クルマに「eSIM」内蔵へ ドコモとBMWグループが開発推進、何がどうなる?
スマホとクルマを自然に連携して「その次」の便利を目指す手段。
NTTドコモは12月4日、BMWグループと「コンシューマeSIM」による新たなコネクテッドカーサービスの開発、展開に向けた取り組みを開始したと発表しました。
コネクテッドカーとは、総じて車載通信システムを標準搭載し、データを常時・相互にやりとりできるようにした“ネットにつながっているクルマ”を指します。
スマートフォンと同じようにWeb、メールや通話、SNSをチェックしたり、音楽や動画をストリーミング再生したりする機能だけでなく、“現在”の情報を即時反映したナビゲーション機能、自宅のエアコンや鍵などをリモート操作できるようにする機能、「オペレーターに聞いてナビ設定」「故障時・緊急時の診断や各種手配」などのコンシェルジェ的機能、クルマの故障を自動検知して車両を遠隔管理・診断する機能、事故などの緊急時に自動通報する機能などがあります。
さらには、収集した車両情報の統計や分析データから、“その車種”の使用状況に応じてメンテナンス時期や故障部品を推測したり、“その人”の安全運転の度合いに応じて保険料を割り引く自動車保険など、「つながる」からこそのクルマ向けサービスも続々と構想されています。
BMWは、2013年9月からコネクテッドカーサービス「BMWコネクテッド・ドライブ」を展開し、2018年12月現在、Z4を除く全車種に標準搭載しています。では今回のドコモとの連携によって、どんな発展が望めるのでしょうか。
コネクテッドカーの通信手段の多くは携帯電話の通信網が使われます。これまでは、主にエンターテインメント系機能のために利用する程度にとどまっていました。また、今使っているスマートフォン契約とは別に新たな通信契約を結ばなければならないこともあり、利用コストもかかる傾向にありました。ケーブル接続やテザリング機能などで「乗車中」はカバーできたとしても、その使い勝手や無人時の通信手段を確保できない課題もありました。
もし通信契約を「今使っているスマホのもの」をそのまま使えるならば楽です。普段はスマホ、時にタブレット、会社ならばPC、では運転中はどんな画面を見るでしょうか。今、そのときに最も適するデバイスを自然に使えるようにする「マルチデバイス・マルチスクリーン」の考え方がクルマにじわじわと浸透してきています。クルマに乗ったら「自動的に切り替わってくれる」のが理想です。
このような新しい使い方を実現するために、通信事業者が活用を推進しているのが「eSIM」です。eSIMとは遠隔で契約情報を書き込めるようにした電子的なSIM(Subscriber Identity Module)のこと。使うデバイスを交換するために、物理的なSIMカードを差し替える必要がありません。異なる2つの電話番号で同時に待受する、国内/海外それぞれで別の事業者を自由に選んで使うといった利用シーンが挙げられています。
ドコモではeSIMを活用したサービスの1つとして、Apple Watchなどの機器を対象とした「ワンナンバーサービス」を既に提供しています。簡単に説明すると、スマートフォンとApple Watchで「同じ電話番号」を使えるサービスのこと。スマートフォンを持たずに出掛けたとしても、かかってきた電話にApple Watchで出られます。
今回の車載eSIMも同様です。これまで通信手段の確保が課題だったクルマにおいても、eSIMの仕組みが「標準搭載」されれば、コネクテッドカーの普及は大きく加速しそうです。
(参考)「BMWコネクテッド・ドライブ」を搭載するBMW 各シリーズ
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「コネクテッドカー」が実現すると私たちにうれしいこと、よくなることの第一歩がここに。
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