今さらっ? 2008年北米市場を振り返るのだ!:くねくねハニィの「最近どうよ?」(その31)(3/4 ページ)
どうした? EA!
ランキングの異変に気づいたかしらん? あのEAさんが「Madden NFL 09」のみのランクインとはこれいかに。しかも、このタイトルについてる看板解説者Maddenさんが引退、と言うニュースがあって、EAはどこまでツイてないんだろ……。そういえばSimsの生みの親でSporeシリーズのトップだったウィル・ライト氏が退職されたりってニュースも。あああ、どうしちゃったのぉ。
EAはもうナンバーワンパブリッシャーではなくなっちゃいましたぁ。Vivendiと合併したアクティビジョンにすんなり首位の座を譲ってしまったんですわ。巻き返そうとしてTake 2を買収しようとしたものの、Take 2からものすごい抵抗を受けて断念。長い間君臨してた座を明け渡したんですねぇ。
さらに自社開発のオリジナルタイトルが残念な結果に。鳴り物入りで昨年のE3で賞を取りまくってた「Mirror's Edge」や、クオリティを売り物にしてた「Dead Space」など、何だか裏目に出てしまったんですよね〜。
今後「Dante's Inferno」などのオリジナルタイトルが控えてはいるものの、会社としてタイトルを絞ってくるのは予想されること。「EAでさえオリジナルが売れないんだから……」的な暗雲が業界に立ち込めてるのは悲しいことだなぁ。みんなが大型タイトルの続編か映画とかのライセンス物に走っちゃうと、チャレンジができない業界になっちゃう。新しい遊び方も提供されなくなるし、一発当てたる的な発想が萎んできちゃうって感じ。不況と開発費の高騰が更にこれに拍車をかけちゃうんだろうなぁ……。
売れ方が真逆?
よく「全米大ヒット!」って宣伝文句を掲げる商品があるけど、ホントはそんなのムリって知ってた? なんせ国が広すぎるから(笑)! それぞれの地域がそれぞれの売り物をそれぞれの売り方で売ってるから、一気に広がるものなんてそうそうないのだよね。ジワジワと時間をかけて、口コミで広がってくってのが全米の売れ方なんだから。
そういう意味では、任天堂ソフトって、「おもしろいよ!」って口コミで長い間かけて売れていく典型的な商品の売れ方をしてるわけさ。いわゆる初動命ではなく、「良いものは長い時間をかけて売れてく」って流れ。
それとまったく正反対なのはXbox 360やPS3などのハイスペック機向け。発売からすごい勢いで売れるものも2〜3カ月でランキングから脱落しちゃう。「Metal Gear Solid 4 Guns of the Patriots」や「Grand Theft Auto IV」など、ちょっと前なら長い間ランキングにいてくれたものだけど、あっと言う間に失速するのはなんでぇ? 任天堂プラットフォーム向けの売れ方とは明らかに違うのだよねん。
Wii/DSとハイスペック機の大きな違いは「ユーザー層」。乱暴に言うと、Wii/DSは家族向け、ハイスペック機はコアユーザー向けに棲み分けされてるの。ってことは、普通に考えれば、コアユーザーはゲームを趣味としてとらえてる人達で、情報に敏感に反応するから、発売日をマークしてその日に買うのは当たり前っちゃ当たり前。だけど、その後の口コミがないのは?
その理由は、中古にあり。ユーザーが楽しんで遊び終わると中古に出して、それを元手にまた新しいソフトを買うそうな。このゲームいいよっ! って紹介された人が買おうかなって思うころには、中古がたくさん出てるわけで、新品の売れ行きが止まっちゃうってことみたいなのさ。悲しいなぁ。新品買ってよぉ。ちなみに、ゲーム専門店として大きなシェアを持つGameStopの売上の半分以上は中古販売からとのこと。ユーザーから買い取った金額と売値がすべて利益になる、ってことを考えると、新品を勧めない訳も分かりますな。
GameStopが新品のソフト販売のシェア30%を占めていると言われてるから、半分の売上である中古を新品で売ってくれたなら、ゲーム市場はあと30%底上げされるってことよね? 中古対策しないといけないんだけど、法的には既に認められてる販売手法なので、これを止めることはできないのだ(日本とおんなじね)。
任天堂プラットフォームのソフトは、ファミリーユースってこともあって、週末だけとかいう稼働率になっているにしても、早々は中古には出さず、一度買ったら手放さないソフトになってるのだよね。
ハイスペック機は「ゴール」があるゲームが多いから、一度遊んだら「終わった」ってユーザーに思わせてしまう傾向があるのだね。パッケージの売り方を嘆いてもしょうがないから、ネット(アドオンコンテンツ)を含むやり込み要素で中古に回らないような作り方をしなきゃいけないんだよね〜。
ネットのお話!
ハニィが長きにわたって叫び続けてたオンライン化。実際に日本以外では小売が強すぎて、面倒な(笑)小売店との協議や、在庫やプライスプロテクションとかには振り回されでメーカー側の利益確保が難しい状況なのさ。みんなの幸せのために、間違いなくオンラインダウンロードの時代がやってくると思われ。そういう意味では、XBLAやマーケットプレイス、WiiウェアやPlayStation Networkは期待の星。オンラインなら、メモリサイズや価格もフレキシブルだし、ROM製造や返品/在庫リスクも負わずにパブリッシャーになれるのだ!
10年以上デベロッパーに徹してたエイチアイという日本の開発会社が「オニトレ〜教官は鬼軍曹〜」をWiiウェアで発表した(教官の言うことは絶対! Wiiウェア向け「オニトレ〜教官は鬼軍曹〜」)のはニュースになってたけど、これを機にオンライン専用のパブリッシャーになった、ってのはものすごく明るいニュースだと思うの。このWiiウェアコンテンツは、北米ではXseedが「DRILL SERGEANT MINDSTRONG」って名前で配信するみたい。デベロッパーが直接ユーザーに配信する時代が来たとも言えますねぇ。
しかし、1stパーティもコンテンツメーカーも正確なダウンロード数って教えてくれないんだよねぇ。ケチっ(苦笑)。どうやって分析すんだよ〜。ハニィも商売あがったりなわけす。何とかしてよぉ。
まとめた! 2008年北米市場
1.史上空前の大市場
不況に強い業界と言われ、市場規模的には大きく成長したんだ〜。
2.任天堂が強かった!
圧倒的な強さだったね。ハードメーカーとしてはもちろん、「買っとけ」ソフトの連発によってソフトメーカーとしてもダントツの強さを誇ったなと。
3.でも影響はずっしり
リストラや倒産、M&Aなどがニュースになったね〜。大手はもっと大きく、中堅は吸収されるか独自路線を行くのか決断の時?
4.勝ち組と負け組が鮮明に
オリジナルで勝負したEAが惨敗。一方、「Guitar Hero」、「Call of Duty」などのフランチャイズ化に成功したActivision、イケてる感でいっぱい。でもでも、何とアクティビジョンは黒字化してないらしい。うーぬ、売れてても儲からんとはどんだけ金使ってんだ? 開発費も高いし、音楽版権とかいろいろ大変なんでしょうけどねぇ。ブリザードとの合併後ゴタゴタと整理中なのかもってのは邪推か?
5.日本勢が振るわなかった
任天堂以外の日本勢はイマイチの年だったね。目立ったのはオリンピック(Mario & Sonic)とIron Man(アメリカ製だけど)を持ってたセガと、「Metal Gear Solid 4 Guns of the Patriots」が発売されたKONAMIくらいかしら。2009年はカプコンが頑張ってるね!
6.ネットが更にすすむ?
DSiが発売されたので、これですべてのコンソール、ハンドヘルドがダウンロード可能なデバイスになったね。ネットが進んでくと日本が置いてかれる予感がするんだけど、杞憂だと嬉しす。
ひと言で言うと、前にも記事(くねくねハニィの「世界不況がもたらす影」)に書いたけど、「市場と業界のミスマッチ」。市場は大きくなってるはずなのに、海外のメーカーはあんまりうれしそうじゃない。実際には「市場が膨らんだのは任天堂が伸ばした分、以上」って声もあって、業界全体としては「ウハウハ」感はゼロ。
「PS3やXbox 360でソフト制作をすると開発費が高くておっかないし、WiiやDSで作っても任天堂ブランド以外売れないし売れたとしても利益幅が低いし、PSPはソフトがまったく売れないし……。何に向けて作ったらええんやぁぁぁ!」と、メーカーの皆様口をそろえておっしゃってました。
そういう意味ではPCに活路のある海外メーカーはPCに向けてもいろいろなコンテンツを供給してるし、最近ではiPhone向けコンテンツも作ってる。それにしても任天堂、SCE、MSは、プロバイダー(コンテンツを供給する人たち)に対してもう少し考えてほしいなと。ユーザーがいろんなものをいろんな形で手に取れるように門戸を広げてくれないと、似たようなジャンルやグラフィックだけがすばらしい大金のかかったクソゲーが跋扈して、業界全体を潰しかねない。なんて毒を吐いてみたりもするハニィでしたぁ。
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