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» 2017年12月23日 11時00分 公開

「分裂」する現代クイズ番組と、『高校生クイズ』35年目への挑戦 〜『国民クイズ2.01』としての現代クイズ概論〜(6/9 ページ)

[伊沢拓司,ねとらぼ]

第37回は「融合への挑戦」だ

 さて、ようやく本題に入るぞ。

 今年の第37回は、視聴率的には失敗の領域に入るだろう。9%、歴代でもワースト3に入る成績だ。

 一回戦では多くの高校がほとんど画面に映らず。海外進出チームでは、新潟高校の男女ペアをやれカップルだと何度もイジりつつ、同じく男女ペアの栄東高校などは勝ち残っていたにもかかわらずほぼ全スルー。決勝も白熱の様相ではあったが、開成高校の不自然な誤答など、ツッコミどころがあったことも否めない。

 放送後の各所における意見などを見ていても、「どこかかみ合っていない」「不自然さの残る」番組だったといえるのではないだろうか。

 そしてこれらの要因の背景には、「エンタメ」と「スポーツ」の混線があると僕は考える。

 高校生たちの青春模様を映す、移動を伴うバラエティ感のある企画で進めるという「バラエティ」要素と、明らかにレベルの高い問題をスラスラ解いていく高校生という超人ショー的な「スポーツ」要素が、番組内には混在していた。ウォータースライダーを滑り降りた先の早押しボタンを押す形式で、出題される問題が「ピトフーイ」である。毒を持つ珍しい鳥類の名前……なのだが、明らかに一般的ではないだろう。

 つまり、「エンタメ型」クイズにおける「正解する」「教養を蓄える」「会話する」という喜びが中途半端に殺されてしまった状態のように思えた。

 もちろん、形式の面白さは過去の『高校生クイズ』の人気ルールを使ったこともあり、エンターテインメントとして成立していただろう。しかし、ガチンコな問題や高学歴高校生集団といった「スポーツ型」の要素が混線していることによって、視聴者にはその形式の遊びが雑味に感じられてしまう(先に紹介したような否定的な意見はこれに起因しているといえる)。

 結果として、どちらの立場にも立てぬまま、番組が流れていってしまったように思えた。

 ここまで、一方的に『第37回高校生クイズ』の気になる点を挙げてきた。良い点も多くあったが、そうでないところを集中的に挙げた。

 しかし、こう視点を変えてみてはどうだろうか。

 すなわち、この番組は「『World Quiz Classic』などで以前から行われていた、エンタメ/スポーツ両者の統合の試みであった」と。

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