RTSからアクションRPGに――シリーズ最新作「Kingdom Under Fire: Circle of Doom」を開発者に聞く

RTSシリーズ「Kingdom Under Fire」の外伝的なタイトルであるアクションRPG「Kingdom Under Fire: Circle of Doom」。ジャンルが異なるためゲーム内容が気になるところだが、今回は開発を務めるBLUESIDEにデモプレイを交えながら話を聞くことができた。

» 2007年10月05日 00時00分 公開
[遠藤学,ITmedia]

 RTSシリーズ「Kingdom Under Fire」の外伝的なタイトルである「Kingdom Under Fire: Circle of Doom」(以下、Circle of Doom)は、韓国のBLUESIDEが開発を担当するXbox 360/PC向けアクションRPGだ。これまであまり情報のなかった本作について、開発チームにデモプレイを交えながら解説してもらう機会を得た。

photo Kingdom Under Fire: Circle of Doom開発チーム。(左から)ヘンリー・リー氏、SD・キム氏、スンミ・リー氏、ドンウォン・リー氏、テホ・キム氏

 ディレクターのヘンリー・リー氏はまず、本作がRTSではなくアクションRPGとなった理由を「ハードゲーマーだけでなく、カジュアルゲーマーも簡単に接することができるタイトルは何かを考えた結果です」と説明。続けて「“簡単なところから深みを足そう”が本作のテーマです。キャラクターのパラメータには『HP』『SP』『運』の3つしか用意していません」と話してくれた。

 ゲーム画面下には2つのバーがあり、赤がHP、青がSPを表す。運は目に見えない要素だが、高ければいいアイテムが手に入るという仕組みだ。キャラクターの成長にはポイント制を採用しており、レベルアップ時に得られるポイントを配分して強化。キャラクターごとにHPが上がりやすい、SPが上がりにくいなどが設定されている。

 3つのパラメータのうち、最も重要なのはSPだとヘンリー氏。「SPは武器を振るたびに消費します。いい武器になれば消費SPも増え、十分なSPを保持していなければ攻撃動作が遅くなります。武器は攻撃値によって見た目が変わるほか、AボタンとXボタンにそれぞれ好きな武器を割り当てられるようになっています」

 攻撃値とは敵のHPをどれだけ削れるかを表すもので、そのままダメージに置き換えてもいい。例えば攻撃値60の武器はダメージが60になるという意味だ。攻撃値の高い武器はモンスターを倒して奪えるが、合成を行うか特定アイテムの使用で強化もできるという。

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 また、武器には付加価値の要素も設けられている。武器が壁に当たった時に跳ね返る「反射」、複数の敵を貫く「貫通」、投げ武器の滞空時間を延ばす「飛翔」など、約60種類の付加価値があり、1つの武器に最大5つまで付けられる。例えば反射と貫通をつけた銃があった場合、敵を貫きつづける跳弾が撃てるという感じだ。ヘンリー氏も付加価値については「付加価値をうまく組み合わせて使えば、自分の好きなスタイルで効率よく敵を倒すことができます」と自信を見せていた。

 ちなみに付加価値にもレベルがあり、貫通8であれば最大で8体の敵を貫通できる。敵が落とすものやゲーム内で購入できる付加価値はすべて1なので、これらを合成して強化していく。ただし、攻撃値と同様に付加価値の高い武器はそれに応じたSPを消費する。SPが低い場合はあえて強化を見送るという選択も必要になるだろう。

photophoto プレーヤーキャラクターの1人「セリーヌ」。左右で衣装が異なることからも分かる通り、防具によってビジュアルが変わる。ヘンリー氏曰く「いい防具になればセリーヌがよりセクシーになります」とのこと

 武器による直接攻撃のほかに、BボタンとRトリガーに設定できるアビリティ(魔法)も用意。アビリティは約70種類あり、このうち1キャラクターが使えるアビリティは30程度だという。ちなみにアビリティは1回使うとリロードに多少の時間を要するほか、ボタンを押し続ければSPを消費してより強力になる。

 「アビリティにはレベルを設けていないため、SPを使用して強化します。例えば『マジックショット』というアビリティを使った場合、ただボタンを押すと1発の光球が発生するだけですが、SPを消費してパワーアップさせれば光球の数が増えるほか、敵を混乱させるなどの効果も生まれます」(ヘンリー氏)

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 戦闘以外にも話はおよぶ。本作には「眠る」というコマンドがあり、これを選択すると夢の世界にいける。夢の中にいるキャラクターからはストーリー進行のためのクエスト受注やアビリティの習得が行えるが、本作にはシングルプレイとマルチプレイの概念がないため、ほかのプレーヤーからは眠っているようにしか見えないのだという。

 取材場所の環境でマルチプレイを見ることはできなかったが、ヘンリー氏はマルチプレイ時のコツを2つほど伝受してくれた。1つは「協力」という付加価値の存在。これを付けるとほかのキャラクターとHPが共有できるのだという。もう1つはボスなどを倒して大量のアイテムが落ちた際、「誘導」という付加価値のついた武器を使えば、アイテムを一気に引き寄せられるというテクニックだ。ただし、全部拾ってしまうと非難されるので、あまりお勧めできるテクニックではないとのこと。

 マルチプレイは最大4人でプレイできるが、場合によってはセリーヌが4人、ケンドルが4人といったように同じキャラクターが集まることもある。このため、本作には「サングラス」などの見た目を変えるアクセサリーも用意されている。アクセサリーに関しては、Xbox LIVEマーケットプレースを通じてダウンロード販売も行う予定だ。

photo 美麗なグラフィックも注目したい要素のひとつだ

 最後にヘンリー氏は「(Circle of Doom)すごく簡単に楽しめるゲームですが、付加価値などを極めようと思えば、やれることは非常にたくさんあるゲームです」と本作をアピール。また、同席していたシニアバイスプレジデントのSD・キム氏はすでに開発が終了していることを明らかにし、「現在はマイクロソフトにチェックを出している段階なので、年末には発売できると考えています。このほか、2008年上半期の発売に向けてGames for WindowsブランドのPC版も開発中ですが、こちらではXbox 360とPCのユーザーが一緒にプレイできる環境を用意します」と話してくれた。

 Circle of Doomの国内発売日はまだ決定していないが、そろそろ何らかのアナウンスがあると期待してもよさそうだ。

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