ニュース
» 2020年03月26日 13時10分 公開

外国人労働者の約6割が知らない「同一労働同一賃金」制度導入 国籍や年齢での理不尽な格差に疑問も

今年4月1日からの実施を前に、日本にいる外国人に調査。

[谷町邦子,ねとらぼ]

 同じ企業の中の正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差を禁じる同一労働同一賃金制度が今年4月1日から(中小企業は21年4月から)導入され、パートタイム・有期雇用労働法が改正されます。(関連記事)。


同一労働同一賃金 パートタイム・有期雇用労働法に関するリーフレット「相談窓口のご案内」より

 外国人向け求人チャットコンシェルジュ「JapanWork」が国内に住む外国人に意識調査。3月2日〜3月19日、26カ国100人に、日本の職場の給与・待遇、同一労働同一賃金制度の導入についてどのように思っているかアンケートを実施しました。回答者はフィリピン、ネパール、ベトナムなどアジア圏の20代、30代が中心で、アルバイト・パートなどの非正規雇用労働者が52%と半数を占めます。


同一労働同一賃金 回答者の約9割がアジア国籍


同一労働同一賃金 20代、30代の比較的若い年代


同一労働同一賃金 在留資格は、期間が短いものから無制限のものまでさまざま


同一労働同一賃金 回答者の半数以上が非正規雇用労働者

約6割が待遇に理不尽を感じているという結果に

 「これまでに理不尽な理由で給与や待遇の差を感じたことがありますか?」に約6割が「はい」と回答。

 コメントには「外国籍社員より、日本国籍社員の方が給料が高い」(ベトナム出身・20代)、「有名な大学の学生だった時にアルバイトをしていたが、同じ仕事内容だったのにも関わらずバングラデシュ出身の男性は私より低い給料だった。その事について、男性が意見を言うと更に低い給料にされていた」(インド出身・20代)など国籍によって給与や、「日本では外国籍というだけで、正社員になるのはとても難しい」(フィリピン出身・40代)昇進に差があるという声が寄せられています。

 また、「能力や経験ではなく、年齢によって給料が変わる」(フィリピン出身・30代)というコメントもあり、日本では珍しくない年齢を考慮した給料の決定も、外国人には理解しがたいようです。


同一労働同一賃金 正社員、パート・アルバイトで回答はちがったのでしょうか……

 さらに、「JapanWork」によると、最も多くコメントが寄せられたのが、男女差についてだったとのこと。

 「男性の方が女性より給料が高い」(ベトナム出身・20代)、「ある派遣会社は、女性より男性に多くの給料を支払っている」(ペルー出身・30代)、「同じ仕事量をしているが、男性のアルバイトの方が多く給料を支給されている」(インド出身・20代)と女性の給与が低くされがちなことについてのコメントが多かったようです。

 また、「(同じ職場で)女性の方が簡単な仕事をしているのに男性と給料が同じだった」(フィリピン出身・20代)と仕事内容についてのコメントも見られました。

知られていない「同一労働同一賃金」導入。「日本では無理」との意見も

 では、そのような理不尽な格差を認めない「同一労働同一賃金」という考え方についてはどうでしょうか。アンケートでは、約6割の人が同一労働同一賃金を「知らない」と回答しています。実際に理不尽な待遇の差を感じていても、働く人を守るための概念を知らない人の方が多いことが分かります。


同一労働同一賃金 「同一労働同一賃金」を半数以上の回答者が知らないという結果に

 一方、「はい」と答えた人からは、「性別や年齢、国籍に関係なく全ての従業員に平等な待遇や給料が保証されるべき」(インド出身・20代)、「国籍や年齢などによる差別を無くし、平等な給与制度が可能になるので良いと思う」(ペルー出身・20代)、「同じ仕事をしていれば、雇用形態に関わらず同じ給料であるべき」(ペルー出身・40代)と、「同一労働同一賃金」という考え方に肯定的なコメントが寄せられています。

 ただ、「他の多くの国では一般的な考えだが、日本企業が受け入れるとは思えない」(ブラジル出身・30代)、「この制度が悪いとは言わないが、すぐに良い変化が生まれるとは思わない。日本政府は働く現場を変えようと悪戦苦闘しているが、現場は法律や施策を守ろうとしていないと感じる」(ブラジル出身・30代)と、政府がすすめる「同一労働同一賃金」については評価しつつも、日本に浸透することが期待できないというシビアな声もありました。


同一労働同一賃金 多くの外国人が「同一労働同一賃金」に向けての日本の政策を知らない

 また、日本で4月1日から同一労働同一賃金制度が導入されることについての認知度は低く、知らない(いいえ)と答えた人が67%という結果に。制度を知らなければ、自分の待遇に疑問があっても、それを解決することはより困難になりそうです。

 アンケートでは多くの外国人が、国籍だけではなく、年齢や性別によって待遇に差がある日本企業に疑問を投げかけています。同一労働同一賃金制度がどのような制度で、どのように実施されようとしているのか、外国人だけでなく、日本で働く人すべてがチェックする必要がありそうです。

(谷町邦子 FacebookTwitter

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2112/01/news020.jpg 「キレッキレ!」「何回見ても笑えるwww」 白柴犬の激しすぎる後ろ足の動きに国内外から大反響
  2. /nl/articles/2111/30/news172.jpg 46歳と18歳の内田有紀、“2人そろって”『STORY』表紙へ 「自分の妹と撮影しているみたい」
  3. /nl/articles/2112/01/news118.jpg 渡辺美奈代、公開した自宅リビングが広すぎて“お姫様のお部屋” ゴージャスな部屋へファン「センスまで抜群」
  4. /nl/articles/2112/01/news111.jpg ゴマキの弟・後藤祐樹、服役中に死去した“母との約束” 「1000万円企画」朝倉未来の計らいで首のタトゥー除去
  5. /nl/articles/2112/01/news155.jpg 高嶋ちさ子、ダウン症の姉とさだまさしのコンサートへ 笑顔あふれる3ショットに「姉妹で素敵」「癒やされました」の声
  6. /nl/articles/2112/01/news182.jpg アイドルが「虚偽の発言」「繋がり行為」など複数の違反行為 ファンのため“卒業”を提案するもブロック→解雇へ
  7. /nl/articles/2112/01/news013.jpg 「校長先生の鑑」「神やん」 激長でおなじみの“校長先生の話”を描いた4コマ漫画が超展開で話題に
  8. /nl/articles/2111/30/news033.jpg パパに叱られる柴犬を黒猫がフォロー→柴犬「あとよろしく!」黒猫「えっ!?」 置いて行かれてあぜんとする表情がかわいい
  9. /nl/articles/2112/01/news095.jpg SPEED島袋寛子、18歳での悲劇を告白 鼻が約20年後も変形したままで「整形しようかと」
  10. /nl/articles/2111/30/news073.jpg 「犬の散歩みたい」――批判的な声にハーネスの使用をためらう親のために 現役ママが開発したリュック一体型「ワーネス」誕生秘話を聞いた

先月の総合アクセスTOP10

  1. 池田エライザ、 “お腹が出ている”体形を指摘する声へ「気にしていません」 1年前には体重58キロ公表も
  2. 「前歯を取られ歯茎を削られ」 広田レオナ、19歳デビュー作で“整形手術”を強制された恐怖体験
  3. ゴマキの弟・後藤祐樹、朝倉未来とのストリートファイトで45秒負け 左目腫らした姿を自ら公開し「もっと立って闘いたかった」
  4. 清原和博の元妻・亜希、16歳次男のレアショットを公開し反響 「スタイル抜群」「さすがモデルの遺伝子」
  5. 小林麻耶、おいっ子・めいっ子とのハロウィーン3ショットに反響 元気な姿に安堵の声が続々「幸せそうでなにより!」
  6. カエルに普段の50倍のエサをあげた結果…… 100点満点のリアクションに「想像以上で笑った」「癒やされました」
  7. 「左手は…どこ?」「片腕が消えてる」 中川翔子、謎が深まる“心霊疑惑”ショットにファン騒然
  8. 「家ではまともに歩けてない」 広田レオナ、左股関節に原因不明の“炎症” 夫から「凄い老けたと言われてます」
  9. 小林麻耶、髪ばっさりショートボブに「とても軽いです!」 ファンも反応「似合います」「気分も変わりますよね!」
  10. キンタロー。浅田舞の社交ダンス挑戦を受け体格差に驚がく 「手足が長い!!」「神様のイタズラがすぎるぞ!!」