マリオVSブラッキー! 「レッキングクルー'98」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/2 ページ)

» 2008年11月17日 12時30分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]
前のページへ 1|2       

対戦型落ちものパズルの隠れた名作

 レッキングクルー'98は、時代を反映した落ちものパズルになっている。ひとり用のストーリーモードと、対戦モード、トーナメントモードがある(ファミコン版レッキングクルーも収録されている)。ストーリーモードも敵キャラクターとの対戦になるあたり、コンパイルの「ぷよぷよ」を多分に意識して作られたようだ。

 フィールド内にある4色のパネルを、たたいて壊したり、ハンドルで横にずらしたりして、同じ色のパネルを3枚以上並べると消せる。連鎖消しに成功したり、同色を一度に4枚以上並べたりすると、相手フィールドに変化を起こして妨害ができる。

 妨害の内容は、そろえた色によって異なっていた。赤だと相手のフィールドにモンスターを送り込める。モンスターは真上から踏めば倒せるが、左右や下から接触すると、マリオなどのキャラクターが少しの間、操作不能になる。

 青を並べると、相手フィールドの下からパネルがせり上がる。その枚数は消した青パネルの2倍。例えば横4列に並べて消すと、相手の横4列が2枚ずつせり上がる。縦に並べて消すと、相手の縦1列に集中してパネルを送り込める。

 緑は相手のパネルを壁ブロックに変える。ブロックは1回たたくとパネルに戻るが、色は別の色に変化する。基本的には横2列のパネルがブロックに変わるが、消した数や連鎖次第では、変わるパネルはもっと増えた。

 だが最も強烈な妨害は、黄色のパネルを消した時に現れる“鉄板”。たたいても壊せない。鉄板を壊せるのは、フィールド内のパネルを追加する時、2列に1個出てくる爆弾だけだ。ただし鉄板が増えると、パネルを消しづらくなってフィールドが埋まってくるので、パネル追加のボタンは押しにくい。鉄板が自分のフィールドに現れたら、早めに消すのが鉄則だ。

photo 赤パネルで相手に送り込むモンスターは、消した枚数が多いほど強くなり、連鎖数が多いほど数が増える
photo 黒いパネルが鉄板。じわじわ効いてくるので、黄色いパネルは積極的に連鎖か4枚消しで消していこう
photo パネルを追加すると連鎖を作りやすくなるが、追加しすぎると自滅する危険性もはらむ

 パネルが消えている間にもマリオを操作できるのが、このゲームの特徴。パネルを壊すこともできるので、状況によっては連鎖中に連鎖を伸ばすことも可能だ。

 フィールド上端のラインより上にパネルが積み上がると警告音が鳴る。3秒以内にパネルを壊したり移動させたりして、ライン上のパネルを引っ込められればセーフだ。それができないと負けになる。

 1回のプレイが、落ちものパズルにしては比較的長く、5分以上かかることも多い。とはいっても、とりあえず同じ色のパネルを4枚以上消すことさえ考えれば良く、あまり複雑な連鎖を必要としないので、つい、まったりと長時間プレイしてしまう(あまり連鎖を考えていないから、長時間かかるのかもしれないが)。

 私はストーリーモードやトーナメントモードで、敵キャラとの対戦を延々数時間、ひたすらやってしまうくらいハマった。

photo 青パネルの縦攻撃を受けて1列だけパネルがせり上がる。急いでその列に行って、パネルをたたきまくろう
photo 同じ色のパネルを一度に9枚以上消すと、相手フィールドに看板が落ちて一本勝ちとなる
photo 全消しボーナスもあった。パネルを全部消すと、次の攻撃の威力が上がる

ナスビ仮面もスパナゴンも登場

 ストーリーモードでは、クッパが勝手に建てた秘密のアジトのせいで、日照権を奪われたマリオが、クッパの手下と戦ってアジトを破壊していく。

 ステージ数は、クッパとの戦いを含めても全5ステージと少ない。だがそれぞれの敵を、指示された時間以内に倒すと隠しステージが現れる。4つの隠しステージで新たな敵と戦って、最後にクッパを倒すと真のエンディングが見られるのだ。

photo 戦う前、敵がマリオに何か言ってくる。ぷよぷよで言うところの漫才デモだが、ギャグの要素はあまりない

 今回はナスビ仮面やスパナゴン、そしてブラッキーが、各ステージでのマリオの対戦相手として登場する。一方、隠しステージの敵は、おにぎりとオヤジと幽霊の少女と土偶。ちょっとシュールだ。対戦やトーナメントでは、これらの敵や、ルイージ、ピーチ姫でもプレイできる。

 レッキングクルー'98が発売されると、某ゲーム誌のマンガでもブラッキーの話の続編が描かれた。ここでのブラッキーは、ゲームの中で芝居をする役者という設定なので、レッキングクルー'98で使われる映像を撮影するストーリーになっている。

 ゲームの製作風景は、ブラッキーがレッキングクルーに出演した13年前とはまったく違っていた。広いスタジオに巨大なセットが組まれ、大勢のスタッフが忙しく立ち働く。最初はブラッキーも圧倒されたが、ルイージの作戦が功を奏し、本来の動きを取り戻していく。

 当時は、まさに映画のようにゲームの開発現場が巨大化し始めた時期。だから、ゲームを映画に、ゲームキャラクターを俳優に見立てた世界観は、現実のゲーム業界の変遷を表現するのにぴったりだった。


photo レッキングクルー'98のブラッキー。このシーンの撮影風景(あくまで、ゲームを映画に見立てた世界観の中での)が描かれている
photo “ドンキーコングは?”というツッコミはナシでお願いします

 2001年、ブラッキーはゲームボーイカラー用ソフト「モバイルゴルフ」にも登場。ケータイを通してダウンロードできるゴルファーのひとりだったが、ゲームに出演したのこれが最後だった。

 ブラッキーが初めて描かれた1993年には、既にワリオが存在していたし、その後、ワルイージというキャラクターも現れた。したがって、仮に今ブラッキーが復活したとしても、活躍できるポジションを見つけるのは難しいかもしれない。

 でもブラッキーには、マンガによって“単純なアイデア勝負でゲームが作れた時代を象徴する人物”“ゲームで悪役を演じることに、人一倍まじめに取り組む人物”という、ワリオやワルイージにはないキャラクターを与えられた。任天堂が勢いを取り戻した今だからこそ、再び何らかの形でカムバックしてほしいと思う。

 それから、レッキングクルーに続いて、レッキングクルー'98もバーチャルコンソールで出してほしい。私は今回この記事を書くために、あらためてプレイしてみたら、あらためてハマってしまい、原稿の完成がまる1日遅れてしまった(すみません……)。

 同じニンテンドウパワーの書き換え専用ソフトだった「ファミコン探偵倶楽部PART II うしろに立つ少女」のリメイク版や、「ファイアーエムブレム トラキア776」「はじまりの森」もバーチャルコンソールで出ているのだから、レッキングクルー'98もぜひ!

photo 隠しステージでマリオと戦うおにぎり。なぜ、おにぎりが……
photo 対戦モードではハンデもつけられる。対人・対COMどちらも可
photo ハマるとついつい何回も繰り返してしまうトーナメントモード

●取り上げてほしいなつかしゲー募集

思い出のあるゲームについて、ゲイムマンと語ってみませんか? あのゲームが好きだったのに今はもう手元にない、けどもう一度見てみたい! とか、俺が好きだったこのゲームを紹介しないなんて許せない! というあなた。是非こちらから、取り上げてほしいゲームをリクエストしてください。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」