「あいつがスパイだ!」「よし、仕分けるぞ」 たけのこ派が作った「きのこたけのこ判別機」が意外と平和:司書メイドの同人誌レビューノート
たけのこ派の製作者が、きのこを破壊する目的で作ったものの、現在は仕分け専門らしいです。平和。
初夏間近の春。顔を出したたけのこがおいしい時期ですね。いえ、きのこだっておいしいですよね。ちょうどこの間、きのこリゾットを館内でお出しすることになって……と、なんということのない会話のはずなのに、「きのこ」「たけのこ」と聞いただけできらりと目が鋭くなってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そう、「きのこたけのこ」といえば、ねとらぼさんでも幾度となく記事にされ、サイト内検索するだけで、「戦争」「勃発」「決着」といったワードが頻発する、あのチョコレート菓子が思い浮かびます。その「きのこたけのこ」論争に一石を投じるマシンがあることをご存じでしょうか……。
今回紹介する同人誌
「きのことたけのこを判別する技術」 A5 20ページ 表紙カラー・本文モノクロ
著者:きりん
どんなときもこれがあれば!? きのことたけのこを判別するためだけのマシン
なんと「きのこたけのこ判別機」は既に完成しており、これまでに動画やニコニコ超会議でも公開されています。その性能は、無造作に置かれたチョコ菓子を機械のアームがすっとつかんだかと思うと、きのことたけのこを別の容器に収納してくれるという、他では見たことのないマシンです。
んー……なぜ他で見たことないかと言えば、多分、あんまり使うタイミングが無いからじゃないかしら。だってきのこたけのこアソートパックとかでも、きのことたけのこは別々に小袋に入れられてますし……とふとした思いが胸をよぎりますが、それは些細(ささい)なことですね。
作者さんはこの判別機を作った理由をこうつづっています。
年々過激化する「きのこたけのこ戦争」に心を痛めた作者がなんとか和解の道を歩めないかと制作…というのは建前で、きのこを殲滅するために作られた現代の破壊兵器である。
たけのこ派の人だーーーー! さらっと“殲滅”とかおっしゃってますよ。こんなおそろしいマシン、謎を探ってみないわけには参りますまい。
ポイントはクッキー部分。真面目に検討した技術を惜しみなく公開
こちらの本では、判別機がどのような部品からできているか、どうやってその姿を判別しているか、そして、判別した結果をどのように伝えてマシンが作動しているか、ということを写真を添えた文章で簡潔に書かれています。これが、とても分かりやすいんです。もちろんプログラム言語など、全く分からない私には「?」という言葉もたくさん出てきますが、写真や図説が多いこと、解説のひとつひとつが短いことで、なんとなくやってることが分かるんです。
このなんとなく分かるって、物事の入口にとても重要なことだと思います。うんと小さなころ、難しい漢字が読めなくても、前後の文から推し量って本を読んでいたころのような気持ちです。
さらに、その分かりやすさに拍車をかけるのが、きのことたけのこという、なじみのあるシルエットです。「きのことたけのこの、クッキー部分の縦横比から判別のきっかけを掴む」というあたりは、何の違和感もなく「なるほど」とうなずけます。丁寧な解説に、この本さえあればきのこたけのこ判別機が量産出来てしまうかも? と思うほどの情報公開っぷりです。
これで平和が訪れるかも……!? おもしろ技術のアイデアも掲載
いろいろ考えてみたのですが、このマシンを活用する場面としては、闇鍋パーティとかいかがでしょうか。隣の人は誰とも知れぬ闇の中、持ち寄った物体は何か分からない……。そんなときでも、適切にきのことたけのこを判別して、お好きな方だけをお鍋にいれることができますよ! えーい、いっそ両方入れてチョコレートフォンデュの完成です!
うーん、割とどう考えてもほのぼのしてくるのはなぜでしょう。手間暇かけた判別機の制作過程を知ると、殲滅機のはずなのに、ついつい「よく分けたね、いいこいいこ」したくなる愛嬌(あいきょう)に満ちていて、そんなマシンがせっせと分けてくれたのですもの、どっちもおいしくいただくに決まってるじゃないですか! と、食欲が増す結論になってしまうのです。
本では「きのこたけのこ判別機」以外にも、「必ず6が出るサイコロ」「きのこたけのこ判別機mini」なども紹介されています。新緑あふれるさわやかなころ、甘いチョコをつまみながら、マシンの有効利用についてもう少し考えてみたいと思います。
今週のシャッツキステ
著者紹介
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