「凪のお暇」実は似た者同士、凪と慎二の“すれ違い”を検証してみた 慎二はこのドラマの“裏主役”だ(2/2 ページ)
凪目線と慎二目線のすれ違い
凪と慎二が本当に噛み合わない。慎二が同級生たちとのバーベキューへ凪を連れて行ったエピソードは象徴的だ。慎二は同級生らに凪との交際を否定した。凪は「私はテストに落ちたんだ」と勘違いする。実は友人が恋人にフラれ、とっさに慎二が彼女の存在を隠すためウソをついたのが真相だった。
営業成績は抜群。空気を読むことがうまく、相手の欲しい言葉をサラッと言えてしまう慎二。なのに凪に対しては雑に接し、モラハラな一面を出してしまう(誰にでも優しいゴンとの対比!)。とことんすれ違う2人だが、事の真相を凪に伝えていれば済んだ話だ。ただ、それだけのこと。慎二の本当の気持ちを知っていれば「不器用」「もっと素直になれ」と同情の余地もあるが、凪からすると苦しみしかない。自分を萎縮させるモラハラ男、それが慎二に対する印象。
凪の退社後、彼女の受け持つ仕事は同僚たちが引き継いだ。凪とのやり取りはハガキを通じての連絡のみである。
「その子、SNSもスマホも全部解約しちゃって連絡取ろうにも取れなくて」
「会社も人間関係もスッパリ切り捨てちゃって」
自分たちが行ってきた仕打ちを覚えていないのか!? と、同僚らに憤りそうになる。あまりにも無神経だ。でも、同僚からすると凪は本音を言っていない。自分たちが押し付ける仕事を笑顔で受け入れる人が凪だった。だから、人間関係清算の理由に気付かず「なんでSNSを退会したの?」と表層的なことしか言えない。答え合わせすればわかることでも、言うと言わないでは全然違う(にしても、あの同僚たちはひどすぎるが)。凪と慎二は、どこか似ている。
慎二が毎回泣いている。彼はすぐ泣く。帰り道で歩きながら号泣する慎二はもはや恒例だ。泣き方は子どもだし、リュックはランドセルに見えるし。凪目線ではただからかいに来たパワハラ男だけど、慎二目線だと涙が止まらなくなるほど凪のことが大好き。映画を通じ、吉永緑(三田佳子)から人生を教えられた慎二は素直になろうとした。
「(小声で)俺……ただ……ずっと……。だから……俺は……ずっと……お前の顔が見たかっ……。だから、好き(普通の声量で)……なんだろ? 俺のこと! 気引きたいの十分わかったからさ、そろそろ素直になって戻ってこいよ」
ダメだ、こりゃ! 伝わるわけない。病的なほどの不器用。しかも、このとき凪にした慎二のキスが気負い過ぎててすごくブサイクなのだ。お暇している凪より、むしろ慎二のほうがつらそうに見える。
「集団生活では気が弱い奴が進んでババを引いている」というホットポテト理論を持ち出した慎二本人が、実はずっとジョーカーを持っていた。自分の闇を自覚し、拭い去りたいと本当は彼自身も思っているのではないか。
加害者と被害者という単純構造で済まさず、双方からの目線で、なぜそんな言動になったか答え合わせさせてくれるのもこのドラマの魅力。慎二目線から見る慎二は、ちょっと心配になる。まさしく、「慎二、やべぇ」。今作は慎二の成長物語でもあった。
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