列車もトークもガンガン加速 “爆速”ローカル鉄道、ほくほく線「鉄分たっぷりツアー」が楽しすぎた:月刊乗り鉄話題(2018年12月版)(3/4 ページ)
トンネルが多くて景色が見られない 「それならば!」のハイテクな仕掛けも
次の目的地は「六日町駅」。車内では天井をスクリーンに見立てた上映会が行われます。乗った電車は「ゆめぞら」号といって、天井にプロジェクターの映像を投影できる珍しい仕掛けがあります。トンネルの多い路線で景色が見えない区間が多いことから、これでお客さまに楽しんでいただこうという趣向です。週末に「花火」「宇宙」「海中」など5タイトルを上映しています。しかし今回はなんと、「運転台からの展望」を映し出してくれました。見上げると首が痛い(笑)。でも楽しい!
続いて「十日町駅」に到着。六日町駅に向かう途中ですが、ここで後続の「超快速スノーラビット」に追い越されます。在来線特急はくたかが廃止された後、北越急行が意地と根性で走らせる速達列車です。「超快速」と名乗る列車は日本ではここだけです。日本海側の直江津に行く場合は北陸新幹線を乗り継ぐよりも、上越新幹線と「超快速スノーラビット」の乗り継ぎの方が早く着く場合もあるとか。
さて、十日町駅の停車もネタに抜かりはありません。ふだんは1両編成、2両編成の停車位置、プラットホームの中ほどで停まるところを、かつての在来線特急「はくたか」が使っていた9両編成の停車位置、プラットホーム先端に停まりました。これも今回の特別サービス。気分だけ特急列車です。ところが、プラットホーム中ほどで待っていたお客さんが慌ててこちらに走ってくるというハプニング発生。北越急行の職員さんが「こちらは団体専用です〜超快速は隣です〜」と案内する場面もありました。
超快速の後を追いつつ、我々の臨時列車も出発。赤倉トンネル内にある美佐島駅を通過して、赤倉信号場にも停車しました。ここも現在はすれ違いを実施していないので、待避線の通行と停車は貴重な体験です。これで北越急行ほくほく線の信号場は全て制覇しました。満足度高し!
車内では久野アナウンサー、南田マネジャーへのトークが続いています。このお二人、朝からずっとしゃべっています。電車内もマイクロバスも斜坑でも。さすがプロ。電車内は立ちっぱなしです。そして話題は尽きません。すごいです。時々、南田マネジャーは「ちょっと休憩」と称して静かになります。しかし前面展望に集中している様子。休憩と言いつつ「テツ」は休んでいません(笑)。さすがです。
六日町駅に到着後、電車は私たちを乗せたまま車両基地「六日町運輸指令区」へ進みます。これもめったにない経験です。電車から降りて車両検修工場へ。ここで北越急行の尾山氏による解説トークタイム。分解された台車の部品について、1つずつ役割を丁寧に教えてくださいました。
そしてサービスタイムは「幕回し」。電車の側面にある行先表示を変更する様子を見せてくれました。電光掲示ですが、昔はロール状の幕を使い、軸を回転して表示を変更していました。だから今でも「幕回し」と呼ばれています。ほぼ全てを尾山氏が担当したそうで、デザインの工夫、超快速の愛称決定から機器メーカーの発注締め切りまでの忙しさなどを伺いました。尾山氏は静かな口調ながらユーモアたっぷり。笑いの絶えない時間でした。もっと話したい様子でしたが時間切れ。一同残念。またお伺いしたいです。
六日町駅から十日町駅へ戻る途中で「美佐島駅」に立ち寄ります。トンネル内の駅で、列車の往来によって突風が吹くため、プラットホームと待合室の仕切りが金属製の自動ドアになっています。待合室から地上への出入り口にも金属製自動ドアがあります。まるで秘密基地みたいです。今回は臨時停車のためプラットホームを5分ほど見学しました。
乗客同士もうち解けて、最後まで楽しい「鉄分ほっくほく」の旅
これにて見学プランは全て終了。あとは十日町駅に戻って解散です。しかしここで最後のサプライズ。「ゆめぞら」の天井スクリーンに、なんと、今日のイベント中に撮影された写真が投影されました。スライドショーで1日を振り返ります。すごい。いつの間に!! 乗客同士もうち解けて、最後まで楽しい時間となりました。
十日町駅のプラットホームでお楽しみ抽選会を開催。続いて久野アナウンサー著、南田マネジャー監修の本「鉄道とファン大研究読本 〜私たち車両限界、超えました〜」や南田マネジャー考案の仮装鉄道をテーマとした手ぬぐいなど珍しいアイテムの販売会とサイン会も行われて解散です。皆さんおつかれさまでした!
北越急行ほくほく線では、鉄道施設見学や観光地めぐりを組み合わせたイベント列車「超低速スノータートル」を不定期に開催しています。次回は2019年2月とのこと。2月と言えば雪深い時期。今度はどんな趣向でしょうか。こちらも楽しみですね。
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