門前にデーモン閣下のお言葉を掲げるお寺が話題に → お寺が悪魔の言葉を掲示してもいいのか聞いてみた

人間をろう人形にしても極楽浄土に行けるかも聞いています。

» 2017年05月21日 20時55分 公開
[宮原れいねとらぼ]

 ミュージシャンであり、齢10万歳を超える悪魔でもあられる、デーモン閣下のお言葉を掲げるお寺がTwitterで話題になっています。そしてまたそのお言葉が深いこと……。



 投稿したのは岐阜県にある大垣教区大泉寺のTwitterアカウント。真宗大谷派(浄土真宗・東本願寺)に属する同お寺は、門前にある伝道掲示板に「常識は破っても構わないが非常識であってはならない」という、デーモン閣下の言葉を貼り出したとTwitterで報告しました。

 これに対しTwitterでは、「素晴らしいお言葉」「さすが閣下」といった声と同時に、「お寺が悪魔の言葉を掲げるのか……」という驚きや困惑の声も。ある意味「常識は破っても構わないが非常識であってはならない」というデーモン閣下のお言葉をまさに実践しているともいえます。


デーモン閣下 言葉 お寺 悪魔 伝道掲示板 意味自体はわかりやすくも深い内容の言葉が素晴らしい

 しかし、そもそもお寺が悪魔の言葉を貼り出してもよいものなのか? 大泉寺の中の人にお話をうかがったところ、仏教における「言葉の悪」は、人を惑わす言葉の 「妄語(もうご)」、中身を伴わないキレイごと「綺語(きご)」、両者を仲たがいさせる言葉「両舌(りょうぜつ ※二枚舌)」、他者を傷付ける言葉「悪口(あっく)」の四つ。そして閣下の言葉については「どれにも当てはまらないので、寺での掲示は教義的にも問題ありません」とのことでした。なるほど!

 また、人間をろう人形にしてしまうような人(悪魔)でも極楽浄土に行けるか聞いてみたところ、「閣下御本人が浄土を願うのであれば、往生浄土は『必ず』です」と力強く回答。ちなみに仏典にろう人形は登場しませんが、ブッダの弟子の中には、多数の人を殺めたアングリマーラという人もいるのだそうです。


デーモン閣下 言葉 お寺 悪魔 伝道掲示板 「この言葉自体が、悪魔なのではない」ともツイートしています

 ちなみに過去には「My Little Lover」や「THE YELLOW MONKEY」の歌詞から引用したこともあり、その世代の人から反響があったそう。また中の人はアカウント説明に「聲の形 聖地まで徒歩5分」とあるようにアニメにも通じていて、「Re:ゼロから始める異世界生活」の台詞を参考にした掲示をしたこともあったとのことでした。

 なお、内容については「ググらなくても主旨の伝わる文面」かどうかを普段から意識しているということで、深くも意味は理解できるデーモン閣下のお言葉はさすがだと言えるでしょう。





画像提供:大垣教区大泉寺


(宮原れい)


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