「誘拐する」をちょっとかわいく言いたい時に 「キャトる」の意味と使い方:ねっと用語知ったかぶり
ちなみにキャトル(cattle)は英語で牛のこと。
たまに見かけるネット用語を、勝手に知ったかぶりで解説する「ねっと用語知ったかぶり」。今回は「キャトる」をご紹介します。
【キャトる(きゃと-る)】
「キャトる」とは、誘拐する・拉致することを表します。英語のキャトルミューティレーション(cattle mutilation)を日本語流に略したものですが、実はキャトルミューティレーション本来の意味はちょっと違っていて、weblio辞書によると、「1970年代のアメリカ合衆国などでおきた、家畜が惨殺される事件」のこと。全身の血が抜き取られたり、内蔵の一部がなくなっていたりといった死体の様子から、宇宙人の仕業ではないかと言われましたが、「キャトる」はこの“宇宙人の仕業説”から発展して、(UFOなどが家畜を)誘拐する・拉致するという意味で、深刻さはなく面白みを込めた意味合いで使われています。ちなみに「誘拐する」は本来なら「アブダクション(abduction)」が正解。
「キャトる」という言葉が使われ始めたのは2010年ごろ。アニメ「けいおん!」の中で使われたという説があります。その後特に話題になることはなかったのですが、今年6月ごろ、突如キャトルミューティレーションがTwitterのトレンドにあがり、「どういうこと……」とネット界隈がざわつきました。その時は「キャトルミューティレーションは一般常識かどうか」という議論がきっかけで話題になったのですが、当時のやりとりをまとめたTogetterを見ると、多くの人がキャトルミューティレーションとアブダクションを混同していたことがよく分かります。前述の通り、日本では「キャトる」がほぼアブダクションの意味で使われていたのも混同しやすい原因の1つだったのかもしれませんね。
家畜が誘拐、家畜がどこかに連れられていってしまう、という意味では、ドナドナという歌があります。子牛が荷馬車に乗って市場に連れて行かれ売られるという歌ですが、そこから「ドナドナする」という言い方もあります。つまり、キャトるとドナドナするは意味的にほぼイコールなのです。キャトるになじみはなくてもドナドナするになじみがある人は、実はある程度の歳と考えていいようですよ。マジかよ。
使い方例
例1:いやあ……仕事してたら急に別の会議にキャトられちゃってさぁ。
例2:あの人必要なのでキャトるよ?
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