連載
» 2008年11月17日 12時30分 公開

マリオVSブラッキー! 「レッキングクルー'98」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/2 ページ)

今回は「レッキングクルー'98」。前回取り上げた「レッキングクルー」とは違って、対戦型落ちものパズルになっています。最初はニンテンドウパワー専用ソフトでしたが、後に通常のスーパーファミコン用ソフトとして販売されました。

[ゲイムマン,ITmedia]

ブラッキーにすっごく共感した

 前回取り上げた任天堂の「レッキングクルー」の敵は、このゲームにしか出てこないユニークなキャラクターばかりだが、中でも異彩を放っているのがブラッキーである。

 マリオ同様、ヘルメットをかぶってハンマーを持った男。壁の裏側にいるためか、ブラッキーとマリオが接触してもミスにはならない。しかしブラッキーは、裏側から壁やハシゴをたたいて、マリオを落とそうとする。逆にマリオが壁を壊して、ブラッキーを下へ落とすこともできる。

 PHASEによっては、ハシゴのない場所にマリオが落とされたり、壁を壊す前にそこへ通じるハシゴを壊されたりして、クリア不可能になってしまうこともある。要はマリオの近くに寄ってハンマーを振るだけなのだが、そのタイミングが絶妙で、憎たらしい。存在感の大きな敵キャラクターだ。

photo マリオがいる壁を裏側からブラッキーに壊されると、マリオはいちばん下まで落ちていく
photo 4ステージごとに出てくるボーナスステージでは、壁に隠されたコインを、マリオとブラッキーが探す。ブラッキーが先に見つけてしまうとボーナス点なし

 にもかかわらずブラッキーは、後のマリオシリーズに登場すらしなかった。

 そのことが、某ゲーム誌に連載されていたマンガでネタにされた。ゲームを映画に、ゲームキャラクターを俳優に見立てた世界の中で、ブラッキーは“レッキングクルーにマリオの敵役として出演したが、その後まったく売れていないゲーム役者”として描かれている。

 ファミコン創生期のキャラクターが集まる同窓会に招待されたものの、誰にも思い出してもらえなかったり、ルイージに皮肉られたりすることを想像して、結局行かなかった。この話が描かれたのが、レッキングクルー発売から8年後の1993年だ。

 それからさらに4年後。同じゲーム誌のマンガで、同じようなシチュエーションの話が描かれた。こちらは前の時とは違って、かなりシリアスなストーリーになっている。

 当時、プレイステーションに押されていた任天堂の勢いを盛り返すべく、ファミコン時代のゲームをリメイクさせようと、各キャラクターたちに提案するルイージ。それに端を発し、ゲーム業界の外側から業界の変化を冷静に見つめてきたブラッキーと、業界の内側で時代に翻弄(ほんろう)されながら、自分の居場所を見つけだそうとするルイージとの、激しい論戦が展開される。このシーンは今見ても秀逸だ。

 また、ブラッキー自身も単に売れない役者ではなく、来たるべき時に備えてトレーニングを欠かさない、仕事に対して真摯(しんし)に取り組む男として描かれている。

 ちなみにルイージの提案した企画、今ではWiiのバーチャルコンソールという形で実現しているのが面白い。レッキングクルー自体もバーチャルコンソールでダウンロードできる。

 ちなみついでにもうひとつ。ブラッキーが住んでいるという設定になっていた場所は、新宿区百人町の線路沿い。百人町の東側には山手線・埼京線・西武新宿線が、西側には中央線・総武線が通っているが、黄色い電車のほか、黄緑の電車も通っていることから、東側の線路沿いと思われる。

photo 百人町の山手・埼京・西武新宿線沿いには、東京グローブ座がある。新大久保駅から近い
photo 現在では線路沿いに高層マンションが建っているが、少し離れた所には、昔ながらの一戸建てや、小さなアパートが残っている

ニンテンドウパワーでブラッキー復活

 さて、このマンガが任天堂を動かしたかどうかは知らないが、1998年に「レッキングクルー'98」が、“ニンテンドウパワー”で発売されることになる。

 ニンテンドウパワーとは、1997年に全国のローソンで始まったゲーム配信サービス。店内の端末・Loppiにスーパーファミコンのカートリッジを入れる端子が設けられており、ここに書き換え専用のSFメモリカセットを差し込むと、Loppiを介してゲームをダウンロードできた。後にゲームボーイ用ソフトも配信されている。

 スーパーファミコンの全盛期ではなかったため、ここで配信されるゲームは懐かしの作品が中心。中古でしか手に入らないようなソフトを、品切れを気にせずに安く買えるというのが売りだった。

 だが、ニンテンドウパワーでのみ販売されたゲームも何本かある。メーカーにとっては現在のWiiウェアと同じで、小品で本数のあまり見込めない作品を、低コストで発売でき、在庫を抱えなくて済むというメリットがあった。ファミコンゲームのリメイクがほとんどだったものの、発売されていたソフトは20本以上。意外に多い。

 1997年の「平成 新・鬼ヶ島」「同級生2」に続いて、レッキングクルー'98の配信は1998年1月1日に始まった。当初はニンテンドウパワーの書き換え専用だったが、後に平成 新・鬼ヶ島とともに、通常のROMカートリッジ版も発売されている。

 店頭でソフトの書き換えができたディスクシステム、衛星放送を使ってゲームを配信したサテラビュー、そしてこのニンテンドウパワー。任天堂はたびたび、パッケージを介さずソフトウェアのデータのみを売る方法を模索してきた。それがWiiウェアとバーチャルコンソールで、遂に結実したと言えるだろう。

photo SFメモリカセット。32メガビット(4メガバイト)分のプログラムを記録できる
photo 複数のゲームを1本のSFメモリカセットに入れられる。メニュー画面で、遊ぶゲームを選ぶ
photo レッキングクルー'98はもともとダウンロード専用だったから、非常に丁寧なルール説明モードがついている

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