さぁ魔物たちよ、ヤッチマイナァ! ―ある破壊神の場合―「勇者のくせになまいきだ。」レビュー(3/3 ページ)

» 2007年12月13日 00時02分 公開
[小形聖史,ITmedia]
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ひとあじ違うダンジョン造り そして……ロベルトぉおおお!

 「ストーリー」はステージが進もうと、ダンジョンの状態はそのまま継続される。さらに強い魔物を発生させるには堀パワーを温存するとともに、自らつるはしをダンジョンの出入り口に近づけることで勇者を早々に誘い込み、タイムボーナスによる堀パワーのボーナスを手にする必要がある。

 ふっふっふっふ。こたびの我は、そのあたりをしっかりと把握しておるぞ! さらに試行錯誤を重ねた結果、「こうするといいんでねーの?」と思える方策にも気付いておるぞ!

ダンジョンの一例。連れ去れた時、上層で勇者を撃退することを考えると、浅すぎるところはあまり開発しておかないほうが良い。また養分の初期配置によっては、曲がり角の先に凹を作り、コケ類やエレメント類を曲がらせない“長い直線”を作った場合が良いこともある
ダンジョンの別例。浅いところを開発するなら、できるだけ横に通路を延ばした先で行うようにする。また、デーもんはエレメントを魔法陣に吸わせて上位種にしたほうが使えるため、魔法陣の近場で勇者に魔法を使わせるよう、あえて周辺にトカゲ類の巣や過剰繁殖地を作っておくのも作戦のひとつと言える

 まず基本は“浅い通路を□にする”こと! さらに魔物や勇者が死んだ時に吐き出される養分をため込むために、□の中は最低でも縦横が3ブロック以上ある状態が望ましい! 初期の養分配置によっては2ブロックでも可! さらにそこからダンジョンを拡張する際には、最初の□の通路を延長することがないよう、途中と途中をつなげるつもりで堀っていく! なぜなら、コケは壁にぶちあたるまでまっすぐ進むが、それ以外は途中に曲がり角があると、たまに曲がってくれるからだ!

「ニジリゴケ」を最下位種とするコケ類の使い方がすべてを左右する。コケ類の闇合成と繁殖プロセスをしっかりと把握することが勇者を蹴散らす最初の一歩

 これは極めて重要だ。ダンジョンの生態系を考えた時、なにはおいても基本になるのはコケ類、それもコケ類が死亡する時の養分配置だったりする。まずコケ類が死ぬ時、養分を貯めていれば双葉を咲かせるツボミになる。この時、周囲2ブロックに養分があれば、これを吸い、花を咲かせる。花が死ねば、花の時点で吸収した養分に応じて、同種のコケ類を生み出す。こうしてコケ類が繁殖する以上、コケ類は似通った場所を移動するよう穴を開けるのが理想的といえるわけだ!

 一方、ムシ類はそんなコケ類を食料にする。コケ類を食べていくとサナギになり、しばらくすると羽化してフライになる。この状態でコケ類を食すと、新しいムシを生み落とす。こうして増えていくムシ類をうまく繁殖させるために、コケ類が繁殖している□に入り込めるよう、第2の□を、第1の□を延長しない形で配置するべきなのだ。この時、あえて第2の□をT型にしておくという手もある。これは、ムシを発生させる養分レベル2の土を生み出すことだけを考えた場合の選択だ。

 トカゲ類についても考え方は同様だ。こうしてダンジョンを地下へ、地下へとのばしていくわけだが、ここで初心者破壊神が陥りがちなところが、ダンジョンのすべてに魔物を住まわせようと考えがちなところだ。もうおわかりと思うが、生態系の中心はあくまで1本、コケ類を繁殖させる場所にしぼるべきなのだ。他を生み出すために掘ったところは、その後、スカスカになってしまってもかまわないと思ったほうがいい。ただ時には、新たに養分のある土を掘り、新たなコケ類を補充するべき場合も出てくる。そのあたりの判断のタイミングが、できる破壊神とそうではない破壊神を分ける大きな要素なのだ。

 さらにさらに、勇者を倒したり、勇者が魔法を使ったりすると、土に魔力が蓄積され、そこから魔力系の魔物を生み出せるようになるのだが――序盤では浅いところで勇者が死ぬので、つい、そのあたりを掘り進めてどうにかしようと考えがちだ。だが、そこはグッと我慢の子。後々のために、浅いところの開発はほどほどにしておくのが、できる破壊神というものだ。

序盤のエレメント類は「しかばね」や「魔法陣」に近づくよう発生させ、これらに吸い込ませるほうがいい。魔力系の強い魔物を呼び出すより、「スケルトン」の上位種である「まおうのしもべ」などを呼び出したほうが経済的かつ強力だからだ

「魔法陣」は周囲8ブロックに土が無い状態で養分が20近くたまった土を掘った時に発生する。この魔法陣の中心を再び掘ると「デーもん」が登場。でも、どうせ呼ぶなら上位種の黒いほうを……

 こうして2〜3の□を重ね、浅いダンジョンを作ったあとは、リリスを使うために細長い直線の道を造り、浅い階層とは切り離された、第2の生態系構築場所を作り上げる。これが作れる段階になると、魔物も強化され、浅い階層を作った時より繁殖の速度が速いはずだ。だが、ちょっとたまった程度ですぐ掘ってしまうような具をおかしてはならない。ここでは複数の□を重ねてコケ→ムシ→トカゲの生態系を構築しつつ、勇者がまき散らす魔力をベースにした魔力系の魔物を繁殖させる準備を整えていくことが望ましい。

 慣れてくるとこの段階で浅い階層と深い階層をつなぐ通路にエレメントを誘導し、ここにドラゴンを発生する魔分レベル3の土を生み出せるようになる。これを見越して通路に凸状の場所を作れるようになっていれば、もうおぬしは上級の破壊神だ。ちなみに、我はそこまでいっていない。何度もチャレンジしたが、横長の通路にうまくドラゴンを発生させることができないままだったりする。もしかすると狙ってできるものではないのかもしれないが……いやいや、我は破壊神! きっとできる! 信じることだ、必ず最後に悪は勝つ!

 あぁ、そうそう。魔物を強化する時の順番も考えなければならない。我のように通路でつながった2つの繁殖地を作る作戦の場合、ステージ1のクリア時にコケとエレメントを強化し、ステージ2〜3のクリア時にムシとトカゲを必ず一緒に強化するという方法がベターっぽい感覚を得ている。重要なのは、ムシだけを強化すると、繁殖しまくるムシがコケを全滅させる場合が出てくる、というところだ。また、しっかりと強化するためにも、無駄に掘ることは裂けるよう心がける必要がある。

 なお、ステージ1とステージ2は浅い階層の第1繁殖地だけで対応可能なため、“しょうた&ハシーム”が出てくるステージ3で一気に開発し、できれば2人とも深い階層の第2繁殖地で倒すことで魔分が利用しやすい状況にするのが良いだろう。こうしたうえでリリスを発生させれば、途中の通路がうまく機能する。勇者によって移動経路に傾向があるため、魔物が全滅した第1繁殖地を迷路化させていき、勇者が間をおいて通路に入るよう誘導できれば、かなりいいところまでいけるはずだ。

 ただ問題は、「ステージ05 せいけんエクスカリバー」で登場する3人の勇者だ。

 こいつらが強い。卑怯なくらい強い。おそらく初級破壊神の壁がステージ3だとすれば、中級破壊神の壁はこいつらがでてくるステージ5だ。我もこいつらには何度も煮え湯を飲まされた。つまり、我はいまだ中級破壊神といったところなのだろう。今のところ、こやつらに第3繁殖地のデーもんを倒されてしまい、その特殊能力(ダンジョンにいる全魔物の防御力を高める)を発揮できないケースがしばしばあったりする。デーもんを隔離するための第3繁殖地を作るべきなのか、それとも第1繁殖地の再利用を違う角度から検討するべきなのか、はたまた根本的に作戦が間違っているのか……とか悩んでいるうちに、またやつらがやってきた。

魔王「は、破壊神さまぁあああああ!」

 ま、また捕まったぁあああ! ろ、ロベルトぉおおおおお!! また貴様かぁあああ!

かくして邪悪なるものたちの営みは続く

リリス類は細長い通路が多いダンジョンだと、かなりの実力を発揮する。なにしろ勇者は、蜘蛛の巣のようなフェロモンに重なると行動不能になってしまうのだ! 貴様、我が娘たちでハァハァしておるな!?

 そんなこんなで今日も今日とて、我は魔王のためにダンジョンを掘っている。コケが大繁殖しまくったせいでいたるところでハナが咲き乱れてしまい、ハナの鱗粉でムシがまともに食事もできないまま絶滅するという楽しい展開に「自重しろ!」と思ったり、逆にムシが繁殖しまくったせいでムシ類が絶滅してしまい、餌を失ったムシ類も次々と死に絶えていくという展開に「おまえも自重しろ!」と思ったり、かと思うと勇者が来る前に第2繁殖地のムシたちがリリスにごっそり食べられてしまって「ロベルトぉおおお!」と叫びたくなったり……。

 うむ。実によくできている。


我のお気に入り魔物であるトカゲ類。「トカゲおとこ」の男のこだわりが詰まっている巣を見るたび、彼らの男らしい生き様に思いを馳せずにいられない(?)

 「勇者のくせになまいきだ。」という名前と、昔懐かしい8bitゲーム機を思わせるグラフィックにだまされがちだが、これはけっしてRPG全般に対するパロディやアンチテーゼを主眼としたものではない。普通のRPGではプレーヤーに倒されてしまうモンスターや魔王などになって、逆に主人公にされる勇者などを倒していこうというものでもない。

 食物連鎖を軸とした生態系の構築――これこそが「勇者のくせになまいきだ。」の本題であり、これをアクションパズルゲームとして手軽に遊べるようにしたところにこそ、評価のポイントがある。そういう視点で眺めてみれば、「ストーリー」でさえ1プレイに数十分しかかからないところや、「チャレンジ」にいたっては数分どころか数十秒で終わるものさえあるところなど、アクションパズルとしても非常に練り込まれた作品だと言える。

 また、携帯ゲーム機の作品としても、1度のプレイ時間が短いことや、グラフィックがいわゆる萌え系でないところなど、評価するべきポイントは多い。特にグラフィックの部分は、ゲーム好きの女性にすると非常に喜ばしいポイントだと思う。それを考えると、ゲームのスピードを調整する機能が付いていれば、もっとユーザー層を広げられたはずだ。小ネタの多くが“80年代のゲーマー”なら誰もが知っているようなものばかり選んでいるあたり、あえて層をしぼってデザインしたのだろうが、パロディのネタ元を知らなくても楽しめる作品だけに、どうしても惜しいと思ってしまう……

 はっ!? どうして我は、真面目にレビューしているのだ!?

 いかん、いかん。我にはまた新しいチャレンジが待っておるのだ。それにしてもなんなのだ、この“げんぞう”と“さなえ”という2人の勇者は。卑怯だぞ、この強さは! んっ? 宝箱があるな……どれ、掘ってみるか。おぉおおお!? な、なんだ、この金色のムシは!? 「ずかん」で確認を……ぬぬぬっ!? 「ゲイシャとかげ」だと!? わーっははは! 我の知らぬうちに、そのようなものが生まれていたのか! で、我はどうやって生み出したのだ?

魔王「は、破壊神さまぁあああああ!」

 ま、また捕まったぁあああ! 貴様ぁ、勇者のくせになまいきだぁあああ!

「勇者のくせになまいきだ。」
対応機種PSP
ジャンルダンジョン・マネージメント
発売日2007年12月6日
価格(税込)3980円
(C)Sony Computer Entertainment Inc. All Rigths reserved.
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