連載
» 2007年07月13日 20時40分 公開

「ウィザードリィ」の邪道な楽しみ方ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)

テレビ朝日の人気番組、「ぷっ」すまの7月10日放送回に出演しました! 企画は「リアル神経衰弱」なのですが、なぜかアノ人とレトロゲームで対戦することに。でも対戦で使ったゲームは、すでにこの連載で取り上げているので、今回は「ウィザードリィ」。一応テレビ朝日にちなんでます。

[ゲイムマン,ITmedia]

あの対戦について1人で反省

画像 六本木のテレビ朝日前で撮影。眼下には毛利庭園が広がる

 うーん、スピニングバードキックの無敵時間を使って波動拳を避けるなんていう、難しいことをやろうとしなければ、もっと楽に勝てたんじゃないかと。

 オンエアではわたしがどうにか勝ったところで終わってますが、あの後、草なぎさんが昇龍拳と竜巻旋風脚の出し方を思い出されまして。いやぁ、竜巻のケズリって案外効くもんですね。ガードの上からガシガシとケズラれて、実はわたし、1セット落としました。

 で今回このコーナーでは、番組に出てきたゲームを取り上げようと思ったんですが、「ストリートファイターII」は以前やってますし、「ディグダグ」、「ツインビー」、「いっき」、「スターソルジャー」も取り上げてます。

 そこで今回は、テレビ朝日の“10チャンネル”にちなんで、迷宮が地下10階まである「ウィザードリィ」を取り上げることにしましょう。

 あ、地上デジタル放送だと、5チャンネルになっちゃうのか。そもそも関東以外だとチャンネルが違うし。

 ……ホント言うと、「ぷっ」すまの仕事が決まる前から、もともと「ウィザードリィ」を取り上げる予定でした。10チャンネルうんぬんは後付けで思いついた理由です。


コンピュータRPGの2大始祖

画像 バブリースライム。テーブルトークRPGでは厄介な敵だったスライムが、コンピュータRPGでザコとなったのも、多分「ウィザードリィ」の影響

 「ウィザードリィ」は1981年、アメリカのロバート・ウッドヘッド、アンドリュー・グリーンバーグ両氏が作り、サーテック社が発売したRPGだ。

 1985年、アスキーが日本のPCに移植。1987年には、同じくアスキーからファミコン版が発売されている。このファミコン版は、「ゼビウス」や「ドルアーガの塔」、「ファミリーサーキット」を作った遠藤雅伸氏が率いる、ゲームスタジオ社が手がけている。

 「ドラゴンクエスト」(1986年・エニックス)など、後に続くコンピュータRPGは、「ウィザードリィ」および「ウルティマ」を参考に作られているものが多い。いわばこの2作品は、コンピュータRPGの“2大始祖”だ。

 「ウィザードリィ」が特に、後のRPGに影響を与えたのが、キャラクターメイキングと、コマンド選択式の戦闘システムだ。

 プレーヤーは複数の冒険者を受け持つ。冒険者の名前や職業などはあらかじめ決められておらず、プレーヤーが作ることになる。彼らに6人以内でパーティを組ませて、迷宮に挑むのだ。

 このあたりには、「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ」(D&D)をはじめとする、テーブルトークRPGの影響が大きい。各能力値や、HP(ヒットポイント)やAC(アーマークラス)といった名称は、D&Dから来ている。

 そして、戦士・魔術師・僧侶などの職業や、エルフ、ドワーフなど種族の特徴も、D&Dによく似ている(D&Dでは人間以外の種族に職業はないが)。

 ただし元をたどれば、これらは小説「指輪物語」(映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作でもある)に行き着く。D&Dでは“ハーフリング”となっていた種族も、ウィザードリィではそのものずばり“ホビット”だ。

 指輪物語のような世界をゲーム化したのがD&Dで、D&Dのようなゲームをコンピュータで遊べるようにしたのが、ウィザードリィといえる。

 また、今日の多くのRPGが採用している、複数の主人公によるコマンド選択方式での戦闘システムも、このゲームから誕生した。これもテーブルトークRPGがもとになっているが、レベルごとに設けられた魔法の回数制限など、「ウィザードリィ」独自の要素もみられる。後に「ウィザードリィ」のシステムをもとに、「ウィザードリィRPG」というテーブルトークRPGも作られた。

 冒険の舞台はほとんどが迷宮の中。冒険者たちの目線で見た“3D視点”で、迷宮を探索していく。3D視点は「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」では採用されなかったが、「女神転生」や「ディープダンジョン」など、この方式を採用しているRPGもある。

画像 地下3階の通路は碁盤の目のようになっている。十字路には落とし穴や回転床が仕掛けられていて、道に迷いだすと、どんどんHPが減っていく
画像 ユーモアの効いたイベントやモンスターも多い。冒険者に襲いかかる硬貨「クリーピングコイン」はその典型
画像 宿はいくつかのランクに分かれているが、ほとんどのプレーヤーは馬小屋を使うだろう。無料だし、泊まっても時間の経過がわずかで、年をとりにくい。HPは回復しないが、回復したMPを使って僧侶が魔法をかければ、全員のHPを最高値にできる

現代のRPGとは対極に位置するRPG

画像 景色の描写はグラフィックではなく、ほぼすべてが文章で表現される。テーブルトークRPGでゲームマスターの説明を聞く感覚

 一方で、「ドラゴンクエスト」以降のRPGとは大きく異なる点も多い。

 例えばグラフィック。「ウィザードリィ」の迷宮の壁はすべて線画。武器や道具なども名前が表示されるだけ。迷宮内に何か変わったことがあっても、イラストやアニメーションは表示されず、すべて文章だけで説明される。

 しかし、なまじ映像を使っていない分、プレーヤーが自分のイメージを描いてプレイすることができた。冒険者たちの姿も一切画面に出てこないので、必ずしもファンタジーの世界観にこだわらなくてもいい。

 冒険者の名前に、マンガのキャラクターや実在の人物の名前をつけても、その世界観に合わせてプレーヤーが町や迷宮の風景をイメージできるだろう。

 また、自由度の高さも、近年のRPGとは趣を異にする。

 「○○の塔に行って××の剣を手に入れて△△の洞窟で□□のよろいを手に入れて☆☆の迷宮で魔法使いをやっつけて……」なんてことは、やらない。そもそも迷宮が1つしかない。

 「ウィザードリィ」では、最初から地下4階までは進むことができる。そしてアイテムを1つ手に入れれば、最下層まで一気に突き進むことができるのだ。

 ただしそんなことをやったら、おそらく全滅はまぬかれない。レベルの低い冒険者が地下4階まで下りていっても、カピバラの毒かレベル7メイジの魔法で倒されるのがオチだ。

 自由に歩ける分、プレーヤーの判断が重要になってくる。冒険者がどのくらい強くなったら、下の階に下りるべきなのか。「ウィザードリィ」のプレーヤーは、常にこのことを頭に置いている。

 ほかのRPGならば、先へ先へと進めるだけ進んでも、けっこうどうにかなる。万が一全滅しても、所持金を半分取られるか、セーブしたところからやり直しとなるかだ。

 ところが「ウィザードリィ」では、全滅したパーティはそこに置き去りである。彼らを助けるためには、別のパーティに死体を回収させる必要がある。

 加えてさらに、ロストの恐怖がつきまとう。全滅したメンバーの何人かは、僧侶魔法でも町のカント寺院でも、生き返れなくなってしまうのだ。全滅以外でも、蘇生(魔法でも寺院でも)失敗でロストにつながることがある。1回失敗すると灰になり、灰から蘇生させようとしてまた失敗するとロストになる。

 だから「ウィザードリィ」では、プレーヤーの1つ1つの判断が、たいへん重みのあるものとなる。しかしそれだけに、RPGにありがちな「戦闘が退屈」という不満は起こりにくくなる。

 レベルが上がって、能力値がある一定の数値に達すると、転職をして、魔法戦士の「侍」、僧侶戦士の「ロード」、クリティカルヒットのある「忍者」になることができる。これも楽しみの1つだ。

 このように「ウィザードリィ」は、現在主流のRPGとは、まったくコンセプトが違う。しかし、後に似たような作品があまり出なかったからこそ、今でも印象が風化しないのだ。

画像 ほとんどの宝箱には、さまざまな罠が仕掛けられている。罠の種類を判別し、罠を解除するのが盗賊や忍者の役目
画像 主にバンパイアなどのアンデッドモンスターが使う、エナジードレイン攻撃もこわい。なんと冒険者のレベルを下げてしまうのだ
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/1605/20/news111.jpg 絶対にプラスチックのカップで「焼きプリン」を作るという執念 森永「焼きプリン」の製法特許がすごいと話題
  2. /nl/articles/2312/09/news033.jpg 13年外につながれボロボロのおばあちゃんワンコを保護 人間を信じ始める姿に涙「今まで苦労した分以上の幸せな余生を送れますように」
  3. /nl/articles/2312/10/news011.jpg 犬同伴OKのビュッフェに柴犬と行ったら…… 全く別の楽しみ方をしてしまう姿に「かわいいいいい」「気持ちよさそう」
  4. /nl/articles/2312/10/news019.jpg 入院で2週間不在だったママを待ち続けた猫、再会の瞬間…… 涙を誘う喜びあふれる“お返事”に「深い絆に涙が」「嬉しさがひしひしと」
  5. /nl/articles/2312/10/news018.jpg 同居猫のおしりを嗅いで「テメェ屁こいたなぁ!!!!!??(怒)」と理不尽ギレする猫の姿に抱腹絶倒「夜中に爆笑させないで」「名作」
  6. /nl/articles/2312/10/news061.jpg 遠藤憲一、保護犬を家族に迎える 「保護時には栄養失調と足に怪我を」悲しい過去も、ウキウキお散歩ショットにほっこり
  7. /nl/articles/2312/08/news013.jpg 愛猫が息を引き取る直前「ありがとう、楽しかったよ」と声を掛けたら…… 家族みんなが久々に集った夜の奇跡に涙
  8. /nl/articles/2312/09/news081.jpg 短編ホラーゲーム「8番出口」で“開発者も知らない異変”が発生し笑いと恐怖 「マジでホラー」「本物の『怪異』だ」
  9. /nl/articles/2312/10/news033.jpg 捨てられて真っ黒だった元野良猫が、家猫になった今では…… 真っ白で幸せいっぱいの暮らしに「ほんときれいな美猫さんに」「胸が熱くなる」
  10. /nl/articles/2312/08/news180.jpg ミス東大の水着グラビアデビューに「東大まで行って」と失望の声 本人&現役グラドルも加わるネット論争に
先週の総合アクセスTOP10
  1. オール巨人、30年モノな“伝説の1台”に自負「ここまでキレイな車はない」 国産愛車の雄姿に称賛の声「気品がある」「凄くエレガント」
  2. 「明らかに写真と違う」 東京クリスマスマーケットのフードメニューが物議…… 購入者は落胆「悲しかった」
  3. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  4. 田中みな実、“共演した姉”の存在に反響「居るとは聞いていたけど」「激似やなぁ」 すらっとしたたたずまいに「品のあるお方」
  5. 藤本美貴、“全然かわいくない値段”のテスラにグレードアップ スマホ一つでの注文に「震えちゃ〜う!」
  6. マックで「プレーンなバーガーください」と頼んだら……? 出てきた“予想外の一品”に驚き「知らなかった」
  7. 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  8. 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  9. “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  10. 900万再生のワンコに「電車で笑ってしまった」「つられてめちゃくちゃ笑っちゃうw」 “突然魔王になった犬”に腹を抱える人続出
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」