ハーゲンダッツ「ショコラミント」にアルコール0.3%、運転上の注意喚起が話題に どれほどケアすべき?

ハーゲンダッツの回答は。

» 2017年06月06日 11時30分 公開
[黒木 貴啓ねとらぼ]

 2012年より不定期で販売されているハーゲンダッツのミニカップ「ショコラミント」。今年も5月に期間限定で発売されたが、こちらにはアルコールが入っているので運転前には気を付けるべき、という注意喚起ツイートが話題になっている。

 商品には「アルコール0.3%」と表記されており、アルコール量もお酒に比べて少量のはず……過度に不安にならず季節ながらの味を楽しみしたいところだが、アルコール検査を考えてどれほど注意すべきなのだろうか。

ショコラミント ハーゲンダッツ アルコールショコラミント ハーゲンダッツ アルコール ハーゲンダッツのミニカップ「ショコラミント」

ハーゲンダッツの回答は

 注目を集めたのは、@hira_denさんのツイート。「【アル検注意】(中略)蓋には書いてないけど側面にある通りアルコール入ってます 最大0.11出ました、現業勢はご注意を」と、「ショコラミント」を食べながらアルコール検知器で測定している写真を投稿した。

 人気アイスにアルコールというインパクトも強かったためか、Twitterでは数日で4万RT以上と広く拡散される事に。運転中に警察のアルコール検査を受け、呼気に1リットル当たり0.15ミリグラム以上のアルコールを含んでいた場合、酒気帯び運転として罰則を受ける。「あと一歩で飲酒運転なりますね」「マジですか!こりゃ乗務前には食べれませんね・・・」と、不安の声が多数上がっていた。

 「ショコラミント」のアルコールについての表記は、2012年の発売当初から変わっていない。側面のみに「お子様や特にアルコールに弱い方はご注意ください」という一文と、黒地に白文字で「アルコール分0.3%」と書かれている。

ショコラミント ハーゲンダッツ アルコールショコラミント ハーゲンダッツ アルコール 「ショコラミント」のアルコールについての表記部分

 蓋に表記はないが、広報に確認したところ、そもそもアイスクリームにはアルコール成分の表示義務はなく、食品表示法など法律上特に問題はないとのこと。それでも「当社の場合は、お客様に注意喚起のため」側面に表記しているという。

 商品にアルコールが入っているのは、天然香料であるペパーミントを抽出するのにアルコールを使用しているため。内容量は110ミリリットルなので、アルコールの量は単純計算で1個あたり0.264グラムだ。

 実際に「ショコラミント」を食べた後に運転した場合、アルコール検査に引っ掛かる可能性はあるかどうか尋ねたところ、「アルコールの吸収と分解については個人差があるため回答できない」とのこと。側面の表記もそうした個人差を踏まえた上で「お客様への注意喚起のため分かりやすく表示している」ものだと説明した。

アルコールはビールひと口分以下

 では一般的なお酒と比べて、アルコールの量はどれくらいなのだろう。

 アルコール摂取量の基準とされる「お酒の1単位」は、純アルコールに換算して20グラム(アルコール健康医学協会公式サイトより)。ビール(アルコール度数5%)なら中びん1本(500ミリ)、日本酒(アルコール度数15%)なら1合(180ミリ)に入っている量だ。あくまで目安だが、お酒1単位を約60キロの成人男性が約30分以内に飲んだ場合、アルコールが体内から消えるまでに約3〜4時間かかるという。2単位では約6〜7時間、3単位では約9〜10時間、4単位では約12〜13時間(体格、体質、性別で異なる)。

 「ショコラミント」のアルコール量が1個当たり0.264グラムとすると、「お酒1単位」に比べ約76分の1。度数5%のビール、6〜7ミリリットル分といったところだ。

ショコラミント ハーゲンダッツ アルコール お酒の1単位の表(アルコール健康医学協会公式サイトより)

 食べた直後に呼気を検査すると、口内や胃に残ったアルコール分の影響で酒気帯びの基準値である「呼気1リットル当たり0.15ミリグラム以上」に引っ掛かる可能性も高い。それでも1個程度なら、食後に相応の時間を置いてうがいや水分補給を徹底すれば運転も問題ないだろう。アルコールの吸収や分解は個人差があるので注意しつつ、「ショコラミント」という夏ならではの味を楽しみたいところ。

 ちなみにお酒じゃなくとも、アルコール成分を含む食品は「ショコラミント」以外にもたくさんある。粕漬けやお酒を使ったチョコレートなど。アルコール検査で検知されてしまった場合、やはり罰則を受けてしまうのだろうか。

 警察庁に確認したところ、道路交通法の六五条(酒気帯び運転等の禁止)に「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」とある通り、アルコールが基準値以上検知された場合は原因が何であろうが罰則の対象となるとのこと。酒気は酒気、ということだ。き、厳しい……!

黒木貴啓


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