あなたの「歩き方年齢」は何歳? 日本科学未来館の新展示を体験してきた

科学捜査への活用もはじまっている。

» 2015年07月14日 17時03分 公開
[林健太ねとらぼ]

 日本科学未来館は、7月15日から新しい展示としてメディアラボ第15期展示「アルクダケ 一歩で進歩」を公開します。人の歩き方を撮影して解析することで、年齢やその意図などを推定可能な、犯罪捜査への活用なども期待される技術を楽しみながら学ぶことができます。公開前日に開催されたプレス体験会にて、さっそく体験してみました。今回体験できる展示は、歩き方の個性計測と認知能力計測の2種類。

アルクダケ 「アルクダケ 一歩で進歩」展示スペース

 まずは、歩き方の計測から挑戦。体験者は、10メートルほどの歩行路を2往復するだけで、その様子が撮影・解析され、結果をカードに印刷して持ち帰ることができます。

アルクダケ 歩き方計測の様子

 ほとんどの人が意識したことがない「歩き方」の個性とはいったい? 計測でわかる項目は以下の8つでした。

  • 足の運び方の左右対称性
  • 背筋の伸び
  • 腕の前振り
  • 腕の後ろ振り
  • 腕の振りの左右対称性
  • 歩幅
  • 歩行周期(ペース)
  • 歩行速度

 記者(30歳)の歩行年齢は、なんと20歳! 10歳もサバを読んでしまいました。この歩行年齢は、これまで約4000人の歩き方を研究した結果とくらべて導き出されたものです。中年太りや猫背は年が上に見られやすく、20代は小さな腕の振り方をするなどの傾向があるようです。

アルクダケ 記者の計測結果

 また、直前6人の体験者の結果が歩行路横の壁にあるモニターに表示されるので、グループや家族で一緒に体験するとおもしろそう。記者の結果は右下の水色。歩行年齢が若かったにもかかわらず背筋の伸びが一番悪く、歩行速度と歩幅と腕の振りが一番高い数値となっています。単純にはしゃいで歩いていただけということでしょうか……。

アルクダケ 直前6人の体験者の結果が表示・比較される

 本体験では8つの項目で歩き方の個性を説明していますが、犯罪捜査などで個人特定を行う場合は、また違う方法で解析されているようです。基本的な流れは、防犯カメラなどに写った犯行現場の映像から犯人と思われる人物のシルエットを抽出し、別の場所で撮影された映像から一致する(特徴が近い)人物をリスト化となっています。

 続いて、認知能力計測にも挑戦。こちらは、両手にスイッチを持ちながら足踏みし、目の前にあるモニターに表示される計算問題に二択で答えるという内容。計算と歩行というデュアルタスクをいかにこなせるか、歩行速度、歩行安定性、計算中の歩行速度、計算中の歩行安定性、解答時間、正答率がグラフ化され判定されます。

アルクダケアルクダケ モニター上部のKinectと床の感圧パネルなどで測定

 2回挑戦した結果はどちらもB判定。計算問題を3レベル中もっとも難しいモードにしたせいもありますが、歩行安定性が悪いことが目立ちます。うまく歩いているつもりが、足踏みの位置がバラバラになっていたようです。

 1度目は慣れない計算にとまどい正答率が低く、2度目は計算に集中し正答率はアップしたものの歩行安定性が落ちてしまいました。計算と歩行の両立、なかなか難しいものです。この認知能力計測は、高齢者支援や医療などの現場での活用が期待されているそうです。

アルクダケアルクダケ 計算の正答率と歩行安定性の両立は難しい

 ちなみに、「アルクダケ 一歩で進歩」という展示名は、体験に参加して歩くことで、科学の進歩に役立つという意味も含まれています。体験前や体験後の結果の印刷時に、研究へのデータ提供についての説明がたびたび表示されます。結果をプリントアウトして持ち帰るためには、データの提供が必要となります。

アルクダケ 映像などのデータは研究に活用される

 上記2つの体験を楽しみつつ、犯罪捜査や高齢者支援などでの活用が期待される技術の研究に関わるというのは、ここでしかできな体験かもしれません。日本科学未来館では、2016年4月11日までに10万人の歩き方に関するデータが集まることを期待しています。

林健太

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/22/news007.jpg ディズニーランドがオープンした1983年当時、カップルだった2人→37年後…… 目頭が熱くなる現在の姿に感動
  2. /nl/articles/2503/22/news033.jpg ガンダムのイラストにしか見えないのに…… “意外すぎる正体”に脳がバグる「理解が追いつかない」「目を疑います」
  3. /nl/articles/2503/22/news032.jpg スーパーで売れ残った“1匹300円のエビ”を水槽に入れたら…… 「マジすげぇ!!」興味深い姿が220万再生「はじめて見た」
  4. /nl/articles/2503/22/news098.jpg すき家、みそ汁に「ネズミ」混入で謝罪 クチコミの写真が拡散…… 「管理体制の一層の強化に努める」
  5. /nl/articles/2503/21/news067.jpg 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」 投稿者に話を聞いた
  6. /nl/articles/2503/22/news085.jpg 「昔のミスド食べたい」 15年以上前の“ミスドのドーナツ”に根強いファンの人気 「あ、これおいしかった」
  7. /nl/articles/2503/23/news026.jpg お顔そっくり“一卵性”の三つ子赤ちゃん→5年後の現在は…… 驚きの姿に「見入っちゃいました」「ほんと奇跡」
  8. /nl/articles/2503/23/news052.jpg 冷たい海に捨てられた子猫を保護→10カ月後…… 「めちゃくちゃ美猫」驚きの現在に「感動しました」
  9. /nl/articles/2503/23/news040.jpg スルスルスルスルッ! ジャガイモの皮を驚くほど簡単に剥ける方法に「50年前に知っておきたかった」の声
  10. /nl/articles/2503/23/news039.jpg 「即買いでした」 無印良品の“6990円ワンピース”に称賛続出 「長く着たい」「とっても良かった」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  2. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  3. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  4. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】
  5. ペットのカエルを土に埋め、約半年間放置→掘り返してみたら…… 「すげぇ」予想外の結末に「ほんと不思議」
  6. 「絶対当たったわこれ」→「は?」 ガリガリ君の棒に書かれていた“衝撃の文章”に「そうはならんやろ」 投稿者に当時の思いを聞いた
  7. コメダ珈琲店で「軽い食事」を注文 → 出てきた“まさかの実物”に思わず大仰天 「逆詐欺ですね」「軽食という名の主食」
  8. 最恐雑草“ヤブガラシ”根元をハサミでチョキッと切ると…… “驚愕の結末”に「すごい」「知りませんでした」
  9. 「笑い過ぎて涙が」 小学生次男、宿題で先生に不正を疑われる→まさかの原因が530万表示 「じわじわくる」 投稿者に話を聞いた
  10. 大阪梅田駅で撮影された“奇跡のような光景”に「今まで見たことない」「本当に贅沢な眺めだ」 全ホームにマルーンカラーが整列
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に