ったキャラクターであれば、特技も楽に習得できる、という寸法だ。

※メンバーに入れなければ武器を新たに入手できないので(最初に持っている1つになる)、「融合」自体は(2つの武器をあわせるので)不可能。ただし、「メンバーに入れているが使用しない」というのを含めば、必ずしも不可能ではない。

戦いの緊張感がバツグン

 実際の戦闘は、どのような感じであろうか。筆者は実際のプレイを通じて、過去シリーズに比べて、相手の強さの傾向が大きく変化したように感じた。これまでのシリーズでは、難易度を難しくすると敵の体力と防御力が高くなり、ザコの兵士でも倒しにくくなるよう、バランスが調整されていた。そのため長期戦になる傾向があり、加えて爽快感が減少するように感じたことがあった。そんな理由で、筆者は「易しい」か「普通」の難易度で遊ぶことが多かったのだ。

 いっぽう本作は、難易度を上昇させても、レベルや武器の強化さえ行っておけば、サクサクと相手を倒すことができるように感じた。ただし、たとえザコ兵士であっても、連続攻撃をまともにくらってしまうと、あっという間に体力がなくなってしまう。倒しやすく、倒されやすいというバランスになっているため、爽快感を失うことなく、より緊張感あふれる戦いを楽しめるようになったのだ。相手を倒しやすいことに加え、相手もワラワラとたくさん出現するので、1000人斬りはかなり達成しやすい。しかも、画面が敵味方でごったがえしても、処理速度が遅くなる場面はほとんど発生しない。爽快感はシリーズ最高だと断言したい!

本編の完成度は過去最高! でも、お遊びは……

 操作できる武将の多さと豪華さ、戦闘のバランスのよさなど、ゲームのボリュームとクオリティは極めてよい本作。戦場で活躍したときに、味方武将が賞賛してくれるのだが、中には固有の組み合わせのみで発生するものもあるため、それを探すのも面白い。また、ストック経験値やチームバトルといった新システムのおかげで、アクが強くて使いこなすのが難しい上級者向けの武将でも簡単に育てられるようになったため、武将育成の面でも不満はなくなった。アクションゲーム好きのプレイヤーと無双シリーズファンのどちらも楽しめる1作である。

 ただ、人間の欲望というものは限りがないものである。これまでのシリーズにあったおまけモードの無限城や双六、修羅モード、チャレンジモードなどがいっさい収録されていないのは、残念に思う。せっかくの豪華共演なので、もう少しお遊び要素があってもよかったのではないだろうか。というわけで、少々気の早い話ではあるが、無双シリーズでお馴染みの追加編である「無双OROCHI 猛将伝」が発売されることを、つい期待してしまう。

「無双OROCHI」
対応機種プレイステーション 2
メーカーコーエー
ジャンルタクティカルアクションゲーム
発売日2007年3月22日
価格(税込み)7140円(通常版)
(C)2007 KOEI Co., Ltd. All rights reserved.


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/15/news011.jpg 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. /nl/articles/2412/16/news107.jpg 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. /nl/articles/2412/15/news035.jpg 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. /nl/articles/2312/15/news032.jpg 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. /nl/articles/2412/15/news028.jpg 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. /nl/articles/2412/16/news023.jpg 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」