オンラインゲームでも採用の動きが広まる「ワンタイムパスワード」ってなに?日々是遊戯

少しずつではありますが、オンラインゲームでも「ワンタイムパスワード」方式による認証に対応するものが増えてきているようです。

» 2010年01月06日 17時32分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

不正アクセスの被害にあう前に

「ファイナルファンタジーXI」などで利用されている専用端末(セキュリティトークン)

 オンラインゲームなどでも、昨年ごろから採用の動きが強まってきている「ワンタイムパスワード」という認証方式。突然ですが、どういったものかご存知でしょうか?

 オンラインゲームでしばしば問題とされるのが、他人のIDやパスワードを盗み、アイテムやお金(ゲーム内通貨)などをかすめ取ってしまう「不正アクセス」問題。警察庁が公開したデータによれば、2009年上半期に検挙されたサイバー犯罪全3870件のうち、不正アクセスによるものは1965件と半分以上にものぼったそうです。

 こうした不正アクセスを防ぐために考えられたのが「ワンタイムパスワード」。国内のゲームでは、2009年4月にスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXI」で正式採用されたのが最初で、最近ではガンホー・オンライン・エンターテイメントやコーエーなども「ワンタイムパスワード」の採用を正式に表明していたりします。

 通常、オンラインゲームで遊ぶ際、あらかじめ決めておいたパスワードを入力することで本人認証を行います。しかしワンタイムパスワード方式の場合、ログインするたびに新しいパスワードが発行されるのが特徴。一度使ったパスワードはその場で破棄され、次回ログインする時にはまた新しいパスワードが必要となるため、仮にもし誰かにパスワードを知られてしまっても大丈夫――というわけです。

ガンホー・オンライン・エンターテイメントのワンタイムパスワード利用イメージ

 「毎回パスワードが変わるんじゃ、自分はどうやってそれを知るの?」と思われるかもしれませんが、ログイン用のパスワードはプレイヤーにのみ分かるよう、そのつど専用の端末や携帯電話などに通知される仕組みになっているのでご安心を。一例として、「ファイナルファンタジーXI」の場合はポケベルのような専用端末を利用(希望者に有料で販売)、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの場合はユーザーの携帯電話に、専用のアプリ(2010年3月末まではβテスト期間中につき無料)をインストールすることで利用できる仕組みとなっています。毎回新しいパスワードを確認・入力する手間はかかりますが、大切なキャラクターやアイテムが不正ログインの被害にあうダメージを考えれば、導入するメリットは十分にあると言えるのではないでしょうか。

 今のところ、採用しているオンラインゲームはまだそれほど多くありませんが、セキュリティへの関心が年々高まってきていることを考えると、今後採用していくメーカーは確実に増えていくのではと思われます。覚えておくと、いざという時に大切なデータを守ることができるかもしれません。

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