Amazon.comにて海賊版ゲームソフトが販売される デベロッパーからの販売停止要請でようやく収束へ

審査しっかりして……。

» 2018年07月26日 15時57分 公開
[Minoru UmiseAUTOMATON]
AUTOMATON


Amazon 海賊版ゲーム販売

 インターネット大手通販サイトAmazon.comにて、ゲームの海賊版が販売されていたようだ。対象となったタイトルは、人気を博しているシミュレーション「Frostpunk」など。サードパーティーセラーにて定価の90%オフで叩き売られていたゲームの中身は、なんとほかのゲームストアから購入したDRMフリー版だったという。



 発端となったのは、Redditユーザーの報告だ。ゲームの特価情報を共有するGameDealsで、定価約30ドルの「Frostpunk」が約3ドルで販売されていることが報告された。この怪しげなゲームを購入したユーザーCodependentlyWealthyが調査したところによると、ファイルの中身はGOG.com(以下、GOG)で販売されたものだったという。というのも、GOGに関するいくつかのメタデータと、同サイトのゲームランチャーGOG Galaxyの動作にまつわるdllファイルが残っていたからだ。販売業者は“Ace Media Group”という名前を付けパッケージし直し、Amazonで販売していたというわけだ。インストーラーは機能するものの、アンインストーラーは機能しないと報告されており、問題のある状態で販売されたことも明らかになっている。不可解な構造と安すぎる値段などを含めて、検証した同ユーザーはこのAmazonで販売されていたゲームを「海賊版だ」と断言した。

 実は「Frostpunk」のほかにも「Surviving Mars」が格安で販売されていたほか、古くは「Lords of Xulima」といった作品も販売されており、海賊版が販売されるというケースは決して珍しくないという。もちろん、海賊版を販売する業者自体に問題があるわけであるが、サードパーティーセラーであるとはいえ、こうしたゲームを販売するAmazonに対しても疑いの目を向けられている。というのも、Amazonはこうした不正販売に誠実に対応してこなかったからだ。「Lords of Xulima」のNumantian Gamesが削除要請をした際には、要望を出した開発者に多くの書類を送ることを要求していたほか、海賊版「Frostpunk」を購入したゲームメディアSavyGamerの編集者Lewie Procter氏がAmazonに対し返金を求めた際には、謝罪をしながらも販売者に問い合わせてくださいと主張するのみ。その後氏は問い合わせを続け最終的に返金を受けたが、素っ気のないカスタマーサポートは多くのユーザーにシェアされ、批判を呼んだ。




 のちに「Surviving Mars」開発元のHemisphere Gamesと販売元のParadox Interactiveはこの事態に気付き、Amazonに販売停止を要請。「Frostpunk」の販売元の11bit Studiosも反応し、同じくAmazonに問い合わせをし、最終的に腰の重かったAmazonはストアでの海賊版の販売を停止した。正確にいえば、コミュニティーから強い要望が生まれたタイミングで、販売が停止されたとのこと。この一件ではユーザーだけでなく、メーカーも被害にあったわけだが、両社は海賊版を購入してしまったユーザー向けにSteamキーを提供することを提案。3ドルで不正なゲームを購入するハメになったユーザーは、最終的に公式にゲームを手に入れた。

 IGNのインタビューに答えた11bit StudiosはKarol Zajaczkowski氏は、Steamキーを提供したことについて、純粋にプレイしたいと願ってゲームを購入した、悪いことをしていないファンを悲しませることを避けたかったとコメント。同社は以前「This War of Mine」が発売されたタイミングで、海賊版が出回った際にも、さまざまな事情でゲームを買えないユーザーがいるという点に理解を示した。そしてゲームを買えないユーザーが海賊版に手を出すことは問題ないとし、さらにはそうしたユーザーのために一定数のSteamキーを配布していた(Polygon)。今回「Frostpunk」を格安で購入しようとしたユーザーに補償を提案したのも、ユーザーの目線に立つことを忘れない11bit Studiosらしい対応だったと言えよう。


Amazon 海賊版ゲーム販売

 またZajaczkowski氏は、Amazonで海賊版を購入したユーザーは決して多くはないとし、販売業者に対して法的措置をとることを否定。業者を追いかけて罰することに意味はないとコメントし、そのかわりにAmazonやその他ストア担当者と、同じようなケースが起こった際にどういう対応をとるのかを、話し合っていくと語っている。大手通販サイトで業者の海賊版が販売されるというのはショッキングな出来事であるが、Hemisphere GamesとParadox Interactive、そして11bit Studiosの丁寧な対応によりひとまず事態は収束に向かっていった。

 今回の件でVentureBeatから問い合わせを受けたAmazonの広報は、Amazonからの販売であってもサードパーティー業者からの販売であっても、カスタマーは正しい製品を受け取るべきだとコメントし、偽造製品の出品を禁じるポリシーを強調している。今後の再発防止と、迅速な対応を望みたいところだ。


関連記事


Copyright (C) AUTOMATON. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」