なぜWordのデフォルトフォントサイズは「10.5」なのか?
「ルビ」の謎についても解説。
Macユーザーが増えてきた現在でも、文書作成ソフトのスタンダードであるMicrosoft Word。もはや使ったことのない人がいないレベルのソフトです。
ところで、なぜWordのデフォルトのフォントサイズって「10.5」なんでしょう?
なんでそんな半端な数字? 1つ小さい10でも、1つ大きい11でもいいじゃないですか。そもそも10.5の単位って何だったんでしたっけ……?
というわけで、今日はフォントのサイズについての話です。身近な疑問を一気に解決していきますよ!
フォントのサイズについて
フォントのサイズを表す単位は「ポイント」。1ポイントは72分の1型を表す単位です。1型とは約2.54cm。つまり10.5ポイントとは約3.7mmを表すというわけですね。
なぜ「10.5」なのか
一体なぜ10.5ポイントという半端な数字なのか? それはかつて日本で使われた活字の単位・号に由来します。
かつて、日本で公文書の作成の際に使われたフォントのサイズは「5号」と定められていました。しかし、1962年にJIS・日本工業規格の「活字の基準寸法」が制定されて以降は、号に代わってポイントが用いられることになりました。
この、5号をポイントに換算したときにほぼ同じくらいのサイズになるのが、現在まで残る謎の「10.5ポイント」です。
将来的には廃止されることが前提だったのですが、使い勝手が良かったことから、現在でもスタンダードなフォントサイズとして使用され続けています。
2019年2月14日追記:誤解を招くおそれのある表現があったため、本文を一部修正しました。
この話、じつは「ルビ」にも関係があった
難しい漢字の上に振られるちっちゃい文字の「ルビ」。この「ルビ」とはどんな言葉に由来するか分かりますか?
なんとこれ、実は宝石の「ルビー」。
先ほど書いた通り、かつての日本でのフォントのスタンダードサイズは5号。これに振るルビの大きさは7号(=約5.25ポイント)が基準でした。
これにほど近い大きさであった5.5ポイントのフォントのことを、イギリスでは「ルビー」と呼んでいました。19世紀後半以降、イギリスではフォントの大きさのことを宝石の名で呼ぶのが習わしだったのです。例えば、4.5ポイントのフォントを「ダイヤモンド」、5ポイントのフォントを「パール」など。
この「ルビー」が縮まって「ルビ」となったのが、漢字に振られる「ルビ」の由来です。
以上、フォントのサイズにまつわる雑学でした。PCを使っているとき、ふと思い出したら周囲の人に披露してみてください!
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