【無料配信記念】コナンファンが劇場版名探偵コナン「世紀末の魔術師」の魅力を語る
2020年4月21日〜22日に無料配信。
4月17日から順次、「名探偵コナン」劇場版第1作〜第10作がさまざまなプラットフォームで無料配信されています。2日間ずつ交代での無料配信で、21日〜22日に配信されているのは第3作「世紀末の魔術師」(1999年公開)です。
コナンファンの赤いシャムネコさんに、同作のオススメポイントを極力ネタバレなしで聞きました。
見ていて飽きない3つの舞台
みんな大好き怪盗キッドが、初めて劇場版に登場した本作。
怪盗キッドの存在に目を奪われがちですが、平次、和葉、灰原も劇場版に初めて参加しており、彼らにも見どころが用意されています。
物語の序盤では、怪盗キッドから「インペリアル・イースター・エッグ」を盗むという予告状が届き、盗みを阻止するために動くコナンたちが描かれます。後半にかけて殺人事件が起こり、やがてより壮大な犯罪計画が明らかになっていく……という展開。その後の“怪盗キッドもの”のスタンダードになる作りです。
本作は舞台が大きく3回移り変わるのが楽しいですね。序盤は大阪を舞台に、コナン&平次と、怪盗キッドとの追走劇が描かれます。中盤は客船で起こる本格的な殺人事件。そして真犯人――スコーピオンの存在が示唆されたところで、最後を飾る“城”に向かうことになり、少年探偵団や灰原哀、博士たちと合流を果たします。それぞれのパートでカラーががらっと異なっているので、見ていて飽きません。
大阪の追走劇のシーンは、とにかく怪盗キッドがかっこいい……。イースターエッグを狙う怪盗キッドは、壮大な仕掛けを用意してきます。冷静に見ると「ここで打ち上げ花火はやりすぎでは?」「金かけすぎでは?」と思わなくもないのですが、かっこいいからいいのです。
大阪の夜空を駆けるキッドを、スケボーやバイクで追いかけるコナン&平次。ここのアクションシーンは、劇場版コナン史上でも屈指の気持ちいいシークエンス。チェイスの展開とBGMがピッタリ合っていますし、怪盗キッド専用BGMもかっこいい。ここだけ何度見返したかわかりません。この大阪の夜を境に、怪盗キッドの表面的な出番はしばらく途絶えますが、ラストに最高の見せ場がありますのでそれをお楽しみに……。
中盤からは一転して殺人事件の謎パートに。早々に、右目を狙う国際的な殺人鬼・スコーピオンの存在が明らかになります。タイトルで「世紀末の魔術師」と壮大さが出ているからか、それに相応しい強そうな犯人を出してきたな……という感があります(実際すごい強い)。余談ですがコナンは同じミステリ漫画の「金田一少年の事件簿」とは違い、二つ名のついた犯人はだいぶ珍しいです。劇場版でも数えるほどしかいない、「名前のある犯人」ですね。
最後は古城を舞台にしたアドベンチャーパート。ここには少年探偵団たちも合流し、インディージョーンズのような、冒険映画としての面白さが出てきます。いろいろな絡繰がほどこされたお城というのは見ていてワクワクしますね。そんなお城とイースターエッグに秘められた謎が解かれる中で、ロマノフ王朝の歴史と絡んだ壮大な真相が見えてくる――という展開で、スケールの大きさは劇場版随一といえるでしょう。最後のコナンと犯人の1対1の対峙はシビれます。
「世紀末の魔術師」のダブルミーニング
ラブコメポイントでいうと、劇場版で初めて「蘭がコナンの正体=新一と疑う」という展開に。原作のコナンも20巻台は「蘭がコナンの正体に気づく!?」というスリルで引っ張っており、そうした原作の流れも相まってコナンの絶体絶命の危機が描かれます。コナン史上、最も“正体バレ”に近い瞬間かもしれません。
そして言及せずにはいられないラストシーン。鳩使いとしての怪盗キッドの最高峰がここにあります。いつかやってみたいこの退場方法。絶対に見逃してはいけませんよ。
最後に触れておきたいのは、やはりタイトルの良さ。2020年現在に見ると忘れがちですが、本作の公開は1999年4月と、“世紀末”でした。ちなみにアニメコナンの最初のオープニングテーマに使われていたのがザ・ハイロウズの「胸がドキドキ」。歌いだしの「百年ぶりの世紀末」という歌詞が印象的で、多くのコナンファンにとってなじみのあるワードだったんですね。
そんな印象的なワードで構成された「世紀末の魔術師」は、ダブルミーニングが秀逸です。ひとつはもちろん怪盗キッドですが、もうひとつの意味は、歴史と絡んだ壮大な真相が明かされるとともに見えてくるようになっています。
「世紀末の魔術師」が面白かったら、この作品がおすすめ
- 「銀翼の奇術師(マジシャン)」…“キッドもの”つながりで。タイトルも似ていますが、かなり異なった印象がある作品です。怪盗キッドの活躍が見たい方はぜひ
- 「天空の難破船(ロストシップ)」…どちらかというとコナンと友好的な怪盗キッドが見られる作品。「まじっく快斗」の怪盗キッドに近い印象も
- 「迷宮の十字路(クロスロード)」…序盤で平次がリタイアしてしまったのが残念な方はこちら
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